インデックス運用を考える4

今までインデックス投資の良い点や、現状などを述べてきましたが、更に違った角度から考えようと思います。

弱小の個人投資家は不利にならない

アクティブ運用は、専門的知識、人件費、コンピュータなどの経費を負担しなければなりません。これらのコストを吸収して、その上さらに市場平均以上のリターンを、継続して出すことはほとんど不可能と言えるでしょう。この件に関してウォーレンバフェットはアクティブファンドと公開の賭けを行いました。

S&P500のインデックスファンドの圧勝

バークシャー・ハサウェイ社のCEOで、9兆円の資産家ウォーレン・バフェットは2007年12月19日に10年間の賭けをしました。S&P500インデックス・ファンドの10年間のパフォーマンスが、ヘッジファンド(手数料控除後ベース)を上回れば、バフェット氏の勝ちというものです。ファンド・オブ・ヘッジファンズのプロテジェ・パートナーズ社が挑戦者になりました。そして、その結果がバークシャー・ハサウェイ社の株主への手紙の中で発表されました。結果は一番右側のS&P500のインデックスファンドの圧勝でした。

ファンド ヘッジファンドとインデックスファンドの年平均リターン
A 2.0%
B 3.6%
C 6.5%
D 0.3%
E 2.4%
S&P500インデックスファンド 8.5%

バイ&ホールド

インデックスファンドが個人投資家にとってとても良いことの一つが、買った後は何もしなくて良いということです。つまり「買いっぱなし」です。これを英訳するとBuy and Holdということになります。

実際に私は購入したETFをほぼ全額そのまま保有しています。「ほぼ」というのは、200万円だけ生活費補充のために売却したETFがあるからです。つまり儲けようとして売ったことは無いということです。連れ合いは、投資を始めて12年になりますが、100%バイ&ホールドを貫いています。

「買いっぱなし」の利点は、

  • 売り時を考えなくて良い
  • 販売手数料を払わなくてよい
  • 売却によって得た資金の再投資を心配しなくてよい
  • 売却益にかかる税金を後に延ばすことで、その税金分も複利で資産運用できる

ということがあげられます。

パッシブ運用は無差別投資

一方で、パッシブ運用に対して問題点を指摘する見方もあります。それは、市場の銘柄に対して無差別に投資するので、結果的に成長株への潜在投資が減少してしまうということです。しかし、個別株式への投資が禁止されているわけではないので、本当に成長株の力があれば個別株式投資によって、その銘柄の株価は上がるはずです。

経済の寄生者

また、何もしないで利得だけ得るパッシブファンドは経済の寄生者だという見方もあります。日本においては、過去生命保険会社などが保険の契約者から受け取った資金を株式等で運用していました。それを元に保険金が支払われたり、財形貯蓄の利回りが高くなったりしてきたのです。つまり個人投資家の資金は保険会社を経由して内外の株式に投資されていたのですが、現在は保険会社を「中抜き」して直接投資するようになったのです。保険会社が価値を生まずに手数料だけを受け取っていた非効率なシステムをやめて、個人投資家が直接効率的に投資できるようになったのです。これもコンピュータやインターネットが発達したおかげだと思います。そしてこの効率化はこれからも進んでいきますので、対面証券会社や銀行の存在価値がどこにあるのかを一層問われることになります。

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