VOOの現状と分配金 2021年4月

年間分配率は1.68%

野村證券からVOO(バンガード社のS&P500のETF)分配金のお知らせが届きました。単位当たり分配金は1.2625ドル、分配率は0.34%、年間分配率は1.68%です。昨年の分配率は2.02%でしたから、下がっているように思えるかもしれませんが、昨年の株価は210ドル、今年の株価は368ドルなので、株価が上昇した結果とも言えます。昨年は3月にVOOの株価が底値だったのです。このようなことを考慮に入れると、今年は株価が高騰しているにもかかわらず、年間分配率がそこそこの水準だったとも言えます。実際、昨年の年間分配金は5.29ドル、今年は5.39ドルですから、今年の方が分配金は増えているのです。

VOOの現状を確認します。

10年で4.6倍

VOOは2010年9月に発売され、当時は101ドルでしたが、現在は384ドルまで上昇しました。つまり、3.8倍に増えたことになります。しかも、この株価は、分配金を毎年2%弱支払った後の株価ですから実際には、3.8×1.22=4.6倍程度になっています。10年間で4.6倍というのは、上がり過ぎのような気がします。それもそれはず、2010年はリーマンショックの影響で株価が低かった時期です。アメリカの株価は、10年間で2倍くらいに考えていた方が無難です。

概要

バンガードS&P 500 ETF(Vanguard S&P 500 ETF)は、米国籍のETF(上場投資信託)。S&P500種指数のパフォーマンスに連動する投資成果を目指す。主に米国の大型株を保有。S&P500種指数の全構成銘柄に投資し、四半期ごとに時価総額加重平均を用いて保有銘柄のウエートを算定し、リバランスする。

株式数:            509 (500社)
純資産総額:        6,905億ドル 約7兆円
上位10銘柄の純資産:    27.3%
外国の持ち株:        0.0%

純資産総額

純資産総額は投信(ETF)の規模を示します。基本的に大きいほど資金が集まっているといえ、人気をはかるバロメーターのひとつになります。

投信が組み入れている株式や債券などを時価評価した「資産」から、信託報酬(運用管理費用)といった「負債」を差し引いて算出します。すなわち投信の資産のうち、投資家に帰属する分を指し、1口当たりの基準価格に総口数をかけても計算できます。

大きいほど良いか?

純資産総額が大きければ大きいほど、投信の経費率(純資産総額に占める経費の割合)を低く抑えられるメリットがあります。例えば、運用報告書の作成や会計監査などにかかる費用は、純資産総額が1兆円を超える投信も、10億円に満たない投信も同じように発生するので、このコストの負担感は、純資産総額が大きいほど軽くなります。

経費節減努力を続けるバンガード

一部の投信は、純資産総額の増加で浮いたコストを信託報酬の割引によって投資家に還元する仕組みを採用しています。純資産総額が500億円まで信託報酬が1.0%で、500億円を超える部分は0.9%、1000億円を超える部分は0.8%――といった具合に、規模に応じて信託報酬を安くするタイプです。VOOはバンガード社の商品で、バンガード社は、このような経費節減努力を常に行っています。

ETF1兆円、投資信託1000億円が私の基準

純資産総額が小さすぎて採算が合わない投信は強制的に繰り上げ償還される場合があるので気を付けたい。大規模な投信はこのリスクをあまり意識しなくて済むのが利点のひとつです。したがって、私は、株式ETFの場合には純資産総額が1兆円以上、投資信託の場合には1000億円以上という基準で購入しています。

ETFの概要

資産クラス:国内在庫-一般
カテゴリー:ラージブレンド
IOVティッカーシンボル:VOO.IV
経費率:2021年4月29日現在 0.03%

平均年率リターン 2021年4月30日現在

1年間 3年間 5年間 10年間 設定(2010年9月7日)以来
S&P 500 ETF 45.97% 18.64% 17.38% 14.14% 15.74%
S&P 500 Index* (ベンチマーク) 45.98% 18.67% 17.42% 14.17% 15.78%

ポートフォリオ構成:セクターの分散化

(2021年4月30日現在)

VOO S&P 500 Index (ベンチマーク)
コミュニケーション・サービス 10.9% 10.9%
一般消費財・サービス 12.5% 12.4%
生活必需品 6.1% 6.1%
エネルギー 2.8% 2.8%
金融 11.3% 11.3%
ヘルスケア 13.0% 13.0%
資本財・サービス 8.9% 8.9%
情報技術 26.7% 26.7%
素材 2.7% 2.7%
不動産 2.5% 2.5%
公益事業 2.6% 2.7%

投資信託組入れ上位銘柄

名称 ファンドの割合

アップル

5.74

マイクロソフト

5.29

アマゾン・ドット・コム

3.94

フェイスブック

2.11

アルファベット(議決権あり)

1.85

アルファベット(議決権なし)

1.78

テスラ

1.53

バークシャー・ハサウェイ

1.44

JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー

1.38

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)

1.29
カテゴリーETF

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