ETFについて3

◎今日のテーマ:ETFについて3

新聞・資産運用雑誌は広告主に忖度

日本の新聞、資産運用の雑誌を見ると、アクティブファンドばかりが記事の対象になっていて、ETFがテーマになることはほとんどありません。もし取り上げられるとしても、一般論ばかりで、具体的な銘柄は分かりません。そして、アクティブファンドよりもインデックスファンドの方が、圧倒的に信託報酬が低いということが明らかになることはありません。日本の経済誌、新聞、資産運用専門紙は、個人投資家の見方ではなく、広告宣伝費を払ってくれる証券会社等金融機関の味方なのでしょうか。

バンガード社は信託報酬が低い

アメリカのETFの信託報酬(運用管理費用)は、バンガード社を中心にどんどん下がっています。その一部を例示します。

アメリカでは3社寡占

アメリカでは、ブラックロック、バンガードとステート・ストリートの3社が寡占状態にありますが、その中でも、VT、VTI、VOO、VWO等を販売しているバンガード社が徹底した低コスト化を進めています。私のポートフォリオもバンガード社の商品が増えてきていますが、全部バンガード社にするのもリスキーなので、ステートストリートのSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)も保有しています。

下表を見ると信託報酬はどんどん低下しているのが分かります。

ティッカー ファンド名 2014年 2015年 2016年 2019年
VT バンガード・トータル・ワールド・ストックETF 0.17 0.14 0.11 0.09
BND バンガード・米国トータル債券市場ETF 0.07 0.06 0.05 0.04
BNDX バンガード・トータル・インターナショナル債権ETF 0.19 0.15 0.12 0.11
VWOB バンガード・米ドル建て新興国政府債権ETF 0.34 0.34 0.32 0.30
IVV iシェアーズ・コア・S&P500ETF 0.07 0.04 0.04
HDV iシェアーズ・コア・米国高配当株式ETF 0.12 0.08 0.08
IEMG iシェアーズ・コア・MSCIエマージング・マーケットETF 0.16 0.14 0.14
AGG iシェアーズ・コア・米国総合債券市場ETF 0.08 0.05 0.05

ウォーレン・バフェット

バンガード社が低コスト化を推し進め、ウォーレン・バフェットもS&P500ETFを自分の遺族の運用方法として推奨していることもあって、アメリカではETFが急速に伸びています。

日本のETFが伸びないことに金融庁も問題視

青い棒グラフが米国の資産総額、赤が日本です。折れ線グラフは米日の運用本数です。日本は、日本銀行やGPIFが大量に買ってもあまり増加していません。それに対して、アメリカではすごい勢いで伸びています。日本のETFが伸びない理由は、銀行、証券会社が、顧客のためになる低コストのETFを売らずに、自分たちの利益になる高コストのアクティブファンドを販売するからです。このことについて、金融庁が問題視しているのです。

1306とSPYだけでも立派なポートフォリオ

将来、日本の個人投資家が、低コストのETFを知り、それを証券会社で購入すれば、アメリカ人と同じ利益を享受することができるのです。しかも、それは難しいことではなく、例えば、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)とSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)を100万円ずつ、野村證券かSBI証券で購入して5年、10年と保有し続ければいいだけの話ともいえるのではないでしょうか。つまり、わずかな知識を持ち、それを実行すればいいだけなのではないでしょうか。

世界でもETFが急成長

こちらは世界のETFです。2018年で4.82兆ドル、7620本です。世界全体としても急成長しています。もしかしたら、ETFを知らないのは日本人だけかもしれません。

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