VTなどのETFのトータルリターンのグラフ
- 青:3年間
- 赤:5年間
- 緑:10年間
- 紫:設定来
ETF商品 | 3年間 | 5年間 | 10年間 | 設定来 |
VT | 8.01 | 10.72 | 6.11 | |
SPY | 14.51 | 15.75 | 9.66 | 9.56 |
VOO | 10.77 | 14.18 | 14.94 | |
VWO | 4.04 | 3.61 | 0.97 | 7.01 |
VGK | 5.05 | 8.85 | 1.44 | 5.05 |
1306 |
日本のETFの報告書をアメリカのように見やすくしてほしい
VT(バンガード社の世界のETF)、VOO(バンガード社のS&P500のETF)には緑がありません。これは、設定がそれぞれ2008年6月、2010年9月なので、まだ10年経っておらず、データがないためです。1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)の最新月次リポートにはデータがありません。3年、設定来についてはマンスリーレポートにデータがあるのですが、年率ではなく累積でしたので載せませんでした。また、5年、10年についてはデータ自体もありませんでした。日本の報告書も外国の報告書のように、見る人にとって見やすいものにしてほしいものです。なお、5年、10年の累積はそれぞれ、30.7%、54.0%です。それを3年、16年6か月の複利で計算すると、それぞれ9.3%、2.7%です。
VOOはSPYと同じ動き
緑色の10年来を比較します。VTは設定日が2008年6月ですから、ほぼ10年とみなして、紫入りの8.01%を10年来とします。また、VOOは、設定が2010年9月なので期間が短いのと、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)とほぼ同じ動きを示しますので、比較を省略します。
最近10年間ではSPYの成績が最高
最近10年間で最も高い緑色の棒グラフはSPYで9.66%です。この10年間は2008年2月から2018年1月までです。リーマンショックによる暴落は2008年9月ですから、2008年2月はS&P500がまだ高い水準の時です。その時から10年間で年率9.66%というのは非常に高い数値です。しかも、この数字は基準価額だけですから、配当を加えればさらに1%以上高い数値になります。したがって、SPYのトータルリターンは10%超と計算できます。そしてさらに驚くのは、この緑色の棒の隣に無更紗黄色の棒が並んでいることです。つまり1993年01月22日の設定以来、25年間10%超のトータルリターンを維持しているのです。
ヨーロッパと新興国よりアメリカは好成績
VWOとVGKの緑色の10年来収益率は2%を下回っています。つまり、リーマンショック直前と比較すると、トータルリターンはあまり高い水準にないようです。
アメリカ一国か世界分散か
上記のように、最近10年間のトータルリターンを見ると、世界株式に分散するよりは、アメリカのS&P500に集中投資した方がいいかもしれません。そして、実際にそのようにしている個人投資家もいらっしゃると聞いています。しかし、世界に投資しても過半はアメリカになるというデータを次にお示しします。
アメリカは世界の過半
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスの国別のシェアで、シェア順に国名とETFの種類を表示しました。アメリカがトップで51.89%を占めています。したがって、アメリカの比重が高いことがわかります。したがって、過去10年間、25年間の実績を重視する場合には、SPYやVOOに集中投資する選択肢が有力になります。一方で、日本は2013年以降に株式相場が好転していますし、ヨーロッパ、新興国も2017年は好調でした。このことを考慮に入れれば、アメリカだけでなく世界に分散投資できるVTは、トータルリターンと資産分散化の両方を期待できるかもしれません。
国 | ETF | % |
アメリカ | 北米 | 51.89 |
日本 | 太平洋 | 8.31 |
イギリス | ヨーロッパ | 5.87 |
フランス | ヨーロッパ | 3.11 |
ドイツ | ヨーロッパ | 3.08 |
中国 | 新興国 | 3.07 |
カナダ | 太平洋 | 3.05 |
スイス | ヨーロッパ | 2.53 |
オーストラリア | 太平洋 | 2.29 |
韓国 | 太平洋 | 1.79 |
台湾 | 新興国 | 1.52 |
香港 | 太平洋 | 1.23 |
インド | 新興国 | 1.19 |
オランダ | ヨーロッパ | 1.10 |
スペイン | ヨーロッパ | 1.07 |
スウェーデン | ヨーロッパ | 1.00 |
イタリア | ヨーロッパ | 0.93 |
ブラジル | 新興国 | 0.88 |
南アフリカ | 新興国 | 0.81 |
デンマーク | ヨーロッパ | 0.58 |
シンガポール | 太平洋 | 0.45 |
タイ | 新興国 | 0.41 |
ロシア | 新興国 | 0.40 |
ベルギー | ヨーロッパ | 0.39 |
メキシコ | 新興国 | 0.35 |
フィンランド | ヨーロッパ | 0.35 |
マレーシア | 新興国 | 0.35 |
ノルウェー | ヨーロッパ | 0.26 |
インドネシア | 新興国 | 0.25 |
イスラエル | 中東アフリカ | 0.17 |
フィリピン | 新興国 | 0.15 |
ポーランド | 新興国 | 0.15 |
チリ | 新興国 | 0.14 |
トルコ | 新興国 | 0.13 |
オーストリア | ヨーロッパ | 0.12 |
ニュージーランド | 太平洋 | 0.11 |
アラブ首長国連邦 | 新興国 | 0.09 |
アイルランド | ヨーロッパ | 0.08 |
ポルトガル | ヨーロッパ | 0.07 |
カタール | 新興国 | 0.06 |
コロンビア | 新興国 | 0.05 |
ギリシャ | 新興国 | 0.05 |
ハンガリー | 新興国 | 0.04 |
ペルー | 新興国 | 0.04 |
チェコ共和国 | 新興国 | 0.02 |
エジプト | 新興国 | 0.02 |
パキスタン | 新興国 | 0.02 |
保有しているETF単位で集約
上記の表を、私の保有しているETFで集計したものが次の表です。日本のETFは1306で、その理論割合が9%に対して、実際には36%を占めています。現在の日本は、長年の低迷時期から脱却して好景気を実現していますので、36%の保有割合は、結果的に良かったと思います。しかし、今後日本の財政状況が悪化し、少子高齢化で経済成長も期待できないことを考えれば、日本のウエイトを減らして、北米と新興国のETFを追加購入する予定です。
地域(私の保有しているETF) | 理論割合:% | 私の実際の保有割合:% |
北米(SPY、VOO) | 56 | 41 |
ヨーロッパ(VGK) | 22 | 14 |
新興国(VWO) | 11 | 6 |
日本(1306) | 9 | 36 |
オーストラリア(STW) | 2 | 2 |
合計 | 100 | 100 |