引退するための貯蓄

アメリカ人の老後資金は6000万円に増加

引退するときに老後資金はいくらあればよいのでしょうか。昨年の金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」では2000万円といわれ、日本人の平均保有額は同じ2000万円ですが、アメリカの平均保有額は20年前の2000万円から6000万円に増えているようです。

アメリカのシニア層は余裕?

しかも、アメリカでは、2020年3月に新型コロナショックで株価が急落した後、急回復し年末にはダウ平均が3万ドルを超え、余裕のあるシニアが増えているように思えます。

年収1000万円でも不安がるアメリカ人

しかし、2020年12月10日のUSA TODAYによると、年収10万ドル(1040万円)以上のアメリカ人の半数が、引退できないと恐れているようです。アメリカの事情を勉強しましょう。以下は拙訳です。

年収10万ドル以上のアメリカ人の半数が引退できないと恐れている。もし同じ心配をしているなら、何点か変えてみることがあります

引退時にお金が足りないことは、働いているアメリカ人にとって、大きな懸念事項であり、IRAや401(k)を毎年限度額いっぱい使い切るだけの財産の無い、もっと低所得の働き手にとって良く当てはまります。

年収10万ドルでも半数が引退できない

しかし、もっと裕福なアメリカ人も心配しています。現実に、エデルマン・フィナンシャル・エンジンズによると、10万ドル以上の収入のある40歳から65歳までのアメリカ人の家計調査では、驚いたことに50%が決して引退できないと心配しています。

もし同じ心配があるなら、変えるべきことは次のとおりです。

1.切り詰める支出をはっきりさせる

もし年収で10万ドル以上稼いでいるのに、引退プランの掛け金をひねり出すことがどうしてもできないなら、予算が間違っているか、予算に従っていないか、の可能性があります。

毎月すべてのお金がどこに行っているのかを解明し、削減すべき特定の支出を選んで、IRAや401(k)のためのお金を確保するようにするのです。そうすると、毎年5000ドル使ってバケーションに行っているのを2000ドルに規模縮小することになるかもしれません。あるいは、通常、趣味や外食に毎月800ドルを使っているのであれば、それを半分に切り詰めることです。

2.積極的に投資する

財を増やすために退職プランに大金を毎月投資する必要はありません。むしろ積極的投資をできるだけ長続きさせることが必要です。それは株式にたくさん投資することを意味していて、特に退職までに少なくとも10年以上あればなおさらです。実際、退職が近づくにつれ貯蓄が増えるのですから、ポートフォリオの株式を持ち続けた方が良いのです。

もしあなたが40歳だとして67歳で退職したいと思っているとすると、社会保障という目的では退職年齢は満期になります。今後27年間にわたって、退職プランに毎月300ドルかけるとして、毎年8%のリターンを得られるとします。このリターンは市場平均にわずかに下回ります。結局315,000ドル近く手元に残ります。1か月500ドルとすると524,000ドルになります。

3.退職プランを変える

もしかなり長い間10万ドル以上の稼ぎがあるとすると、4万ドル、5万ドルで生活することがどんなものであるかを想像するのはつらいかもしれません。

それでも、想像したほうが良いでしょう。決して引退しないと仮定するよりは、シニアの生活がどんなものであるかを見直すことです。いろいろなところに旅行をしたり、大きくて高価な家を持ち続けていては、今楽しんでいる生活はできないかもしれません。もし生活規模を小さくして、もっと倹約なライフスタイルを続けようとするのであれば、引退は十分手の届くところにあるということが分かるかもしれません。

引退に対する不安感はもっと収入の多い人にとってさえ、明らかに問題です。引退をあきらめてはいけません。そうではなく、自分の消費習慣を変え、賢く投資し、あなたが老後に思い描いているシニアとは別の形にも心を開いてみることです。そうすれば働くことをやめることができるようになるでしょう。

以上が拙訳でした。かなり長い間1千万円以上を稼いだ人でも、将来が不安だとすると、そうでない人はどうなってしまうんだろうと思います。この記事では次の3つについて考え直すべきだと言っています。

  1. 切り詰める支出をはっきりさせる
  2. 積極的に投資する
  3. 退職プランを変える

1.切り詰める支出をはっきりさせる

この項目については、様々な工夫があるので検討してみましょう。まず、以下のことが考えられるます。

  • 自動車を持たない
  • 外食をしない
  • 服をあまり買わない

自動車を持たない

東京やその周辺の県の都市部にすんでいる人は自動車を持つ必要がないというのが、私の続けている主張です。自動車を5年ごとに買い替えると、自動車代、維持費、そして、ドライブに伴って使う外食、宿泊費などで、少なくとも50万円、少し気を緩めれば100万円がかかります。その100万円を25歳から64歳まで、株式インデックスファンドで運用すれば5%利回りで1億2千万円になります。

外食をしない

我が家はほとんど外食をしません。するのは、旅行から疲れて夜遅く帰ってきたときに、安い中華料理屋で食べるときだけです。

それでも、子供が小さい頃は、年1回海と山に家族で行くなど、子供のためにお金を使うこともありますが、それ以外は節約に努めています。

服をあまり買わない

服は自分が気にしているほど、周りの人は見ていません。きちんとした服を着ないと仕事に支障がある場合以外は、買うか、あるいはその分を投資に回すかを考えるべきだと思います。