ETFの地域別割合はVTを参考にして
私は、ほとんどすべての資産をETFで運用していますが、その地域的割合はVT(バンガード社の世界のETF)の地域的割合を参考にしています。リスク資産の運用をVT一本で済ましている人もいるようですが、私はVTを保有せずに地域ごとのETFに分散させています。それは、私と連れ合いが資産運用を開始した時点ではVTがまだ存在していなかったことと、その後10年間ほどVTの純資産総額が1兆円に達しなかったことが理由です。私のETFの購入基準は、信託報酬がほぼ0.1(アメリカのETF)~0.2(新興国のETF)%以下であることと、純資産総額が1兆円超であることです。現在VTの純資産総額はほぼ1兆円ですので、基準には達していますが、すでに私のポートフォリオは出来上がってしまったので、わざわざ買い替える予定はありません。また、資産を分散するように、商品や、発行会社についてもある程度分散した方がいいだろうと思っています。したがって、将来的には、少しだけVTを買うことはあっても、全部VTにすることはないと思います。
VTがアメリカで売れない理由
ところで、VTは世界中の株式に分散して投資できる、非常に便利なETFなのですが、やっと純資産総額が1兆円に達したばかりです。これだけ資産分散の図れる良い商品の割には、アメリカではあまり購入する人がいないのには理由があるそうです。バンガード社の社員の話では、アメリカの個人の資産運用のアドバイザーたちがこの商品を推奨しないからだそうです。もし、この商品を推奨すると、VT一本でポートフォリオが完成してしまうので、アドバイザーの仕事がなくなってしまうとのことでした。
ETF商品 | ベンチマーク | 設定日 |
VT | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス | 2008年6月24日 |
SPY | S&P 500 指数 | 1993年1月22日 |
VOO | S&P 500 指数 | 2010年9月7日 |
VWO | FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス | 2005年3月4日 |
VGK | FTSE欧州先進国 オールキャップ・インデックス |
2005年3月4日 |
1306 | TOPIX | 2001年7月11日 |
VTのベンチマーク
VTのベンチマークはイギリスの指数算出会社FTSE社の GLOBAL ALL CAP です。この指数は小型株も含めて世界全体を対象としています。一つの指標で世界全体に投資できるものには、ALL COUNTRY WORLD(ACWI)やACWI(除く日本株)がありますが、ACWIは小型株を除いています。VTの設定日は2008年6月24日ですから、まだ10年経っていません。商品自体は良いので今後さらに成長することが期待されます。
楽天がVTを積立用のインデックスファンドとして商品化
VTという商品自体はETFなのですが、つみたてNISAの制度開始に合わせて、楽天投信投資顧問がこのETFをインデックスファンドとして商品化し、楽天・全世界株式インデックス・ファンドとして販売開始しました。このため、積み立て用のインデックスファンドとして利用できるようになりました。まとまったお金のある人はVT、毎月コツコツ積み立てたい人は楽天投信投資顧問が有価証券届出書を提出した新ファンド楽天・全世界株式インデックス・ファンドというように選択肢が広がりました。ただし、どの金融機関でも扱っているわけではありませんので、購入しようとする場合には事前の確認が必要です。
VT、SPYなどのETFの経費率
経費率:%:2018年2月調べ | |
VT | 0.11 |
SPY | 0.0945 |
VOO | 0.04 |
VWO | 0.14 |
VGK | 0.1 |
1306 | 0.1188 |
このグラフの経費率というのは信託報酬のことです。VOO、VWO、VGKはバンガード社です。VOOとSPYはS&P500をベンチマークとしていますが、VOOはSPYよりも大幅にコストを低下させることによって、後発のハンディーを挽回しようとしているのでしょう。新興国を対象とするVWOはコストがかかり、ヨーロッパのVGKはその次にコストがかかります。日本の1306はアメリカのETFに比べてわずかながら割高と言えるでしょう。VTは、VOO、VWO、VGKをまとめたような商品ですから、それらの水準と比較して、妥当な水準にあるといえます。
純資産額
私がETFを選択する際に適用するもう一つの基準は、純資産額です。一番左のVTは、その右隣のSPYの30分の1しかないので見えずらいのですが、紫色で表示してあります。92億ドルなので約1兆円です。隣のSPYは2680億ドルなので約30兆円です。
純資産額:億ドル | |
VT | 92.03 |
SPY | 2679.67 |
VOO | 741.53 |
VWO | 623.37 |
VGK | 177.44 |
1306 | 672.66 |
一番右の1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)は673億ドル、約7兆円です。
資産の分散化は地域だけでなく通貨にもしたい
1306以外はすべてドル建てです。資産の分散化は地域だけでなく、通貨にも適用した方がいいと考え、上記の表のETF以外に、2017年にSTW AUを追加して購入しました。総経費率 は0.19%、ベンチマークは S&P/ASX 200、当初設定日は 2001年08月24日、通貨は 豪ドルです。
(続く)