◎今日のグラフ:信託報酬の比較
左から、アクティブファンド、インデックスファンド(ETFを除く)、ETFの信託報酬のグラフです。
信託報酬(税抜き) | |
アクティブファンド | 1.42% |
インデックスファンド(ETFを除く) | 0.57% |
ETF | 0.36% |
(注)東証マネ部 2017年10月末時点
出所:FundmarkよりアセットマネジメントOne作成
※1 各ファンド分類(※2)に属するファンドの信託報酬最高(税抜)の値を平均化したもの
※2 一般社団法人投資信託協会の商品分類が国内・株式の全ファンド(※3)のうち、独立区分がETFのものをETF、補足分類がインデックス型のもの(ETF除く)をインデックスファンド、インデックスファンドに該当しないものをアクティブファンドとして分類
※3 DC用ファンド、ラップ用ファンド、通貨選択型ファンド、ブル・ベアファンドを除く
アクティブファンドは経費が高いものの好成績とは限らない
アクティブファンドは、投資信託の企画、調査、実行、検証などの人件費・経費などについてインデックスファンドよりも余計にかかります。その結果、運用成績がインデックスファンドを上回ればよいのですが、平均的には、なかなかインデックスファンドにかなわないという結果が出ているようです。従って、現在は、ETFやインデックスファンドが脚光を浴びるようになりました。私自身も、資産のほとんどをETFで運用し、一部についてインデックスファンドをつみたてNISAで運用しています。アクティブファンドも、個別株式も一切持っていません。アクティブファンドについては、信託報酬が高すぎて、選択の対象からは外しています。インデックスファンドとETFについては、次の6点から選びます。
① 信託報酬
私は金融資産について長期保有の方針ですので、信託報酬は最も大事だと思っています。現在、ETFが普及し、iDecoやつみたてNISA制度が導入され、それに相応しい商品が開発されたことによって、信託報酬は劇的に安くなってきています。私は30年前に山一証券社員の方から、「投資信託だけは止めた方がいい。」と言われた時代とは隔世の感があります。この方の言った「投資信託」は、当時のアクティブファンドで、信託報酬が2~3%の時代の話です。ただし、現在でも対面証券会社の非課税対象以外の投信積立用ファンドについては、0.5%台で、高いので、つみたてNISA用の商品並みに信託報酬を引き下げてほしいものです。
② 売買手数料
ニッセイ外国株式インデックスファンドのように売買手数料のかからない商品が出てきましたので、対面証券会社の売買手数料の高さがとても目立ってきました。今後は信託手数料だけでなく、売買手数料も合算して、ユーザー側のメリットを判断することになります。
③ 現在の保有資金
現在の保有資金が多ければ、ETFが有利であると思って、数年前からETFを買い増してきました。しかし、上記のように売買手数料と信託報酬の合算でコストを検討するようになると、ETFの方がいいとは一概には言えないかもしれません。ただし、現在のところ、規模、つまり純資産額の観点からはETFの方に安心感があります。
④ 非課税制度の適用商品
私は、日本株のウエイトを下げるために、外国のETFをNISAで購入したかったのですが、NISAは国内のETFしか適用にならないとのことでした。2018年から、つみたてNISA用の商品として、「野村つみたて外国株投信」を購入できるようになったので、今後はNISAを止めて、つみたてNISAで野村つみたて外国株投信を購入することとしました。
⑤ 金融会社の取り扱い
2018年に、つみたてNISAが始まるまで、私は、NISAで1306(TOPIX連動型上場投資信託)を購入していましたが、2018年につみたてNISAが始まると、この制度を使って野村つみたて外国株投信を始めました。この1306と野村つみたて外国株投信の2商品は、売買手数料と信託報酬の合計としては、ほぼ同じレベルなのですが、NISAでは外国のETFが購入できなかったのです。もし2018年に野村証券が信託報酬の安い外国株式インデックスファンドを発売しなければ、SBIでつみたてNISAを利用していたか、あるいは野村証券で1306をNISAのまま買っていたでしょう。つまり、口座を持っている証券会社の商品の品揃えによって、ETFにするか、インデックスファンドにするかが決まってくるのです。さらに、非課税の対象にならない通常の投信積立に適した商品として、ニッセイ外国株式インデックスファンドがあります。まだ資金的余裕のない、私の子供世代には、iDeCoとつみたてNISAの限度を超えた部分の貯蓄として、この商品の利用を勧めたいのですが、野村証券では扱っていませんので、SBI証券の口座開設を勧めることになるかと思っています。
⑥ 純資産額または将来の見込み純資産額
2018年1月現在、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)の純資産額は7兆円、ニッセイ外国株式インデックスファンドの純資産額は700億円です。信託報酬と並んで、規模も重要な判断要素です。ニッセイ外国株式インデックスファンドの純資産額が、今後とも成長していってほしいと思います。また、野村つみたて外国株投信については、現在5億円ですが、今後の成長は十分に期待できるので、この商品を選択してつみたてNISAを適用しました。