今回は具体的な、蓄財、資産運用について説明します。一般的には、iDeCo、つみたてNISAなどの商品を選んでから、証券会社を選ぶのですが、有望な商品と証券会社は絞られていますので、証券会社を1社に絞るか、2社に広げるかの場合分けで、具体的に説明します。
(1) 証券会社を2社にする場合
① 証券会社は、
・野村證券でiDeCoとつみたてNISAを、
・SBI証券で課税される積立投信とETFを、
購入して運用します。
② iDeCo
野村證券で、野村DC外国株式インデックスファンドを選択します。毎月の掛け金は、勤めている会社の年金制度によって変化し、12,000円、20,000円、23,000円が限度額になります。iDeCoは、積立時、運用益、受け取り時に税制上最も優遇されますので、限度額いっぱいを利用すべきです。なお、iDeCoの報告書について、野村證券は紙の報告書を郵送してくれますが、SBI証券は電子データのみですので、紙の報告書が欲しい場合は、SBI証券でなく、野村證券を利用します。私は紙の報告書が欲しいので、SBI証券ではなく、野村證券を利用しています。
③ つみたてNISA
野村證券で、野村つみたて外国株投信を選択します。毎月の掛け金の限度額は、33,000円です。運用益が税制上優遇されるので、限度額いっぱいを利用すべきです。
④ 課税される積立投信
SBI証券で、ニッセイ外国株式インデックスファンドを選択します。ボーナス月の積立額は、他の月よりも増やします。iDeCoと積立NISAを合計しても45,000円から56,000円ですから、将来、老後の備えや住宅を購入する資金としては不足します。従って、課税される投信、つまり、税制上の優遇措置のない積立投信を利用する必要があります。ところが、野村證券には、低コストの投資信託(略して投信)がありません。具体的数字を挙げると、野村證券は、iDeCoとつみたてNISAについては、コスト(信託報酬と言います)が0.2%台の商品を提供していますが、課税される投信には低コストの商品がなく、最も安いコストの投信である「野村インデックスファンド・外国株式」でも年0.594%です。こんなにコストが高くては、40年間積み立てた場合、数百万円も余計にコストがかかる恐れがあります。従って、コストの安い「ニッセイ外国株式インデックスファンド」を選ぶべきですが、野村證券はこの商品を扱っていません。したがって、この商品を扱っているSBI証券に口座を作り、購入する必要があります。
⑤ ETF
1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)をボーナスの出る12月に、④のニッセイ外国株式インデックスファンドと同額程度を購入します。④のニッセイ外国株式インデックスファンドは購入時の経費が掛かりませんが、ETFに関しては購入時の手数料がかかります。一方で、信託報酬はインデックスファンドより、ETFの方が低い傾向にあります。このため、5年以上の長期保有ならETFの方がコストが安く、それ以下ならインデックスファンドの方がコストが安いというのが一つの目安だと思います。
以上をまとめると以下の表の通りになります。
例1 | 証券会社 | 商品 | 毎月の掛け金 | 毎月積立合計 | ボーナス月(6月、12月) | ボーナス月合計 | 年間合計 |
iDeco | 野村證券 | 野村DC外国株式インデックスファンド | 12,000 | 144,000 | 0 | 0 | 144,000 |
つみたてNISA | 野村證券 | 野村つみたて外国株投信 | 33,000 | 396,000 | 0 | 0 | 396,000 |
投資信託 | SBI証券 | ニッセイ外国株式インデックスファンド | 10,000 | 120,000 | 100,000 | 200000 | 320,000 |
ETF | SBI証券 | 1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF) | 0 | 0 | 0 | 200000 | 200,000 |
合計 | – | – | 55,000 | 660,000 | 100,000 | 400,000 | 1,060,000 |
(明日に続きます。)