日経CNBCは、投資家に「投資の悩み」のアンケートを実施しました。途中経過としては以下の悩みが寄せられました。
情報
- SNSを通じて情報の量が年々増加していますが、質の向上が追い付いていないように感じてます
- 米国・中国・EUなど投資情報が少なすぎる
- あまりにも情報が多すぎて整理しきれない。結局のところ、第6感がパフォーマンスが良いことがある
スピード
- ネット証券が普及したせいか、昔と違って近頃は値動きが激しいと感じます。すごいスピードについていくのが精一杯です。
- 相場の動きが速い
売買
- 一度買うと愛着がわいてしまい、売り時がわからなくなってしまう
投機的な銘柄の利益確定のタイミングがわからない - 積立投信をしています。長期的にみるしかないです
これらのテーマについて、私の感想を思うままに書きたいと思います。
- SNSを通じて情報の量が年々増加していますが、質の向上が追い付いていないように感じてます
まずSNSについて総務省のホームページで確認します
SNSは、ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の略で、登録された利用者同士が交流できるWebサイトの会員制サービスのことです。友人同士や、同じ趣味を持つ人同士が集まったり、近隣地域の住民が集まったりと、ある程度閉ざされた世界にすることで、密接な利用者間のコミュニケーションを可能にしています。最近では、会社や組織の広報としての利用も増えてきました。
多くのSNSでは、自分のホームページを持つことができ、そこに個人のプロフィールや写真を掲載します。ホームページには、公開する範囲を制限できる日記機能などが用意されていたり、アプリケーションをインストールすることにより、機能を拡張したりすることもできます。その他、Webメールと同じようなメッセージ機能やチャット機能、特定の仲間の間だけで情報やファイルなどをやりとりできるグループ機能など、多くの機能を持っています。さらに、これらの機能はパソコンだけではなく、携帯電話やスマートフォンなど、インターネットに接続できるさまざまな機器で、いつでもいろいろな場所で使うことができます。
- LINE
- Twitter(Twitter社自身は「社会的な要素を備えたコミュニケーションネットワーク」(通信網)であると規定し、SNSではないとしています)
一方で、情報発信をするのが主目的のYoutubeやブログはSNSには該当しません。YoutubeやブログにSNSを加えたものの総称がソーシャルメディアです。
ソーシャルメディア
さて、本題である悩みに戻って、「SNSを通じた情報量が年々増加」とありますが、情報量が年々増加しているのはSNSだけではなくソーシャルメディア全般ですので、「ソーシャルメディアを通じた情報量が年々増加」という悩みについて考えます。
関係者が多いので情報も多い
株や投資に仕事として携わっている人は、日本に何人くらいいるのでしょうか。それに関するデータのとり方が分かりませんから、当てずっぽうで言うと、数万人ではなく数十万人いると思います。証券会社関係、銀行・保険など金融機関、金融庁・日本銀行など政府公的機関、評論家、マスメディア関係者などです。それらの人が、それぞれの立場で情報を提供していますから情報はたくさんあります。しかも、インターネット、パソコン、表計算ソフトの発達によって、その量は増えています。
しかし、まことに興味深い事例があります。
① フィデリティ証券の数年前の調査によると、最も投資運用成績の良かったグループは、フィデリティ証券で証券口座を作ったことを忘れてしまった人たちです。
② ハーバード大学の研究によると、最も投資運用成績の良かったグループは、素人だけの勉強会を開いて運用するグループだったそうです。「個人の資産運用に関して、金融機関などのプロは当てにならない。同じレベルの素人が集まって、議論した方法で運用した方が、納得感もあって良い。」
③ ウォーレン・バフェットは自分の相続財産をS&P500のインデックスファンドで運用することを推奨し、ヘッジファンドとの賭けに勝ちました。
トップグループの中のさらにトップを目指す?
この3つの事例は全て最近10年間のものです。ここから導かれる結論は、最も良い成績を出すグループに入りたいのであれば、様々な情報に振り回されずに、S&P500などのインデックスファンド、ETFに投資することでしょう。最も良い成績を出すグループに入るだけでは満足せずに、更にその中でトップになりたいのであれば、別の方法を考えなければなりません。しかし、トップグループの中のさらにトップになるのは、おそらく実力、情報、データではなく、ほとんどが運でしょう。また、個別株式の取引をどうしてもやって楽しみたいのであれば、7~8割をインデックスファンド、ETFにおいて、残りの2~3割を10~20銘柄の個別株式に分散投資する方法も考えられます。この方法によれば、良い成績のグループの中で、さらに良い成績を狙う楽しみ(逆に悪い成績になるくやしさ)を味わうことができるかもしれません。
私は投資にあまり時間をかけたくないので、株式ETFだけに投資して、残りの時間は他の趣味に充てます。また、私の子供たちは、自分の仕事や生活で忙しいので、低コストインデックスファンドに投資して、個別株式には手を出すな、とアドバイスしています。
<明日に続く>