<昨日の続き>
QUICK資産運用研究所が2022年の「投信10代ニュース」を発表しているので、それを振り返ります。
- NISAを恒久化・無期限化へ 資産所得倍増プラン
- 金融庁が「プログレスレポート」「モニタリング結果」「金融行政方針」を公表
- 投信の積立投資が拡大 楽天証券は月間1000億円突破
- ラップ口座が9月末に過去最高の13.9兆円 プラットフォーマーの競争が激化
- ロシアがウクライナ侵攻 関連投信が急落、売買停止や繰上償還も
- FRBが利上げ「アーク」「レバナス」など海外グロース株式型が大幅下落
- インデックス型ファンドの残高が拡大 海外株式型が「4強」
- ESG関連投信「見せかけ」監視強化で新規設定が急減
- 歴史的な円安 為替ヘッジの有無で明暗分かれる
- 三菱UFJ国際投信が投信残高首位に 野村アセットを上回る
各項目について私の考えを述べます。今日は5からです。
5.ロシアがウクライナ侵攻 関連投信が急落、売買停止や繰上償還も
一部の関係者は株価下落を予想
2月24日のロシアによるウクライナには驚きましたが、昨年の末からアメリカ政府は予測していました。その情報がバイデン大統領など、アメリカ政府の数人しか知らなかったのでしょうか。おそらくそうではなく、もう少し多くの人がその情報を手に入れて、株の売買をしていた可能性があります。
S&P500の5年間チャート
2021年12月21日に436.57ドルの最高値を付けて、その後急落しています。アメリカ政府の情報が漏れていたと考えてもおかしくはありません。このような情報は、私たち素人の個人投資家には入りませんから、個人投資家は短期で勝負するのでなく、長期的に放置して運用するのが良さそうです。
100年に一度の事件が10年間で3回
今回のウクライナ侵攻で、最も大きな影響を受けたのがヨーロッパかも知れません。一方、アメリカはウクライナ侵攻で株価が下落したというよりも、最近のバブルを調整するためのきっかけになったという見方ができるかもしれません。リーマンショックは100年に1度の金融危機、新型コロナウイルスは20世紀初めのスペイン風邪以来のパンデミック、ウクライナ侵攻は第2次世界大戦以来の騒動と、わずか10年ちょっとの間に、100年に1度の事件が3回もありました。
アメリカは戦争があっても株式下落しない
アメリカの株式市場は、1929年の大恐慌の時には急落しましたが、1940年代前半の第2次世界大戦の時には、ほとんど下落していません。アメリカは戦争に強い国と言えるかもしれません。この観点からも、投資はアメリカのS&P500をメインにした方が良さそうです。
日本の対GDP国債残高は2次大戦後より深刻
第2次世界大戦中に大量の国債を発行したドイツは、戦後、ハイパーインフレに見舞われました。日本も20000%以上のハイパーインフレになり、国債も紙幣も紙くず同然になりました。日本の対GDP国債残高は、その時よりも大きくなっています。自分の金融資産は、日本円から遠いところに疎開させておきたいものです。
6.FRBが利上げ「アーク」「レバナス」など海外グロース株式型が大幅下落
結論から言うと、テーマ型のアクティブファンド、レバレッジ型のファンドに手を出してはいけません。
アーク
アーク・イノベーションETF(ARK Innovation ETF)は、米国籍のアクティブ運用型ETF(上場投資信託)で、破壊的イノベーション関連企業の株式銘柄への投資を目指します。ゲノム革命、ウェブx0、および産業革新に関連する科学研究での新製品、サービスの開発に依存する、または利益を得る銘柄を対象とする。
アークETFは新型コロナウイルス対応の世界的な金融緩和の流れに乗る形で20年3月に付けた同年の安値(33ドル)から21年2月に付けた上場来高値(159.70ドル)まで5倍に上昇。その後、インフレ対応の世界的な金融引き締めが逆風となり、上場来高値から8割下落しました。
レバナス
レバナスとは「NASDAQ100指数」の2倍の値動きを目指すレバレッジ型投資信託です。ハイリターンという特性が注目を浴び、米国市場の成長が著しかった2021年に一大ブームとなりました。しかし、現在はレバナスによる含み損によってリタイアしてしまった投資家も増えているようです。
7.インデックス型ファンドの残高が拡大 海外株式型が「4強」
アメリカや世界に投資するインデックス型ファンドが良さそうです。
なお、海外株式型の「4強」とは以下の通りです。
- eMAXIS Slim 米国株S&P500
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- 追加 SBI・V・S&P500インデックス
8.ESG関連投信「見せかけ」監視強化で新規設定が急減
テーマ型のアクティブファンドはダメです。
9.歴史的な円安 為替ヘッジの有無で明暗分かれる
為替ヘッジはコストが高いので長期投資の個人投資家は避け、アメリカ全体などに長期投資すれば、為替相場に影響されずに運用できます。
10.三菱UFJ国際投信が投信残高首位に 野村アセットを上回る
低コストインデックスファンドの「eMAXIS Slim 」シリーズが功を奏したのかもしれません。