◎今日のテーマ:住宅ローン
金利変動型住宅ローンが過半
住宅金融支援機構の「民間住宅ローン利用者の実態調査」によると、金利変動型を選んでいる人が56.5%もいて、しかも、増加傾向にあるそうです。さらに、最初の5年間など一定期間を固定金利にして、それ以降は変動金利にする人と合わせると8割以上になるそうです。
私なら固定金利
私は、この数字を見て、信じられませんでした。私なら、変動金利でなく、絶対に固定金利を選ぶからです。現在住宅ローンを組む人は、年齢的には30歳代、40歳代の人達でしょうか。この人たちは、1990年代には10代以下の人が多いのかも知れません。
一戸建ては年収の5倍
1990年代の初めに、株バブル、不動産バブルがはじけました。一戸建ての標準的な価格が年収の5倍と言われた時代で、バブルのピーク時には、東京都内に1戸建てを持つことはできず、山梨県にまで遠ざかっていました。その人たちは、中央線に乗って都心に通勤していました。
中央線は毎日のように人身事故で遅延
私も、オレンジ色の中央線で通勤していましたが、ほとんど毎日、人身事故で10分、20分と遅延するのです。そして、車内には、何とも言えない「重苦しい気」が立ち込めて、私は乗り続けることができず、途中の駅で降りてしまったこともありました。
超低金利の時代は続かない
それから四半世紀が経ち、私は現在も同じ駅から通勤していますが、現在は電車の遅延も、「重苦しい気」もありません。しかし、現在のような超低金利は、いつまでも続くわけではありません。
オーバーシュート型コミットメント
日本銀行が、オーバーシュート型コミットメントを実施する(インフレ実現を目指して、物価上昇率が目標値を行き過ぎるまで金融緩和の継続を公約する)と言っているのですから、インフレ目標の2%で終わるのではなく、それ以上になるということです。そのインフレ率増大に伴って、変動金利も上昇します。
アパート建設ブーム終了
不動産に関しては、数年前まで私の家の周りでも、アパートの建設ラッシュが続きましたが、現在は空室率が増加したためでしょうか、パタッと止みました。アパートも空室率が増えれば銀行ローンの支払も厳しくなります。アパート建設も、自宅購入も、貸し手の銀行がいて、借り手がいて、デベロッパー、建設業者などとともに、土地神話、超低金利など促進する条件が揃うと一気に進んでいくものです。しかし、それらの条件が揃わなくなると急に勢いを失います。アパート建設熱は2017年に入って急速に冷めています。
未来は分からない
私が自宅を建設したのは50歳の時でした。それまでは、古い社宅を長年利用しました。子供は、「家が古くて汚いから、友達を呼べない。」と不満を言っていましたが、狭い家で家族そろって、騒いだり、泣き笑いしている頃が一番楽しい時代です。住宅ローンを使って、自宅を手に入れることは、賢い選択かも知れませんし、そうでないかも知れません。その際、固定金利を選ぶのが良いか、変動金利を選んだ方が良いかは誰にも分かりません。株式相場と同じで、1週間後、1か月後にどうなるかわからないのと同じかもしれません。