<昨日の続き>
為替レートも考えなくては。
私:米国株だと、為替の問題がある。今106円のドルが、53円になれば、米国株の価値は円換算で半分になる。
連れ合い:そんなことになりそう?
私:可能性がゼロではない。でも、アメリカの株価が半分になって、その上、円高でドルも半分になるってことは、まず、ないでしょう。もし両方が起きても10年あれば回復するよ。
連れ合い:日本の株はどう?
私:日本は1990年ごろのバブル崩壊で、長い間低迷してきたけど、やっと回復してきて、力もつけて来た。他の国などと同様に、ある程度の株価上昇を期待できるんじゃないかな。それに、日本に住んで日本円で生活している日本人だから、ある程度日本株式を持っていた方がいいんじゃない。
個別株式でなくETFを
連れ合い:それじゃあ、米国株と日本株を半分くらいずつ持つことにする。でも、私が昔勤めていた会社が倒産して、400万円も積み立てた持株会の価値がゼロになったから、個別株は嫌だな。どうすればいい?
私:倒産しない方法がある。それは株式ETFだ。ETFっていうのは、“Exchange Traded Funds”(上場投資信託)の略で、例えばアメリカのS&P 500や日本のTOPIXの動きに合わせて株価が動く投資信託だよ。日本株は1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)、米国株はSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)がいいよ。これなら、株価がゼロになることはないし、たとえ価格が下がっても5年か10年で元に戻ると思う。
連れ合い:本当に大丈夫なの?
私:僕は約10年で2.4倍になったよ。(注:最新の運用実績は、当ブログの毎月初め頃の記事をご覧ください。)大事なことは、下がっても売らないこと。個別株と違って、倒産などで株価がゼロにはならないから、いつかは回復する。
連れ合い:うん、この結果には結構満足してる。損切りなんてことは、ETFでやってはいけないってことね。ところで、株やETFだけでなく国債などの債券を買うのはどう?
私:今、日本の国債は、金利がほぼ0%だし、米国も2%未満だから、あんまり魅力ないなー。米国債の利回りが4~5%になれば少し買いたいけど、今は無理して買わずに、チャンスを待っていた方が良いと思うよ。
<不況でデフレになるとしたら、今どうすればいいでしょうか>
連れ合い:インフレの時の心配ばかりしているけど、デフレになったらどうするの?
私:日本は、1990年代、2000年代と20年以上デフレだった。そういう場合には二通りの方法がある。一つは、今までの日本人のように銀行預金で持っておく方法で、これなら、価値は目減りしない。ただし、金利が低いから資産価値は増えもしない。もう一つは米国のETF(SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)やVOO)を買うこと。SPYは1993年に発売されたけど、既に価格は8.6倍にも達している。しかも、それ以外に毎年2%弱の配当金も受け取れる。ITバブル崩壊やリーマンショックのような時もあったけど、5年、10年と待っていれば、それ以上に価格は上昇してきた。デフレでも基本はSPY、VOO、VTを中心に据えればいいと思うよ。ただし、一銘柄だけでなく、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)も買って、それ以外にある程度の現金もあると安心でしょ。そして、もし、米国債の利回りが5%か、それに近い水準まで上がれば、米国債も少し買えばいい。
<インフレになっても、デフレになっても、どちらでも困らないようにするには、どうすればいいでしょうか。>
連れ合い:それじゃあ、インフレになっても、デフレになっても、SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)などを中心にして、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)もあわせて買うのが良いのか!そして、米国の金利が上がってきたら、少し米国債も買うのが良いかな。
私:そうだね。1~2年では上がったり、下がったりするけど、5年、10年と、我慢して持っていれば、上がってくる。日米のETF以外にも、VT(バンガード社の世界株式ETF)、VGK(バンガードのヨーロッパ株式ETF)とVWO(バンガード新興国株式ETF)も少し持っていると分散化できるので安心かもしれない。
連れ合い:それって、私たちが今までやってきたことだ。その結果には、満足している。その方法が良いってことね。
(おしまい)
<参考>
50歳代、60歳代のための具体的投資(70歳代以上の方もどうぞ)
この記事は、50歳以上の方々のために20回の連載で書いたものです。インターネット上のブログで紹介されている金融機関は、ほとんどがネット証券で、おすすめの金融商品は低コストのインデックスファンドが主流です。しかし、それらの金融機関に口座を開き、ネット上で金融商品を購入するのは、中高年層にとって高いハードルとなる場合も有ります。そんなことをせずとも、野村證券などの対面証券で外国株式ETFを購入すれば、同程度の資産運用が可能だということを説明しました。
若い人(20代、30代)が持つべき、お金に関する基本的な考え方
私の子供たちが社会人になった時に説明した内容です。投資に限らず、お金全般に関して説明してあります。