国債発行高が増えても何も起こらないのではないか

◎今日のテーマ:<疑問> 国債発行高が増加しても、何も問題が起きていないのだから、これからも大丈夫なのではないか。

実質的財政ファイナンス

現在は、個人の貯蓄が間接的に国債を引き受け、加えて日本銀行も引き受け(一応ワンクッションを置いていますが、実質的に財政ファイナンスをしています。)ているから、問題が発生していません。しかし、現在の状態はいつまでも続けられるわけではありません。

国債引き受けをやめるとどうなるか

日本銀行は、いつかは国債の引き受けをやめるでしょう。その時には国債が暴落して、金利が高騰するでしょう。そうなると、ひどい不況になりますから、その不況を避けようとすれば、国債の価格を維持するために、国債引き受けを続けざるを得なくなります。

ハイパーインフレと不況の時代へ

そうするといつまでも、日本銀行券を刷り続けることになるので、インフレになります。インフレを抑えるためには、やはり、金利を挙げざるを得ませんから、その結果、不況になります。そのような状況になることを、日本の一部の学者や過去においてハイパーインフレに苦しんだドイツの大臣などが心配しているのです。

ハイパーインフレを恐れるドイツ、忘れた日本

例えて言うと、日本の財政は、100mの崖に囲まれた岬の上を、その先端に向かって着実に進んでいます。岬の幅はまだ10mほどありますから、風が吹いても雨が降っても、岬の崖から落ちる心配なく歩けます。岬の先端とは逆の方向、つまり岬の付け根の方は、茨と岩だらけでつらい道のりです。一方、岬の先端の方は茨がなく岩もないので楽な道です。ドイツは昔、岬の先端にある崖から落ちてつらい思いをしたので、岬の先端からできるだけ遠いところに行こうと懸命に努力しています。ドイツのいる岬は茨と岩だらけですが、幅が100mもありますから、崩れる心配はなさそうです。日本も、第2次世界大戦後に20000%(つまり200倍)のハイパーインフレを経験したのですが、それを覚えている人はドンドン減っています。

日本銀行OB、財務省OBの行動を知りたい

今日(きょう)は、ハイパーインフレにはなりませんでした。明日も、おそらくならないでしょう。でも5年後はどうなるか分かりません。以前このブログで計算したときには、19年後という数値が出ました。しかし、可能性としては19年よりも前に、ヘッジファンドが円売りを仕掛けるでしょう。また、日本国民も外貨に個人資産を逃避させる結果、円安が急速に進み、ひどいインフレになるでしょう。現在でも著名な経済評論家や、日本銀行OB、財務省OBは円でもらった退職金を外貨に換えているそうです。次に目ざとく危機意識を持った国民が外貨の金融資産を購入するようになり、徐々にその動きが波及いくでしょう。そして、その動きが一気に進むことになるのが、首都直下型地震、南海地震、東南海地震でしょう。数百億円の損失が発生し、復興のための巨大な財政出動、建築物やインフラ復旧のための建築・土木工事ラッシュでインフレが一気に進む恐れがあります。

岬の上の道を、楽な方楽な方に歩いていくと、大地震に襲われたときに幅が10mしかない岬は突然崩れ去るかもしれません。

 

 

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