弱気相場で犯す5つの誤り 2

個人資産運用先進国アメリカ

最近の新型コロナウイルスの影響で、テレビ、新聞などで史上最大の値下げ幅、何日続落などの記事が出ると、ひどく心配になってしまいます。確定拠出年金、個人資産運用の先進国であるアメリカでも状況は同じようです。アメリカ最大の新聞であるUSA TODAYの2020年4月22日の記事をもとに、やっていはいけないことを勉強しましょう。今日は残りの3つです。以下は拙訳です。

<昨日の続きです。>

全額をリスキーな商品に投資しない

最大の利益を得ようとして、最もリスキーな商品にだけ投資すると大失敗に向かいます。

「自分のポートフォリオに守りを入れなければいけないと、アリアンツ・ライフの消費者洞察担当副社長のケリー・ラビーンはアドバイスします。とてもよくあることだが、人はリターンを「追求」していると、リスク管理について学んできた教訓を忘れる、と彼は言います。

「もし弱気相場が教えてくれることがあるとすると、それは、良いリタイヤのポートフォリオは、積み立てと守りのバランスを保つことだ。特にリタイヤまで10年以内の人に当てはまる。そして時間をかけて作り上げたファンドが、今度ブラックスワン事件が起きた時に消えてしまわないように、しっかりさせることだ」とラビーンは言います。

ポートフォリオが、保守的でないのに、保守的だと考えてはいけない

それは痛い目に遭って分かることだと、レイズ・ファイナンシャル・アーキテクチャーのファイナンシャル・アドバイザーであるデイビッド・レイズは言います。

「平均的な投資家のポートフォリオは、必要以上に積極的だったり、弱気相場の時のリスクを取る胆力以上に挑戦的だ」とレイズは言います。株式60%、債券40%のバランスのポートフォリオの人さえいて、失っても構わない以上のお金を失う羽目になる。」とレイズは言います。

もう一つの間違いは、年を重ね、リタイヤが近づくに連れて、リスクを減らさないことだと、フロンティア・ウェルス・マネジメントのファイナンシャル・プランナーであるジェフ・ソルトウは言います。

「高齢になってあまりに大きなリスクを負い、回復不可能な損失を被る投資家が(たくさん)いる」とソルトウは言います。「そのため、働き続けざるを得なくなったり、貯蓄が足りなくなる人もいる。」

市場のタイミングを計って勝負しない

高値で売り抜け、底値で買い付けるのは難しい。いや、そのタイミングを正しくとらえることは全く不可能です。やってみようとしてはいけない、と独立アドバイザー同盟の最高投資責任者クリス・ザッカレリは言います。

「弱気市場の間に投資家がやってしまい得る最悪のことは、市場のタイミングで勝負することだ」とザッカレリは言います。「それは、彼らが理解しているより、ずっと難しい。」

もし本当に長期の投資家なら、最後までそのままでいて、歴史が示す通り、株式市場が長期にわたって忍耐強い投資家にもたらす利益を収穫しなさいと、彼は言います。

「いつ売り、いつ買うべきかの両方のタイミングでうまく勝負できる特異な能力を用いて、世界の他の投資家すべてを出し抜けるギャンブルをするよりは、投資したまま」にした方が良いと、ザッカレリは言います。

株式がいつ下げ止まって、再び上昇し始めるかを予言できる人はいない、と彼は言います。2009年の弱気相場の安値からリバウンドしたのが良い例だと、彼は言います。

「もし正直な人間なら、2009年3月9日は、2009年2月9日、2009年1月9日、2008年12月9日、2008年11月9日と同じくらい怖かったのを覚えているだろう」とザッカレリは言います。「2009年の底から2009年3月31日までにマーケットは18%上昇:2009年6月30日までに36%上昇:2009年12月31日までに65%上昇したことはあまり知られていない。

もう一つ:我慢して、次の弱気相場の攻撃に準備することだ、とラビーン」は言います。

「弱気相場が始まったころ、ファイナンシャル・プランのアドバイスの多くは我慢することが中心だった」とラビーン言います。「ポートフォリオに大きな損失を被った人達にとって、時間は最も素晴らしい味方になるでしょうから、それはもっともなことです。」次の弱気相場、そしてそのまた次の相場、の時に自分の貯蓄が損害を受けないようにするために、何でもするのです。

最良の方法は、リタイヤ後に最低でも固定費をカバーするのに必要な資産を確保できるように、防衛策を講じることです。

以上が拙訳でした。以上をまとめると、次の5項目です。

  1. 底を正確に言い当てようとしない
  2. 株を売って現金に走らない
  3. 全額をリスキーな商品に投資しない
  4. ポートフォリオが、保守的でないのに、保守的だと考えてはいけない
  5. 市場のタイミングを計って勝負しない

私のポートフォリオの基本方針は以下の通りです。

  • 通常の生活に必要な資金は、厚生年金、財形年金、確定給付年金で賄い、臨時支出が必要なときには、その都度1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))を売却する
  • バイ・アンド・ホールドを貫く

株式ETFの売り買いをして、儲けようという気持ちがありませんから、今回も失敗することはおそらくないでしょう。ただし、あまり大きく儲かるということもないでしょう。

 

 

 

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