昨日に続いて、金投資の勉強をします。金投資には次の5種類があります。
- 金貨・金地金
- 純金積立
- 投資信託
- 金ETF
- 金先物・CFD
今日は、金ETFと金先物・CFDについて勉強します。
④ 金ETF
●メリット: 年間の管理手数料が安い、証券口座で一元管理できる、業者の破綻リスク・盗難リスクなし
●デメリット: 金を手元に保有できない(保有できるETFもある)、自動積立は難しい
保全は安心、発注は容易
ETFは「上場投資信託」と呼ばれる商品で、証券取引所に上場をしている投資信託のこと。金の投資信託と同様、金のETFでも金現物のような盗難リスクはないほか、たとえ証券会社や管理会社が破綻をしても投資家の資産は保全される(※)。また株式と同様、証券取引所が開いている時間であれば証券会社経由でいつでも発注をすることができる。
(※)ただしリンク債型ETFについては、リンク債の発行会社が破綻する等でETFの価値が下落、無価値になることがあります。
ETFは国内と海外
金に投資をできるETFは大きく分けると、日本の東証に上場している東証ETFと、海外(米国)に上場している海外ETFの2つに分けられる。
外国証券取引口座が必要
東証ETFは東証における円建ての取引で、通常の東証に上場している株式と売買の方法は同様に証券会社経由での発注となる。一方、海外ETFは米国の証券取引所に発注することになるため、外国証券取引口座の開設が必要となるほか、取り扱っている証券会社も限られる。ただし東証に上場していないETFに投資することができる。
コストは売買手数料と信託報酬
ETFの主なコストは、売買の都度証券会社に支払う売買手数料と、投資信託と同様に日々掛かる管理費用(信託報酬など)。ETFは上場していることから、投資信託と比較して管理費用が低くなることが特徴だ。
自動積立には不向き
一方で、ETFは自分で都度売買をする必要があり、投資信託のように毎月の自動積立をすることが難しいというデメリットもある。また取引所での流動性が低い銘柄の場合、売買の際に予想以上に大きな値動きとなってしまう可能性があるので注意しよう。
東証のETF
金に投資をする主な東証ETFは以下となる(整理銘柄除く)。
・SPDRゴールド・シェア(1326)
・金価格連動型上場投資信託(1328)
・純金上場信託(現物国内保管型)(1540)
・WisdomTree 金上場投資信託(1672)
金の現物に交換できるETF
これら金ETFのうち、一定の量を購入することで金の現物に交換できるものもある。例えば「金の果実」の愛称でお馴染みの純金上場信託 (現物国内保管型) (1540)では、金地金1kg分のETFと金現物の交換が可能だ(ただし交換には手数料が別途必要)。いざというときに金現物と交換できるという安心感が魅力なのか、東証上場の金ETFでは最大の純資産総額となっている。(東証マネ部調べ、データは2020年6月末日現在)この金現物は宅急便で届くそうです。
特定講座なら確定申告不要
ETFの税制は通常の株式や投資信託と同様。売却益については譲渡所得として申告分離課税となるが、「特定口座(源泉徴収あり)」を選べば源泉徴収をされて確定申告が不要になる。株式や投資信託との損益通算も可能だ。
⑤ 金先物
●メリット: レバレッジを効かせて大きな金額を取引できる
●デメリット: 中長期の投資には向かない
先物取引
先物取引とは、ある商品を、将来の決められた日に、取引の時点で決められた価格で売買することを約束する取引のこと。
大阪取引所、COMEX
日本で取引できる金先物は、大阪取引所(2020年7月、東京商品取引所(TOCOM)から移管予定。)や米国のCOMEXといった商品先物取引所に上場しているものとなり、商品先物取引業者や証券会社経由で発注することができる。
低コスト
先物取引のメリットとして、金の現物投資などに比較して取引にかかるコストが安いこと、また売りからでも買いからでも取引を始められることが挙げられる。
証拠金、レバレッジ
先物取引は証拠金を差し入れることにより、元手となる投資資金の数倍の金額を取引することができる(レバレッジ効果)。小さな資金で大きな金額を取引できるのが特徴と言えよう。
証拠金23万で540万円の取引
例えば大阪取引所に上場している金先物(標準取引)では、証拠金約23万円*(各社により異なる)を差し入れれば、金1kgの先物1単位の値段である約540万円の取引をすることが可能だ。大阪取引所にはこのほか、標準取引の1/10の証拠金で取引ができる「ミニ取引」がある。まずは余裕資金をミニ取引に充て、ポートフォリオに金を組み入れることもできる。
(*清算機関が設定した2020年7月1日から15日の証拠金額は22.8万円。)
レバレッジは、リターン、リスクが大きい
レバレッジを効かせた取引は、少ない元手で大きな金額で売買をできることから大きなリターンを得る可能性がある一方、同じだけ大きな損失となる可能性もあるので注意が必要となる。
追加証拠金の差し入れ
先物取引では取引期限の満了日が決まっているため、期限ごとに決済が必要となる。値段が大きく変動したとき には追加の証拠金差し入れが必要となる。レバレッジを効かせたこうした取引は中長期の資産形成向きではなく、あくまでも短期のトレーディングで効率よく利益を上げるための方法と考えておくとよいだろう。
申告分離課税
なお、先物取引による損益通算後の利益は20%(所得税15%、地方税5%)+復興特別所得税の申告分離課税となる。