不動産物件の囲い込み 1

人生最大の買い物

不動産は買う時も売るときも数千万円の価格になり、人生最大の買い物、売り物であることがほとんどでしょう。現在の自宅の土地は、20年も相場や基礎知識を勉強しながら、最後には集中的に50ほどの物件を現地確認して決めました。

レインズに掲載された直後の2~3時間が勝負

決めた時には、朝9時過ぎにレインズに掲載された物件を、直後に現場確認し、電話で200万円ほどの値引き交渉をした後、午前中には売り手に購入申し込みをしました。その日のうちに数件の問い合わせが売り主にあったそうです。また、私が土地を購入して1か月後に、ある不動産屋が私の家まで来て、その土地を転売してほしいと訪ねてきました。不動産の購入は時間との勝負です。

ロボット検索、当日現金決済の時代

当時は、朝早く、売りに出た物件をレインズで調べれば有利な買い物ができましたが、現在はそのような物件をコンピュータで随時検索して、その日のうちにアタッシュケースに入れた現金を渡して購入する業者もいます。

勤務会社指定の業者などで安全な取引

買い手側の仲介業者、つまり私たちサイドの不動産屋は、私が勤めていた会社の福利厚生事業の指定業者で、通常の仲介手数料3.0%を2.5%に割引してくれる大手仲介業者なので、安心して仲介を任せられました。その後、その場所に住居を建て、問題なく暮らしているので、十分に満足した不動産の売買だったと思います。

しかし、不動産の売買は大きな危険を伴うものです。私の身の周りの親戚が実際に会った事例をいくつかご紹介しましょう。

一人暮らし老人の埋蔵文化財包蔵地

その人は、一人暮らしの老人で、首都圏に先祖代々の土地を持っていました。しかしその時は、埋蔵文化財包蔵地に該当しているので、大手の不動産業者やデベロッパーが手を出さない土地なのです。埋蔵文化財包蔵地に該当すると、不動産開発する際には、埋蔵文化財調査をしなければなりませんが、その調査の期間や費用はどれほどになるか分からず、開発業者は赤字になるかもしれません。このため、大手は手を出さず、小さな不動産業者しか取り組まない物件です。

不動産バブルで高い固定資産税

一方で、この土地は1000㎡以上もある土地で、1990年頃の不動産バブルの影響を受けて、毎年の固定資産税が100万円以上かかるので、デベロッパーに売却したいと考えていました。その所有者である一人暮らしの老人は、小さな不動産仲介業者でも話を聞くようにしていました。

大勢の人間に囲まれて詐欺にあう

ところがある時期から、その不動産業者の担当者だけでなく、一級建築士、有名倉庫業者の役員など複数の者が、その老人の家に訪問するようになりました。人数が増えてくると、独特の雰囲気に飲まれ、詐欺に遭ってしまったのです。いつの間にか、その土地に抵当権が設定されました。そして1か月後には、更に別の抵当権も設定されました。

民事裁判で無事に戻る

緊急の対応が必要なので、力のある弁護士に依頼し、すぐに民事裁判を起こしました。その裁判は2回開かれましたが、相手側は2回とも出席せず、しかも抵当権設定の根拠となった契約書も問題点が指摘され、抵当権は抹消され、無事に元通りの所有となりました。

裁判所の費用は敗訴側の負担

この裁判には費用が70万円かかりました。これはどうなるのでしょう。敗訴した相手側が払わなければなりません。もし、払わなければ家財を差し押さえされます。

弁護士費用は300万円

次に弁護士費用はどうなるでしょう。弁護士からは、1000万円の費用を請求されました。しかし、その計算の基となったのは、その土地の路線価で、不動産バブルの価格が織り込まれていますから、「300万円しか払えません。」と言って頑張りました。結局300万円で決着しました。

手がけた不動産業者に再度依頼し無事売却

その後、不動産業者の社長に「今回の不祥事に関し、責任を問わないし、費用を請求することもしない。ただし、きちんとしたデベロッパーを探して、土地を売却してほしい。仲介手数料はちゃんと払う。」と申し渡しました。結局、その後、希望通りの条件でやってくれるデベロッパーをみつけて、埋蔵文化財調査、土地の一部売却が完了しました。

物件囲い込み

不動産は大金が動くので、良からぬことを考えるものが多いものです。このような、詐欺行為だけでなく、大手不動産でさえ、問題のある行為をしているようです。その具体例が「物件囲い込み」です。売却物件の仲介を依頼された不動産会社は仲介手数料が収入源です。その手数料を売主と買主の双方からもらうために不動産会社が売却物件を自社で抱え込み、他社には紹介しないという「物件囲い込み」が横行しているようです。

次に紹介する件は、囲い込みに遭ったかどうかは分かりませんが、売却までに数年かかった事例です。

郊外の住宅地の相続物件

その物件は都心までの通勤時間が1時間強の、典型的な郊外の住宅です。一家4人で済んでいましたが、子供二人は独立し、その後両親とも80歳を超えて亡くなりました。子供二人は東京都内に住居を構えているので、そこに住むことは無く、売却することになりました。

大手の不動産業者に依頼

売却に当たっては、大手の仲介業者に依頼しました。しかし、数か月、数年たっても買い手が現れません。そこで不動産業者を別のところに換えました。それでも、なかなか買い手が見つかりません。数年後にやっと買い手が見つかりましたが、一番最初の提示価格よりはかなり低い価格での決着でした。合計6年間を要しました。

固定資産税、維持費、火事、不法侵入

不動産を持ち続けると、固定資産税だけでなく、水道などの維持費、庭木の剪定などの手入れ、火事・不法侵入などの心配がありますから、できれば早く売ってしまいたいと思うものです。

騙されないために「囲い込み」を勉強

不動産の売買に関しては、売り主、買い主は素人で、圧倒的に情報量が少ないのが実態です。私が、このブログでご紹介しているETF、インデックスファンドは、プロよりも良い成果を得られる可能性が高いのですが、不動産は用心しないと大きな損失を被ることも有りえます。そこで、明日は、売り手が知っておいた方が良い「囲い込み」の実態を勉強しましょう。

<明日へ続く>

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