資産形成に当たって重要なことは次の5項目だた考えています。
- 知識
- 確信
- 実行
- 継続
- 疑問
1.知識
個別株式を国内株式ETFに変換
私(江戸庄蔵)は、10年前に従業員持ち株会で保有していた個別株式2,500万円を全額売却し、その資金で1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))を購入しました。個別株式は変動リスクが大きいので、株価が高い時に売却してリスクの小さい株式ETFに変換した方が良いと考えたのです。
個別株式を外国株式ETFに変換が正解
このことに関する知識は、100点満点で50点程度でしょう。今の知識なら、2500万円の資金の8割~10割を使って、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)などの外国ETFを買い、残りの資金で1306を買ったでしょう。つまり、国内株式ETFに関する知識はあったものの、外国株式に関する知識は十分でなかったのです。
ネット証券が良いという知識
20代、30代の最近の若者たちは、貯蓄・投資に関する知識が増加しているようです。私の子供は知り合いから、「証券口座を作るのであれば、SBI証券か楽天証券が良い」という話を聞いたそうです。また。ウォーレン・バフェットの名前も知っています。
知識として、以下のことを知っていれば十分に合格点を取れるだろうと思います。
- SBI証券か楽天証券に証券口座を開設する
- 信託報酬0.2%以下の低コスト外国株インデックスファンドを買う
- 自動積立を設定する
- 確定拠出年金(イデコ、企業型)は限度額いっぱい利用する
- NISA、つみたてNISAも限度額いっぱい利用する
- それ以上に貯蓄する余裕があれば、投信積立を利用する
有力な正解
これらのことを知っている日本人は、おそらく1割以下しかいないのではないかと思っています。これだけが正解ではなく、他にも正解があるでしょうが、有力な政界の一つだお思います。
銀行預金しか知らない日本人
日本人の中には、大人も子供も株式投資はギャンブルみたいなものだから手を出さない方が良いと思っている人がかなりいます。日本では昭和の時代に、個別株式と高コストの投資信託を持っている人がいて、そこに1990年のバブル崩壊が発生したので、株式投資に手を出してはいけないと思っている人が多いようです。このため、2001年にスタートした確定拠出年金も、9割の人が銀行預金、保険などの確定利回りで積み立てる結果となってしまいました。
ロシアのプロパガンダを笑えない、日本人の投資常識
現在ウクライナ侵攻に関して、ロシアの中高年層はロシア政府のプロパガンダを信じ込んで、西側諸国の正しい情報を得ている若者たちと意見が対立していますが、正しい知識を持っていないとロシア人を笑うことはできません。日本の中高年層の多くも株式投資に関して、正しい知識を持っていないのです。
昭和は日本個別株と投信、令和は外国株のETFと低コストインデックスファンド
昭和の時代には、個別株式、高コスト投資信託しかなく、証券会社の営業員に暴利をむさぼられていました。しかし2000年以降、株式ETF、低コストインデックスファンド、ネット証券が登場し、状況は一変したのです。この知識を入手しなければいけません。
2.確信
十数年で3倍以上
私は2007年頃、アメリカの株式ファンドを買うのなら、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)が良いらしいと知り、いろいろと調べてみました。株価のグラフを見ると1993年に43ドルだったのが、2007年には150ドルまで上昇していることを知りましたが、十数年で3倍以上になるとは信じられませんでした。設定来のトータルリターンは年平均8%を超えています。しかも、株価の上昇とは別に配当も出るらしいのです。しかし、時間をかけて、いろいろな角度から調べてみると、本当に資産が増えると思うようになりました。
知識から確信へ
知識が確信に変わるには、かなりの時間を要するものです。そして確信を手にするには、実際に購入して、株価をチェックしたり、分配金を受け取ることによって、頭だけでなく、実生活の中で体験することが必要かもしれません。
3.実行
実行のハードル
知識や確信は、ある程度の情報収集力や頭脳があれば手に入れることができるかもしれませんが、実はこの「実行」が一番難しいかも知れません。私は今でも、株式ETFの購入は億劫で、いつの間にか何か月も時間が過ぎてしまうということを続けています。私ですら、この体たらくですから、購入した経験のない人にとっては、口座開設から始まって、一連の作業を行うことはかなりハードルが高いと思います。連れ合いを説得して株式ETFを買うまでには、数年の時間を要しました。子供たちにSBI証券の口座を開設させるには、私が事前に調査をして、手取り足取り指導しました。
買わないと増えない
私は、友人や親戚に対して、株式ETFは資産形成に役立つという情報を与えますが、実行に移す気配は全くありません。ETFやインデックスファンドは実際に買わなければ、資産が増えることは絶対にありません。頭の中の知識で終わらせるのか、10年後に投資金額の2倍にできるのかの分かれ目は、買うか、買わないかの違いだけです。
4.継続
継続の意味は二つあります。継続して買い続けることと、買ったものを売らずに持ち続けることです。
継続して買い続けるためには、自動積立などの仕組みを設定しておくことが望ましいでしょう。
そして、株価が大きく下落したようなときに、売ってしまう人がいますが、ETFやインデックスファンドであれば、必ず株価は回復しますから、持ち続けることが重要です。
5.疑問
基本的には、上記4までの知識、確信、実行、継続で十分なのですが、時代も商品も制度も、少しずつ変化して行きますし、自分自身も年を重ねるにしたがって、住宅購入、子供の教育費、老後の資産、相続などが現実の問題になります。私も現在、たとえば、野村證券からネット証券への移換、つみたてNISA・確定拠出年金の銘柄変更をどうすべきか、と考えることがあります。疑問がわいたら色々調べると勉強になります。そろそろ円安の問題がかなり大きなテーマになりつつあります。今後も課題は多そうです。