貸株 3

<貸株についての機能の続き>

貸株をすると配当金のデメリットがあるが、それを回避できるようなサービスを行う証券会社もある。

(ダイヤモンド社のホームページ(2018年11月29日公開(2018年11月29日更新))の説明)

例えば、松井証券で貸株をする場合、以下のような設定を選ぶことができる。

松井証券の「貸株サービス」で利用できる設定
設定の種類 内容
貸株金利優先 権利確定日でも、貸株を継続。配当は、すべて配当金相当額として受け取る。
株主優待優先 株主優待の権利確定日※の前に貸株を一時的に解除し、株主優待を受け取れるようにする。配当のみの権利確定日は、貸株を継続。
権利取得優先 株主優待の有無にかかわらず、権利確定日前は貸株を一時的に解除。株主優待だけでなく、配当もすべて受け取れる。

「貸株金利優先」を選ぶと、権利確定日など関係なく貸株を続けるため、配当金も株主優待も受け取れず、配当金相当額を受け取ることになる。ただし、権利確定日も貸株料が発生するので、受け取れる貸株料は3つの設定の中でもっとも多くなる。

「株主優待優先」を選ぶと、株主優待がある権利確定日になると貸株が一時的に解除され、株主優待を受け取ることができる。配当については、株主優待と配当の権利確定日が同じケースでは、貸株サービスが停止され、配当金が受け取れる。優待と配当の権利確定日が異なるケースでは、配当権利確定日に貸株サービスが停止されないので、配当金は配当金相当額として受け取ることになる。

「権利取得優先」は、株主優待の有無に関わらず、すべての権利確定日で自動的に貸株が解除される。そのため、株主優待はもちろん配当金や株主総会での議決権など、株主としてのすべての権利を受けることができる。

つまり、「株主優待優先」や「権利取得優先」を選んでおけば、「株主優待が受け取れない」「配当金を配当金相当額として受け取ることになるので、税金的に不利」といった貸株のデメリットを回避することができるのだ。一時的に貸株が解除される分、受け取れる貸株料は少なくなるが、1年間に数日程度なので金額的にはそれほど気にすることもないだろう。

もちろん「自分の保有銘柄は株主優待のない銘柄ばかりだし、配当金相当額で受け取ってもまったく問題ない」という人は、少しでももらえる貸株料を増やすため「貸株金利優先」を選んでもいいだろう。

こうした設定は銘柄ごとに選択できるので、株主優待銘柄や配当がある銘柄は「株主優待優先」か「権利取得優先」に、どちらもない銘柄は「貸株金利優先」を設定することもできる。

なお、「優待取得設定」は貸株サービスを提供しているすべての証券会社で利用できるが、「配当金取得設定」は松井証券、マネックス証券、楽天証券の3社でしか提供されていない。「配当金取得設定」を利用したい人は、3社の中から自分がメインで使う証券会社を選ぶといいだろう。

「一部だけ貸し出ししない」など、細かく設定すれば
株主優待の長期保有優遇制度も受け取れる!

「優待取得設定」や「配当取得設定」を利用するときに注意したいのが、株主優待の取得に条件がある場合だ。

例えば、サッポロホールディングス(2501)は、「3年以上の継続保有で受け取れる株主優待が5割増し」という長期継続保有優遇制度がある。しかし貸株をすると、その間は株の名義が貸出先に移ってしまうため、「優待取得設定」や「配当取得設定」で権利確定日だけ貸株を解除しても、長期継続保有とは認められない。

こうした銘柄の場合、株主優待を受けるのに必要な株数を残して貸株をすればいい。貸株では、銘柄ごとに「一部だけ貸し出しをしない」という設定ができるのだ

例えば、株主優待を受けるのに必要な株数が100株で、1000株保有している場合は、900株だけ貸株をして、100株は貸し出さない設定にすればOK。そうして保有を続ければ100株はずっと保有していると見なされるので、長期保有の優遇を受けながら、残り900株で貸株料を受け取ることができる。

なお、信用取引と併用できる証券会社の場合は、「一部だけ貸し出しをしない」という設定ができないケースがあるので、証券会社ごとにチェックしておこう。

貸株金利が高い証券会社は?

全体的にGMOクリック証券は貸株金利が高い傾向にある。また、「金利1%以上の銘柄数」の表を見ても、GMOクリック証券が一歩抜きんでて多い。

また楽天証券の場合、「金利優先」の設定にしていると、配当の権利確定日(1日分)の貸株金利が通常の5倍となるのでお得だ。1日分の金利が5倍になっても投資額が少なければ大した額にならないかもしれないが、「貸株金利の高い銘柄を権利確定日前後だけ短期保有する」といった投資アイデアはあるかもしれない。

最低金利が高いのは、松井証券だ。多くの証券会社の貸株サービスは、整理銘柄などを除くほとんどの銘柄(国内3000銘柄以上)が貸株の対象銘柄で、最低金利は0.1%となっている。それに対して松井証券は、最低金利が0.2%以上だが、貸株の対象銘柄は約1300銘柄に限定される。つまり、メジャーな大型株で少ない貸株金利をコツコツ稼ぐ作戦は取れない。ただし、金利1%以上の銘柄数はGMOクリック証券に次いで多い。

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