◎今日のグラフ:VWO国別構成比率 上位10カ国 (%)2017年9月30日
VWO国別構成比率 上位10カ国 (%)2017年9月30日 | |
中国 | 31.0 |
台湾 | 14.9 |
インド | 11.4 |
ブラジル | 8.6 |
南アフリカ | 7.0 |
メキシコ | 3.9 |
タイ | 3.9 |
ロシア | 3.7 |
マレーシア | 3.3 |
インドネシア | 2.4 |
中国が全体の3割
中国が全体の3割を占めています。台湾は、人口が23百万人で中国の50分の1しかありませんが、新興国の株式市場の中で重要な位置を占めています。続いてインドが第3位です。インドにはカースト制度があります。主な階層は4段階ですが、実際には4000もの階層に分かれていて、階層が一つ違うと結婚も難しいといわれていました。最下層は、アンタッチャブルと言われて、何百メートル以内に近づいてはいけないといわれます。ところが、民主主義を取り入れたため、何億人もの人口を擁するアンタッチャブルから国会議員が多数当選しました。その結果、アンタッチャブルの農業大臣が誕生しました。インドが中国に比べて経済成長が遅れている原因の一つが、地方分権の傾向が強いことと、役人が古い規則を振りかざして、なかなか革新的な国の政策を実行できないことだといわれています。これからは変わっていくでしょう。
治安、汚職、教育
ブラジル、南アフリカ、メキシコは治安に問題のあるとされています。そのほかの国も、汚職がはびこっているために、なかなか経済成長が進んでいないようです。汚職、治安、教育の問題が改善されれば、これらの国々も目覚ましい発展を遂げることができるのでしょう。1981年にマレーシア首相に就任したマハティールが提言したLook East 政策(欧米を見習うのではなく、日本や韓国を見習え)が実現されれば、発展は近づいてくるのでしょう。
◎今日のテーマ:資産運用も3次元の軸で考える。
私は、物事を考えるときに常に3次元で考えるようにしています。そうすると、考え方に漏れがなくなるからです。3次元とは、縦、横、奥行です。数学的に言えば、X軸Y軸Z軸です。
X軸
株式に関して言いますと、X軸は一国における上場企業の株式です。X軸の代表的なものは日本国内の株式で、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)です。TOPIXは東証1部上場約2000社の加重平均ですので、横軸に2000社が並んでいることになります。この逆が、株式を1社分しか保有しない場合です。2000社あれば、業績のいい会社もそうでない会社もあります。このインデックスファンドは、比較的良好な成績を納めていることが知られています。もし、株式を1社しか持たなければ、株価が上がれば天国、倒産すれば地獄ということになります。この極端なパターンを私と連れ合いが経験しました。私の連れ合いが、昔勤めていた会社の株式を持株会で400万円買いましたが、その会社が後に倒産して、株式はただの紙切れになってしまいました。それとはまったく反対のパターンが私です。私も持株会で、毎月の最高限度額を買い続けました。そして退職後に、その株価が購入価格の2倍になったところで全額を売却して、1306を購入しました。時あたかも、アベノミクスの始まる半年前でした。1306は、現在2倍以上になっていますので、元の額の4倍以上になりました。このように、1社の株式だけだと、リスクもリターンも大きすぎます。X軸は1306を保有して2000社にするのがいいと思います。
Y軸
X軸で2000社に資産分散しても、それでは日本国内だけの分散にすぎません。日本の国債残高は先進国の中で圧倒的に膨れ上がっています。しかも現在の政権は、目先の選挙と憲法改正だけ考えて、国の財政と日本人の財産を後回しにしています。しかし、日本だけがひどい状況なのではなく、アメリカも、ヨーロッパの国々もそれぞれの問題を抱えています。個人ができる資産防衛方法は各国に資産分散することだと思います。現在は幸いにも、SPY(アメリカSPDRの S&P 500のETF)やVGK(バンガード社のFTSEヨーロッパのETF)などの外貨ETFを比較的手軽に購入できます。この2銘柄以外にVOO(バンガード社のアメリカ S&P 500のETF)、VWO(バンガード社の新興国のETF)、ASX200(オーストラリアのETF)を購入してほぼ全世界に資産分散しています。
Z軸
時間の分散です。私と連れ合いは2018年1月から、つみたてNISAを始めました。運用商品は野村証券の野村つみたて外国株投信です。毎月33千円ずつ、20年間にわたって積み立てる計画です。私も連れ合いもアラカン(アラウンド還暦)ですので、最後までつみたてNISAを利用できるかどうかわかりません。通常のNISAでは外貨ETFを購入できないため、やむを得ず1306を購入していたのですが、つみたてNISAの制度開始に合わせて、外国株式のインデックスファンドを始めることにしました。このつみたてNISA以外にも、今まで変則的ではありますが、ETFは結果として分散して購入してきました。
X軸Y軸Z軸以外の軸
私と連れ合いは、ETF、インデックスファンドを含む株式にしか投資していませんが、資産運用の方法には、ほかに国債、金、REITなどがあります。日本の国債は現在超低金利なので全く関心がありません。米国債については利回りが5%程度あれば多少は購入を検討したいと思います。金は投資というよりは財産保全の一手段だと考えていますので、今のところ始めるつもりはありません。REITは株式に比べて規模が小さいことと、私が勉強不足なので、あまり関心がありません。したがって、当面、4本目の軸を加えることはないでしょう。