相続税対策としての500万円の生命保険:確定申告における外貨ETF配当金の二重課税の還付

◎今日のテーマ1:相続税対策としての500万円の生命保険

生命保険とETFのどちらが有利か

相続税対策として、生命保険は500万円まで控除されるので、生命保険にかかるとよいという話があります。この相続税対策は、だれにとっても、どんな場合でも有効なのでしょうか。銀行預金に置いた500万円と生命保険の500万円を比べれば、生命保険に分があります。一方で、アメリカのETFであるSPYを購入して8年間保有していた場合には、その方が相続人の受け取る金額は多くなるかもしれません。生命保険とETFを比較してどちらがいいのかを考えてみます。

SPYなら8年で2倍なので長生きならSPYが有利

SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)の期待利回りを過去25年間の平均の9%として8年ETFに投資すれば2倍になります。したがって、500万円は1000万円になります。ところが、そこから相続税だけでなく譲渡所得税もかかります。一方、1年で死亡すれば、9%利回りだと545万円にしかならないので、そこから相続税と譲渡所得税を払います。正確な計算はここではできませんので、ご容赦願います。結論は、長生きすると思えばETF、早死になら生命保険が有利ということになります。

みんなが納得できるように簡素と透明性を重視

ここでは例示として、相続税を2割払うとしましたが、人によっては10%から55%まで、様々なので、相続財産の全体によっても影響を受けます。そして、相続税額の多寡だけでなく、相続人が複数いる場合には、全員が納得するかどうかという問題もあります。通常、相続財産には、土地などの不動産、金融資産があって、その金融資産の中の株式・ETFは実際の相続までに価格変動しますし、しかもそれまでにかけてもらった教育費、親の介護をどれだけ負担したかなどの問題などもあります。したがって、できるだけ納得感が高まるように、透明性を高めて、簡素化した方がすっきり行くような気がします。

公正証書

そして、もし、もめそうな恐れがあるのだったら、自筆の遺言書ではなく、公正証書を書いておいた方がすっきりする場合が多いでしょう。数万円の費用でできますので、家族内でごたごたが起きて嫌な思いをすることを考えれば、安いものです。生命保険の損得と考えるのと合わせて、考えるといいかもしれません。ちなみに私の父は95歳で公正証書を書き直しました。

◎今日のテーマ2:確定申告における外貨ETF配当金の二重課税の還付

3月初旬に確定申告をしてきました。私と連れ合いは外国のETFを保有していて、配当金を受け取っています。この配当金には、アメリカで10%課税されたうえに、日本でも20%課税されます。その結果、10%が二重課税となりますので、確定申告で還付してもらう必要があります。昨年は、確定申告初日に行って、ずいぶんと待たされたので、今年は3月初旬に申告しました。今年で3回目なので少し慣れてきましたが、やはりストレスになります。私は、6万円還付されましたが、連れ合いはゼロでした。源泉分離課税から総合課税にすると、ほかの要素もすべて計算されるので、毎年還付の金額が変わります。正直に言って、計算の中身はわかりません。それでも、今年もやるべきことをやって、ほっとしたところです。

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