老後危機をいかに立て直すか

老後2000万円問題

2019年6月3日に公表された報告書(「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 『高齢社会における資産形成・管理』)の中にある記述が発端で、「老後2000万円問題」が話題になってから間もなく2年が経とうとしています。しかし、この2000万円という金額はかなり甘い見方である上に、2020年には新型コロナウイルスの蔓延により、より一層厳しい状況に置かれた人もいるでしょう。

アメリカ事情

アメリカにおいても、老後の危機が深刻になっているようですので、それをウィンストン―セーラム・ジャーナルの2021年1月4日の記事を基に学んで参考にしましょう。以下は拙訳です。

アメリカの老後危機をいかに修復するか:10人に専門家が助言

アメリカでは何十年も老後危機が悪化してきました。

連邦議会は一時しのぎの策を増やすことによって老後危機問題を解決しようと、繰り返し試みてきました。それによって、税金面で利点のある医療経費支払いの手助けになる医療貯蓄口座だけでなく、低所得労働者に恩恵のあるロスIRAなどの退職勘定などのが創設されました。これにより小企業が退職金制度を容易に提供できるようになり、従業員が自動加入することが可能にもなりました。

半分が貯蓄不十分

それでも老後危機は根強く残っています。ほぼ半分のアメリカ人は、いったん働かなくなったら自分たちの標準的な生活を維持するために十分なだけ貯蓄しておらず、退職勘定を持たず、老後収入の半分を社会保障に頼ると言っています。

2019年社会保障法拡大版

ジョー・バイデン大統領の老後に関する野心的公約―社会保障給付を増額し、低賃金労働者を助けるために税制優遇措置を上位中流階級から切り替える―下院議会が分裂すればどうにもなりません。バイデン政権が、これも応急措置ではありますが、2019年社会保障法の拡大版を可決される望みもあります。この問題には、退職に関して神業のような素晴らしい教育活動をしているように思えます。

(訳者注)2019年社会保障法では、401(k)プランやIRAからの資金引出し開始義務年齢の引上げ、複数企業年金制度(Multiple Employer Plans)の要件緩和、パートタイム従業員の401(k)プランへの参加拡大、出産等の際の中途引出しを可能にすることなど、退職貯蓄制度の使い勝手を良くしようとする改革が多岐にわたり盛り込まれています。

そのことは別として、フォーブズ・アドバイザーは、一日だけ退職の神様になったとしたら、どのように退職保証を改善するかを、退職の一流専門家に尋ねました。

社会保障制度強化

声をかけた専門家のうち二人が、自分が全能であると仮定した場合、現存する国の年金制度である社会保障制度によって退職危機を修復すると言います。

モーニングスター行動科学取締役サラ・ニューカムは、現存する退職制度があまりにも多くのことを私たちに求めすぎていると考えています。人々は住まいを失わないことに精一杯なのに、お金について計画を立て退職のために貯蓄する方法を教えるのは無駄です。

「短期的にものを考え、お金の知識がないと、人々は失敗してしまう状況に陥るが、それは年老いたことを想像できないので貯蓄しないことと、それが問題化した時には、遅すぎて適切に準備することができない」とニューカムは言います。

掛け金はほとんどの労働者の給料から自動的に取られて、退職後に給付金を申請して年金を受け取るので、社会保障はその関係を結び付けていないように思えます。問題は社会保障がほとんどの人が生活するのに十分な資金を支給していないことで、退職前収入の70%が必要と見積もられているのに、40%しか支給していないからです。この差異に取り組むため、ニューカムはプログラムの増強を言う。

「私だったら社会保障を拡大し、給与から差し引く標準額のようなものをより大きくして掛け金にするだろう。」とニューカムは言います。「もし労働者が将来、生活賃金を確保できると知ったら、全体のストレスが減り、生活満足度が増加するこのによって、労働者の生産性にポジティブな効果を生むことになるだろうが、その理由はお金のストレスが結局は医療費を数十億ドル増加させ、現在の生産性を下落させているのだ。」

トランスアメリカ退職研究センターの最高責任者キャサリン・コリンソンは、社会保障年金信託基金を補強すると言います。社会保障信託者報告書によれば、この基金は2035年に呼格する予定で、現在の退職者に支払われている毎月の給付金は、その時点で約4分の1に減るでしょう。

「特効薬はないが、弱い人々や貧困に陥る恐れのある人々に対して、思いやりのある眼を差し向けることが必要だ。」とコリンソンは言います。

コリンソンの後半の心配をしていると、社会保障の満額支給年齢引き上げなどの考えにはならないが、もしそうしてしまうと、給付額引き下げだけでなく、遅くまで働き続けられないブルーカラー労働者に、より大きな負担が行くことにもある。

「政策立案者は協力しなければならない。超党派の取り組みが必要だ。」と彼女は言います。

<明日に続く>

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