<速報>
昨日、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022」が発表されました。上位5銘柄は以下の通りです。
1位 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
2位 ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
3位 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
4位 VANGUARD TOTAL WORLD STOCK ETF (VT)
5位 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
信託報酬はコストの一部だけ
野村證券から「つみたてNISAに関する信託報酬等の概算額のお知らせ」が届きました。「野村つみたて外国株投信」の信託報酬等の料率は0.238%となっています。しかし、この商品の月次レポートは、「運用管理費用 ファンドの純資産総額に年0.209%(税抜年0.19%)の率を乗じて得た額が、お客様の保有期間に応じてかかります。」と書いてあります。この差は一体なんでしょうか。よく見ると、「等」の字があります。
【当ファンドに係る費用】には以下の費用があります。
- ご購入時手数料: ありません。
- 運用管理費用(信託報酬): ファンドの純資産総額に年0.209%(税抜年0.19%)の率を乗じて得た額が、お客様の保有期間に応じてかかります。
- その他の費用・手数料: 組入有価証券等の売買の際に発生する売買委託手数料、外貨建資産の保管等に要する費用、監査法人等に支払うファンド の監査に係る費用、ファンドに関する租税等がお客様の保有期間中、その都度かかります。※これらの費用等は運用状況等により変動するため、事前に料率・上限額等を示すことができません。
- 信託財産留保額(ご換金時): ありません。
そうすると、ご購入時手数料と信託財産留保額(ご換金時)は費用がかからないので、その他の費用・手数料で、0.029%かかることになります。
「等」も大事
一方、子供にもSBI証券から、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」の、「つみたてNISAに関する信託報酬等の概算額のお知らせ」が届きました。この商品の信託報酬等の料率は0.1633653%ですが、運用管理費用 (信託報酬)は年率0.1023%(税抜0.093%)ですから、「等」の費用が、0.0610653%かかっています。野村證券の商品の2倍以上かかっていることになります。費用の内訳は以下の通りです。
- 毎日
運用管理費用 (信託報酬)
ファンドの純資産総額に年率0.1023%(税抜0.093%)以内の率をかけた額とし、ファンドからご負担いただきます。 - 監査費用
ファンドの純資産総額に年率0.0011%(税抜0.001%)をかけた額とし、ファンドからご負担いただきます。 - 随時
その他の費用・手数料
組入有価証券の売買委託手数料、信託事務の諸費用および借入金の利息等はファンドからご負担いただきます。これらの費用は運用状況等により変動するため、事前に料率・上限額等を記載することはできません。
・当該費用の合計額、その上限額および計算方法は、運用状況および受益者の保有期間等により異なるため、事前に記載することはできません。
・詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
このことから、投資信託のコストを見るには、信託報酬だけでは十分でなく、それ以外の費用もチェックする必要があります。
実質コストのランキング
ダイヤモンドの ZAI ONLINE では、これらのコストも含めたランキングを公表していますので、見てみましょう。ニッセイ外国株式は0.1590%で0.1633653%より少し低くなっていますが、これはタイムラグのせいかもしれません。しかし、おおむね今回送付されたコストに近い数字です。最も低コストなのは「SBIインデックス先進国株式」、次は「My SMTグローバル株式」でした。
先進国株式
信託報酬順位 | 実質順位 | ファンド名(略称) | 信託報酬(税込) | 実質コスト(税込) | 純資産総額(億円) |
番外 | 番外 | SBIインデックス先進国株式 | 0.1022% | 0.1190% | 130 |
2位 | 1位 | My SMTグローバル株式 | 0.1023% | 0.1250% | 16 |
1位 | 2位 | eMAXIS Slim先進国株式 | 0.0995% | 0.1420% | 3,879 |
2位 | 3位 | ニッセイ外国株式 | 0.1023% | 0.1590% | 4,356 |
4位 | 4位 | たわらノーロード先進国株式 | 0.1099% | 0.1790% | 2,484 |
5位 | 5位 | iFree外国株式 | 0.2090% | 0.2460% | 256 |
6位 | 6位 | Smart-i先進国株式 | 0.2200% | 0.2860% | 271 |
7位 | 7位 | iシェアーズ先進国株式 | 0.4125% | 0.4750% | 28 |
8位 | 8位 | 外国株式インデックスe | 0.5500% | 0.5770% | 215 |
8位 | 9位 | SMTグローバル株式 | 0.5500% | 0.5820% | 1,448 |
10位 | 10位 | 野村(Funds-i)外国株式 | 0.6050% | 0.6230% | 393 |
11位 | 11位 | eMAXIS先進国株式 | 0.6600% | 0.7040% | 632 |
投資信託における「実質コスト」の計算方法
最後に、比較表にも掲載している「実質コスト」について簡単に解説しておこう。ただ、ここを理解していなくてもインデックスファンドの比較はできるので、細かい計算が苦手な人は読み飛ばしてしまってもOKだ。
インデックスファンドを含むすべての投資信託は、継続的に発生する費用を「信託報酬」として計上しているが、実際に投資信託を運用すると売買委託手数料や有価証券取引税など、わずかだが信託報酬以外の「隠れた費用」が発生してくる。この実際にかかった「隠れた費用」も含めて計算されるのが「実質コスト」だ。
投資信託の「実質コスト」は以下の計算式で導き出される。
実質コスト=信託報酬率※×1万口当たりの費用の「合計」÷1万口当たりの「信託報酬」
※式中の「信託報酬率」が一般的に「信託報酬」と呼ばれているものにあたる
この式にある「1万口当たりの費用」や「1万口当たりの信託報酬」については、各投資信託の「交付運用報告書」や「運用報告書(全体版)」に記載されている。例えば、以下の画像は「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」の「交付運用報告書」に載っている「1万口当たりの費用明細」だ。
<明日に続く>