老後貯蓄のために20代からすべきこと

2000万円問題

昨年6月、金融庁金融審議会の市場ワーキンググループによる報告書「高齢社会における資産形成・管理」をきっかけに所謂「老後2000万円」が連日メディアなどで取り上げられ、話題となりました。

ポストコロナの老後問題

今年になって、新型コロナウイルスが蔓延し、業種によっては、老後のことなど考える前に、今現在の生活の方が大事だという人もいるでしょうが、そろそろ、ポストコロナを意識して、老後のための貯蓄を考えてみましょう。

まずは、上記報告書のおさらいから始めましょう。

4人に一人は95歳まで生きる。

1950 年頃の男性の平均寿命は約 60 歳であったが、現在は約 81 歳まで伸びている。現在60 歳の人の約4分の1が 95 歳まで生きるという試算もあり、まさに「人生 100 年時代」を迎えようとしていることが統計からも確認できる。

健康寿命は男72歳、女75歳

寿命に関連して、「健康寿命」1という概念があるが、この健康寿命は、男性で約72歳、女性で約75歳である。平均寿命から考えると9~12年は、就労が困難など、日常生活に何らかの制限が加わる形で生活を送る可能性がある。日常生活に制限が加わるということは、金融面でいえば、就労の困難化に伴う収入の減少や、介護費用など特別の費用がかかることによる支出の増大といった家計の影響のほか、金融機関の窓口へ出向くことが困難になるなど円滑な金融サービスの利用にも支障が出るようになることから、この健康寿命と平均寿命の差を縮めていくことが重要である。

認知症の増加

近年、認知症の人の増加が顕著となっている。2012 年の 65 歳以上の認知症の人は約 462 万人、65 歳以上の約7人に1人とされ、また、正常なもの忘れよりも記憶などの能力が低下している状態と言われるいわゆる軽度認知症の人の数は約 400 万人と推計されている。これらをあわせると 65歳以上の4人に1人が、認知・判断能力に何らかの問題を有していることになる。80 歳から 84 歳では認知症の有病率は、男性は約6人に1人、女性は約4人に1人、85 歳~89 歳ではこの割合は倍ほどに増加し、以降の年齢でも認知症の有病率が増加している。さらに、今後の高齢化と相まって、2025 年には認知症の人は約 700 万人前後まで増加すると推計され、これは 65 歳以上の約5人に1人が該当することになる。

老後の不足資金は金融資産から取り崩し

老後の生活においては年金などの収入で足らざる部分は、当然保有する金融資産から取り崩していくこととなる。65 歳時点における金融資産の平均保有状況は、夫婦世帯、単身男性、単身女性のそれぞれで、2,252 万円、1,552 万円、1,506 万円となっている。

2000万円が必要

老後の収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合には、20 年で約 1,300 万円、30 年で約 2,000 万円の取崩しが必要になる。

長期・積立・分散投資の有効性

長期・積立・分散投資による効果は、積立が長期であればあるほど、投資先を分散すればするほど、収益がバラつきにくくなる特徴がある。
1985 年以降の各年に、毎月同額ずつ国内外の株式・債券に積立・分散投資したと仮定し、各年の買い付け後、保有期間が経過した時点での時価をもとにして運用結果を算出すると、保有期間が5年ではマイナスリターンも発生する、保有期間が20 年になるとプラスリターンに収斂し、さらにそのバラつきも小さくなる。

長期・積立・分散投資がリスクをコントロール

さらに期間を 40 年という超長期で見ても、日経平均だけに積立投資するよりも、米国 NY ダウと組み合わせた方がトータルリターンはさらに大きくなり、そのバラつきも小さくなる。80 年代頃は日本国内でも高金利を享受できたが、同じく 40 年間、毎年定期積金した場合のトータルリターンは 13.9%ほどにとどまる。これらの例は、過去の実績に基づくものであり、将来においても同様の結果になるとは限らず、想定外の損失が発生するリスクも存在することには留意が必要であるが、長期・積立・分散投資がリスクをコントロールし、一定のリターンをもたらしやすい点で、多くの人にとって好ましい資産形成のやり方であると考えられる。

アメリカを見習う

以上は、金融庁報告書の要約ですが、これは日本に限ったことではなく、アメリカでも同様です。というよりは、20年以上前から401(k)等の制度導入によって、豊かになったアメリカを見習って、日本でも積極的に貯蓄しようという動きなのです。そのアメリカの事情を2020年10月21日のUSA TODAYで見てみましょう。以下は拙訳です。

20代がなすべき二つのこと:老後口座に積み立て、投資する

百万長者を卒業することは、必ずしも楽しいことでないかもしれませんが、それでもなお、それを目指すことは、良い目標です。もし20代で、その結果、老後までに何十年あっても、百万ドル以上を貯めることは、ほぼ不可能に見えるかも知れません。

私がここで言いたいことは、単純なことを二つすれば、結果として自分の金融資産を百万ドルにすることができるということです。そしても持ちそれを貫き通せば、やがて、少なくともお金に関する安全性はある程度得ることができるでしょう。

1.IRAか401(k)にこつこつと蓄えること

IRA、401(k)は税額控除

百万長者になるための第1歩は、老後にお金を貯めることであり、IRAか401(k)がそうするために最も良い場所です。これらの口座は別々の優遇税制措置があり、財産を増やし管理してくれます。例えば、既存のIRAと401(k)は、掛け金が税額控除になり、一方で、Roth IRAと401(k)は、老後に引き出す際、無税になります。

毎月の掛け金はわずか300ドルで億万長者

ここで、分からないのは、老後に百万ドル以上を持つためには、毎月どれほど貯蓄する必要があるのかということです。答えは、わずか300ドルだけです。

毎年平均7%のリターン

合点がいかない?それならこう考えましょう。もし、毎月300ドルを退職口座に、22歳から始めて67歳まで入れ、毎年平均7%のリターン(この件については、もう少し後で詳しく話します)があるとすると、リタイヤの時には103万ドルになります。毎月500ドルにすれば、170万ドルになります。もちろん、もっと貯蓄で切ればより良いのですが、大事なことは十分長い間貯蓄すれば、毎月大金を手放さなくても、リタイヤ時に100万ドルになります。

2.株式に投資すること

7%は過去の株式平均リターンより控えめ

ここで上記の例で使った7%のついて話しましょう。そのリターンは、株式市場の歴史の平均からすると数パーセント低く、やるべきことの2番目は、株式に重点を置くことです。

債権は少なめに

20歳代で投資を始めるなら、株式市場の暴落を乗り越え、儲けるための時間がたくさんあるのですから、積極的にやらない理由はありません。債券などの保守的な投資に固執すれば、リタイア時に百万長者になる可能性は、ぐっと低くなります。誤解の無いように言うと、長期の貯蓄を一切債券に入れてはいけないということではありません。

成功するための段取り

20歳代にとって、リタイアというのは考えにくいものかもしれませんが、大事な若い10年間に何をするかによって、百万長者でリタイアするか、人生の後半でお金の問題に取り組むかが決まるのです。そして、もし20代にチャンスを逃したとしても心配ありません。30代でリタイアのための貯蓄を始めても、まだ財産蓄積の長期にわたる手段があります。百万長者になるには毎月、もう少し多く払わなければならないかもしれませんが、それでも全然大丈夫です。

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