膨大する国債残高と個人ができるインフレ対策(2020改訂版)2

<昨日からの続き>

<インフレになった時に困らないようにするにはどうすればいいのでしょうか。>

株ならインフレを乗り越えられる?

連れ合い:インフレに備えるには銀行預金でなく、株にした方が良いってこと?

私:株と不動産はインフレに強いと昔から言われている。つまり、インフレになれば、それに応じて株価も上がる可能性がある。でも、もし世界の投資家が、日本の円は危険だと思ってしまうと、日本の円で取引される日本株式を売ってしまう可能性がある。日本株式は、現在7割を外国人投資家が取引しているので、外国人が売ったら暴落するだろうね。だから、安心というわけにはいかない。

連れ合い:それなら米国とか外国の株式なら安全?

私:日本のインフレだけ考えると、日本の株式より外国の株式の方が、安全かも知れない。

今まではデフレだったから、安全性から見て、

銀行預金>日本の株式>外国の株式

と考える人がいても、あながち間違いではなかったけど、これから日本のインフレが進むとなると、

外国の株式>日本の株式>銀行預金

と考えた方が良い可能性がある。

でも、インフレ率だけじゃなく、利回りも考えなくてはいけない。

過去20年、米国株式の価格は9%以上で上昇

過去20年位を見ると、利回りや利率は、

米国の株式(9%)>日本の株式(4%)>銀行預金(0%)

ぐらいかな。

でも外国もインフレになるかもしれない。一方で、日本がまたデフレになる可能性もないとは言えない。株式自体の価格も変動があるので安全とは言えない。

連れ合い:インフレ率と利回りの両方を一度に考えるとどうなるの?

私:1年や2年の短期だと、株価はどうなるか分からない。だから、そんな短期で考えるのではなく、中長期、例えば10年~20年で考えるしかない。米国株は過去20年以上で考えると毎年の利回りを平均9%として、10年持っていれば2倍以上になる。だから、もし株価が半分に暴落しても大丈夫。そしてインフレになっても、それに応じて価格が上がることが期待できる。それに、何年かすれば、半分の株価からかなり回復するだろうし。

連れ合い:それなら、今持っている銀行預金を米国株に換えればいいの?

為替レートも考えなくては。

私:米国株だと、為替の問題がある。今110円のドルが、55円になれば、米国株の価値は円換算で半分になる。

連れ合い:そんなことになりそう?

私:可能性がゼロではない。でも、アメリカの株価が半分になって、その上、円高でドルも半分になるってことの確率は極めて低い。もし両方が起きても10年あれば回復すると思うよ。

連れ合い:日本の株はどう?

私:日本は1990年ごろのバブル崩壊で、長い間低迷してきたけど、やっと回復してきて、力もつけて来た。ヨーロッパなどと同様に、ある程度の株価上昇を期待できるんじゃないかな。それに、日本に住んで日本円で生活している日本人だから、ある程度日本株式を持っていた方がいいんじゃない。

個別株式でなくETFを

連れ合い:それじゃあ、米国株と日本株を半分くらいずつ持つことにする。でも、私が昔勤めていた会社が倒産して、400万円も積み立てた持株会の価値がゼロになったから、個別株は嫌だな。どうすればいい?

私:倒産しない方法がある。それはETFだ。ETFっていうのは、“Exchange Traded Funds”の略で、例えばアメリカのS&P 500や日本のTOPIXの動きに合わせて株価が動く投資信託だよ。日本株は1306(TOPIX連動型上場投資信託)、米国株はSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)がいいよ。これなら、株価がゼロになることはないし、たとえ価格が下がっても5年か10年で元に戻ると思う。

連れ合い:本当に大丈夫なの?

私:持ち続ければ、きっと上がるよ。大事なことは、下がっても売らないこと。個別株と違って、株価がゼロにはならないから、いつかは回復する。

連れ合い:うん、現在までの結果には結構満足してる。損切なんてことは、ETFでやってはいけないってことね。ところで、株やETFだけでなく国債などの債券を買うのはどう?

私:今、日本の国債は、金利がほぼ0%だし、米国も2%程度だから、あんまり魅力ないなー。米国債の利回りが5%になれば少し買いたいけど、今は無理して買わずに、チャンスを待っていた方が良いと思うよ。

<不況でデフレになるとしたら、今どうすればいいでしょうか>

連れ合い:インフレの時の心配ばかりしているけど、デフレになったらどうするの?

私:日本は、1990年代、2000年代と20年以上デフレだった。そういう場合には二通りの方法がある。一つは、今までの日本人のように銀行預金で持っておく方法で、これなら、価値は目減りしない。ただし、金利が低いから資産価値は増えもしない。もう一つは米国のETF(SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF))を買うこと。SPYは1993年に発売されたけど、2020年1月時点の価格は7.5倍にも達している。ITバブル崩壊やリーマンショックのような時もあったけど、5年、10年と待っていれば、それ以上に価格は上昇してきた。デフレでも基本はSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)を中心に据えればいいと思うよ。ただし、一銘柄だけでなく、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)も買って、日米のETFに分散しておけばいいんじゃないかな。

<インフレになっても、デフレになっても、どちらでも困らないようにするには、どうすればいいでしょうか。>

連れ合い:それじゃあ、インフレになっても、デフレになっても、SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)を中心にして、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)もあわせて買うのが良いのか。そして、将来米国の金利が上がってきたら、少し米国債も買うのが良いかな。

私:そうだね。1~2年では上がったり、下がったりするけど、5年、10年と、我慢して持っていれば、上がってくる。日米のETF以外にも、VGK(バンガード®・FTSE・ヨーロッパETF)とVWO(バンガード®・FTSE・エマージング・マーケッツETF)も少し持っていると分散化できるので安心かもしれない。

連れ合い:それって、私たちが今までやってきたことだ。その結果には、満足している。その方法が良いってことね。

<私と連れ合いの会話は以上でおしまい。明日は詳細説明です。>

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