60歳を過ぎても変わらない
来年は65歳になり、前期高齢者の仲間入りです。先日もうすぐ還暦を迎える50歳代後半の方を話をしていて、「60歳になると何か変わりますか。」と聞かれました。「何も変わらない。目に入って来るものも、考えていることも変わらない。」と答えました。時々3000m級の山に登ることもあるし、海外でシュノーケリングをすることもあります。
一般的に高齢になってきて関心の高まることは、
- 健康
- お金
- 家族
- 生きがい
- 趣味
といった項目が上位に来そうです。
今日は健康診断のことを書こうと思います。
64歳までは勤めている会社で年1回健康診断を受けていました。会社の指定する検査項目だけでなく、少し工夫をしました。
① 胃カメラ
バリウム検査の問題点
35歳からバリウム検査を受けてきましたが、ラジオなどの解説によると、先進国でバリウム検査を未だに実施している国は、日本くらいなものだそうです。バリウム検査だと胃がんの検査としては精度が悪いので、胃カメラを飲む方が良いそうです。それでは、なぜバリウム検査が残っているのでしょうか。その理由は、すぐにやめてしまうと、バリウム検査用の機械の減価償却の問題と、検査技師の仕事が無くなってしまうので、やむを得ずバリウム検査が残っているのだそうです。
胃カメラは有効だが苦しい
そこで、ある年、健康診断の問診担当の医師にどちらが良いのか聞きました。その答えは「圧倒的に胃カメラです。」という答えでした。その翌年、胃カメラで胃の検診をしました。しかし、バリウムと違って胃カメラは結構つらいのです。口と鼻の両方ともやりましたが、同じようにつらかったのです。そこで、また問診担当の医師に、「胃カメラは苦しいのですが、毎年行う必要がありますか。」と尋ねました。その答えは、「今年胃カメラを飲んだから、来年はバリウムで良いです。毎年胃カメラを飲む必要はありません。」というものでした。バリウムと違って、胃カメラは会社で全額負担してくれないません。従って胃カメラは2~3年に一回にして、他の年はバリウムにすることにしました。
バリウムは2年に1回
ところで、来年からは東京特別区の健康診断を受けることになります。その説明書きを読むとバリウムは2年に1回になっています。そうすると、バリウムも毎年でなくても良さそうです。35歳から30年間バリウムを飲み続けたのですが、必要なかったのでしょうか。バリウムを飲むと便秘になって、結構苦しい思いをしたのに。何はともあれ、来年は東京特別区の健康診断でバリウムを飲むことにします。
ピロリ菌
胃がんの99%はピロリ菌が原因でかかります。従って、最初からピロリ菌のいない人は、胃がんにはまずかからないそうです。ただし、ピロリ菌保有者が薬でピロリ菌を無くしても、それ以前に小さながんが発生し、10年後に胃がんになることがありますので、その間は胃がん検査が必要だそうです。私は、5年ほど前にピロリ菌を退治したので、しばらくは胃がん検査が必要です。
内視鏡検査と食道がん
内視鏡検査をすると食道がんを発見できる可能性があります。食道がんは、お酒飲み、逆流性胃炎の人がかかりやすいので、そのような人は内視鏡検査を受けた方が良いかも知れません。私は、どちらも関係ないので必要なさそうです。
② がん検出技術
さらに現在期待しているのが、最近発表になった東芝のがん検出技術です。血液1滴から13種類のがんを99%の精度で検出する技術を開発したそうです。がんは1981年以降長らく日本人の死亡原因の1位を占めています。2018年のがんによる死亡者数は約37万人、生涯でがんに罹患する確率は男性62%、女性47%に上ります。一方、治療法の進歩により、がんは早期に発見することができれば、生存率が著しく向上します。例えば肺がんの場合、ステージIIの5年生存率は約60%ですが、ステージ0では97%です。13種類のがんの患者と健常者を99%の精度で網羅的に識別することに成功したそうです。13種類のがんとは次の通りです。
- 乳がん
- すい臓がん
- 卵巣がん
- 前立腺がん
- 食道がん
- 胃がん
- 大腸がん
- 肝臓がん
- 胆道がん
- 膀胱がん
- 肺がん
- 脳腫瘍
- 肉腫
マイクロRNA技術
主要ながんは、ほぼ網羅しているので期待が持てそうです。2020年にがん患者を対象に実証試験を始め、21~22年に人間ドックの血液検査などで実用化することを目指します。2万円以下で検査できるようにする考えです。同様の技術は東レなども開発していますが、東レの検査は特定のがんを調べる手法で、多数のがんを調べるには数万円以上かかる見通しです。東芝は13種類のいずれかのがんにかかっていることが1度で分かり、採血から2時間以内と、東レなど他社の数分の一程度の時間で結果が出るのも特長です。半導体などの技術を活用し、電気的な方法でマイクロRNAを検出するものです。
数年間の試験
20年に始める実証試験では、新たにがんと診断された患者などを対象により大規模に判定精度を検証する予定です。この結果を受けて、まずは人間ドックなどで自費で受ける検査として実用化する考えです。それまでは、バリウムと胃カメラ検査を適宜受けなければなりません。
癌の種類の特定はその後
将来は国の承認を取得し、公的保険が適用されることを目指すそうです。13種類のうちどのがんにかかっているかを特定する技術の開発も進めるので、まだがんの種類は特定できないようです。この報道発表から予想すると、今後数年間は今まで通りの健康診断を受けることになりそうです。内臓の超音波検査もやりましょう。そして、人間ドックを受けた後、新技術のがん検診を受けることになりそうです。