20代と確定拠出年金、NISA
昨日は20代、今日は30代のポートフォリオを考えています。題材はマネックス証券で紹介している年代別のポートフォリオですが、このポートフォリオには、確定拠出年金(個人型(イデコ)、企業型(選択型を含む))、NISA(つみたてNISA、一般ニーサ)の説明がありません。20代、30代の場合には、これらの制度をフルに利用したうえで、さらに余裕があれば、課税される投資信託積立、ETFの随意購入が望ましいと思います。
選択制の企業型確定拠出年金
企業型確定拠出年金の選択制を導入している企業に勤めている、20代、30代(あるいはそれ以上)の人に検討してほしいのは、毎月いくらの掛け金にするかということです。結論から言うと、私のお勧めはできるだけ多く(55,000が多いと思います。)企業型確定拠出年金で掛けて、外国株の低コストインデックスファンドを選択することです。
それではマネックス証券の30代のポートフォリオについて考えてみます。 ⇒ は、私のコメントです。
30代の参考ポートフォリオ
30代の人も20代の人と同様に時間を見方につけた長期投資を行うことができますが、子どもの教育費や住宅購入などまとまったお金が必要になるライフイベントへの準備もしっかりと行わなければなりません。長期投資だけに視点をおいてポートフォリオを組んでしまうと、リスクを取りすぎになる懸念があることに注意しましょう。海外の高い経済成長を取って資産形成を行っていきますが、20代よりはリスクは抑え目にするべきです。日本株指数に連動するETFをポートフォリオのコア銘柄(資産配分を最も多くする)としたいところですが、将来的な国の経済成長率を考えるとやはり海外株式をコアとすべきでしょう。先進国株式指数(MSCI-コクサイ)に連動する「上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)(1680)」に資産全体の30%を配分します。日本株は20代と同じくJPX日経インデックス400指数に連動する「NEXTFUNDSJPX日経インデックス400連動型上場投信(1591)」に資産全体の25%を配分。さらに、新興国株式指数に連動する「上場インデックスファンド海外新興国株式(1681)」へ10%配分して、ポートフォリオ全体の収益率を底上げするようにします。
残り35%はポートフォリオ全体を安定させるために債券指数に連動するETFを組み入れます。純資産総額は少ないのですが、マーケットメイク銘柄なので流動性リスクは低下していることから「NEXTFUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信(2511)」へ資産全体の25%を配分します。マイナス金利政策によりポートフォリオに入れる有用性が見出しにくかった国内債券ですが、日本銀行が政策を弾力化したことによりわずかながら金利が復活。ポートフォリオを安定させる効果を期待して「NEXTFUNDS国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信(2510)」へ10%を配分します。この銘柄も純資産総額は少ないですが、マーケットメイク銘柄なので流動性リスクは低下しています。
- 上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)(1680) 30%
- NEXTFUNDSJPX日経インデックス400連動型上場投信(1591) 25%
- 上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)(1681)10%
- NEXTFUNDS外国債券・FTSE世界国債インデックス(除く日本・為替ヘッジなし)連動型上場投信(2511) 25%
- NEXTFUNDS国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信(2510) 10%
⇒ 純資産総額、経費率
上記5銘柄のうち、上の3銘柄の純資産総額、経費率は昨日お示ししましたが、下の2銘柄については以下の通りです。純資産総額が小さいので心配な銘柄です。マネックス証券の説明の中にマーケットメイクという言葉が出てきましたが、この制度は、取引量の少ない銘柄が適用対象になるということを意味しているので、やはり、小規模な銘柄で不安です。したがって、私はこのポートフォリオをお勧めしません。
経費は安いのですが、債券はもともと経費が安いので、こんなものでしょう。
コード | 銘柄 | 純資産総額(億円 | 経費率(%) |
2511 | NEXT FUNDS 外国債券・シティ世界 | 184 | 0.12 |
2510 | NEXT FUNDS 国内債券・NOMURA‐ | 329 | 0.07 |
外国ETFには確定申告が必要
株式ETFについては、1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))の場合、毎年8月に分配金が支払われます。また、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)などは年間4回支払われます。国内のETFについては約20%の税金を分配金受取の際に支払った後の残金を受け取ることになります。しかし、アメリカのETFについては、アメリカ国内で10%の税金を払った上に、さらに日本国内で20%の税金を支払うことになりますから、10%が二重課税になります。この二重課税分を翌年の確定申告で還付してもらいます。仕事に忙しい若い人たちは、確定申告をしなくて済むように、ETFではなくインデックスファンドで分配金を再投資した方が、手間がかからないと思います。
外国籍ETFは、日本政府からの距離がある分、安全ですが、このように手間も余計にかかるのです。