私は独自路線
本屋で、見かける投資に関する雑誌や書籍は、個別株式、アクティブファンド、株主優待、低コストインデックスファンドを扱っているものが多いようです。しかし私は、これらのものをほとんど利用していません。
金融資産は10年で2倍以上に増えた
逆に、メディアがほとんど相手にしない、野村證券、ETFでの運用を10年続けて、金融資産が2倍以上になりました。私の運用方法とそれらとの違いを述べましょう。
個別株式は時間・精力・頭を使う
個別株式は、余裕資金の範囲内で、十分に分散された銘柄数を持ち、会社業績の分析が嫌でなく、売買のタイミング・量を考えるのが苦しくなく、逆に楽しみでさえある人なら、趣味の範囲内で売買するのはよいかも知れません。しかし、一般の人にとって、このハードルはとても高そうです。
アクティブファンドは高コスト
アクティブファンドは、売買手数料や毎年支払う信託報酬が高いので、世界でもっとも有名な投資家であるウォーレン・バフェットもだめだと言っています。私自身も、良心的な証券会社社員から、アクティブファンドだけはやめた方が良いと言われました。
株主優待も趣味の範疇
株主優待は、アクティブファンドのような大きなコストがかかるものではありませんが、欲しくもないものを送ってこられるのは気に入りません。一方で株主優待が欲しくて株式を買うのであれば、本末転倒でしょう。
野村證券には人気インデックスファンドがない
低コストインデックスファンドは、一般的に良いとされています。しかし、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 」で上位に入るインデックスファンドは、野村證券では扱っていません。もし扱ってしまうと、コストの高いアクティブファンドが売れなくなってしまうからです。
野村にあるのは専用インデックスファンド
私自身は、野村證券で低コストインデックスファンドを利用しているのですが、それはDC(確定拠出年金)専用、つみたてNISA専用の低コストインデックスファンドです。野村証券はこの2つの専用分野に限って低コストインデックスファンドを販売しているのですが、一般的な低コストインデックスファンドは扱っていません。
人気2銘柄が野村にはない
具体的に言えば、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year2020 」で、1位、2位になった
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
の銘柄を扱っていません。これらのファンドは、SBI証券や楽天証券などネット証券が扱っているのです。これらの銘柄は素晴らしい商品ですから、私も子供たちに勧め、そのためにSBI証券に口座を開かせました。
中高年には株式ETFという強い味方がいる
しかし私と連れ合いのような中高年は、すでに蓄えもありますから、わざわざSBI証券に口座を開いて、低コストインデックスファンドを買うメリットがあまりありません。外国株式のファンドを買うのなら直接、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)やVOO(バンガード社のS&P500のETF)等の低コストETFを買えばよいのです。買うときは、100万円単位、あるいは場合によって1000万円単位で購入することもあります。
100%の内の1.5%はあきらめる
SBI証券で売買すると野村証券に比べ、国内のETFでは1%手数料が安くなりますし、外国のETFならそれに加えて0.5%の為替手数料分が安くなりますから、合計で1.5%安くなります。しかし、SPYやVOOを10年間保有すれば、2倍に増えるというのが過去30年間の実績です。つまり、100%のリターンを得ることができますから、そのうちから1.5%を差し引かれても残りの98.5%は、自分の手元に残ります。
ウロコの二三枚はくれてやれ!
株式取引の格言に、「頭と尻尾はくれてやれ」というのがありますが、1.5%では、頭やしっぽよりはるかに少なく、鱗(ウロコ)二三枚程度にしかならないのではないでしょうか。
インターネットが不得意な中高年も多い
現在は、あまりに低コストインデックスファンドとネット証券が脚光を浴びていますが、インターネットに不得意な中高年は大勢いて、その人たちが進むべき道が示されていないというのが実情です。
1.5%を捨てて98.5%を手に入れましょう
1.5%を損するのが嫌で、98.5%を手にしないというのでは、あまりに判断を間違っていませんか。もともと、野村證券や大和証券に口座を持っている人は、すぐに1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))やSPYを購入すればよいのです。もし持っていなければ、お店に出向いて口座を開設すれば購入できます。
ネット証券の口座開設・商品購入は難しいかもしれない
一方、SBI証券に口座を開設するのは少しハードルが高いかも知れません。そもそもコンピュータ入力に不安を持っている人もいますし、氏名に環境文字が一つ含まれていると、そこでストップしてしまいます。購入するときの画面も、慣れないと難しいかも知れません。しかし、それが原因で、ETF購入を躊躇して2か月が過ぎてしまうと、手数料分を上回る損失を被ることになります。
早く行動することが大事
投資で重要なことは、行動することです。投資も早ければ早く行動するほど、良い結果を得ることができます。
野村で注意すべき点
ただし、野村證券や大和証券など口座開設したり、ETFなどの商品を購入するときに、一つだけ気を付けるべきことがあります。それは、「証券会社の勧める商品は買わない。」ということです。具体的にはアクティブファンド、ラップ口座、IPOの株式、社債などは一切無視することです。証券会社が進める商品は、会社にとって利益の多い商品、売れ残った商品ですから、それを買った個人投資家は、損をしたり、リスクを負うことになります。
私のブログで紹介しているETFを買っていれば、意味のない損失を被ることはないと思います。
我が国の家計が保有する金融資産残高は2019年 12 月末時点で 1903 兆円にまで増えてきました。しかしその半分以上が現金・預金で、株式等はわずかです。
日知米欧を比較しても日本の現金預金が高く、株式等が低いのがわかります。
年齢階級別にみると、50歳以上は、青い棒グラフの貯蓄現在高が大きく、赤い負債現在高が少ないことが分かります。
50歳以上の中高年は、無理してネット証券に口座を開き、低コストインデックスファンドを買う必要はありません。野村證券で1306、SPY、VOOを買えばよいのです。
1.5%のウロコ二三枚はあきらめて、残りの98.5%を手に入れましょう。