いまさら財形?
最近驚いたことの一つに、財形貯蓄のテレビコマーシャルが始まったことです。「昭和じゃあるまいし」と思わず突っ込みたくなります。
物価高に負けてる予定利率
昭和の後期には、リリスも少しあって給与天引き制度で手間がかからない財形貯蓄は一定の役割がありました。しかし現在の予定利率は、日本生命の場合0.7%、銀行では0.01%程度しかありません。政府と日銀が物価上昇率の目標を2%に設定している時代に、1%未満しか増えない貯蓄にどんなメリットがあるのでしょうか。
政府関係機関も危ない
政府関係機関が実施している他の制度にも気を付けた方が良いでしょう。このような組織には、役人の天下りがたくさんいて存続させるために、国民のためにならないないことをする可能性があります。気を付けましょう。
インフレでも変動しない国民年金基金の利率
国民年金基金のコマーシャルも流れています。国民年金基金は途中で口数を変更しない限り、加入時の掛金が払込期間終了まで変わりません。 その掛金は加入時の予定利率(2022月5月現在1.5%)です。現在の物価上昇率は3~4%ですが、物価が上がっても1.5%の予定利率は変わらないということです。
インフレに負けてる小規模企業共済
小規模企業共済の1.0%です。私の知り合いで、士業の人がいましたが、毎月7万円をかけているから安心だと言っていました。物価上昇率が0%なら、この共済を利用する意味があるでしょうが、これからは賃金・物価が上昇しそうな局面ですから、良く考え直した方が良いでしょう。
アメリカにも、退職後のための貯蓄制度はいろいろありますが、そこで気を付けるべきことは何でしょうか。2022年4月19日の make it を見てみましょう。以下は拙訳です。
20代、30代、40代で月500ドルの貯蓄を始めた場合、リタイアメント時にどれだけのお金が手に入るか紹介します。
20代や30代の人は特に、退職が一生先のことのように感じられるかもしれません。昼間の仕事から解放されるまであと何十年もあるため、退職後の貯蓄を現在の支出よりも優先させるのは難しいかもしれません。
しかし、退職金は67歳になるまでただ眠っているわけではなく、複利によって継続的に増えていくものであり、最初の投資額だけでなく、積み立てた利息にもリターンがあることを覚えておくことが大切です。
退職金の成長を何年にもわたって推定し、貯蓄がどれだけ増加するかを確認することで、毎月の掛け金の痛みを軽減し、給与から積み立てる金額を増やすことを納得させることができるかもしれません。
CNBC Make Itは、複利計算機を使って、さまざまな年齢から毎月500ドルを積み立てた場合、67歳でいくらになるか実証しています。これらの計算は単独で行われ、経済的要因、金利の上昇や低下、現金収入、緊急時の出費など、時間の経過とともに資産の増加に影響を与える変数が考慮されていないことを覚えておいてください。
25歳で貯蓄を開始した場合
収益率4%の場合: 654,763ドル
収益率6%の場合:1,140,756ドル
収益率8%の場合:2,073,982ドル
30歳で貯蓄を開始した場合
収益率4%の場合: 509,013ドル
収益率6%の場合: 819,732ドル
収益率8%の場合:136万7,255ドル
35歳で貯蓄を開始した場合
収益率4%の場合:389,643ドル
収益率6%の場合:581,735ドル
収益率8%の場合:892,892ドル
40歳から貯蓄を始める場合
収益率4%の場合:291,879ドル
収益率6%の場合:405,290ドル
収益率8%の場合:574,495ドル
50歳で貯蓄を開始した場合
収益率4%の場合:146,233ドル
収益率6%の場合:177,499ドル
収益率8%の場合:217,338ドル
貯金を始めるには
まだ退職金の積立を始めていないのであれば、いろいろな方法で始めることができます。
まずは、雇用主の401(k)プランに登録し、会社が提供する預金マッチングを最大限に活用することから始めましょう。2022年に50歳未満の労働者が401(k)に入れることのできる最高額は$20,500です。
退職後、401(k)で得た利益を引き出す際には、その時点の税率に応じた税金を支払うことになる。401(k)は、雇用主が給与から差し引いた税引前資金で運用されるため、毎年拠出することで課税所得が下がります。
また、RothIRA口座に登録することもできます。2022年の年間所得が129,000ドル以下であれば、年間拠出限度額の6,000ドルまで資金を提供することが可能です。Roth IRA口座では、株式、債券、ETFなど幅広い投資先を選択することができます。
Roth IRA口座は税引後の資金で運用されるため、投資額が非課税で増えていくので、投資を始めるには最適です。401(k)の場合、退職前に資金を引き出すと10%のペナルティが課せられますが、Roth IRAはいつでも引き出すことができます。
リタイヤメント口座以外では、課税対象となる証券口座の開設を検討することもできます。この口座に個別銘柄を入れるという方法もありますが、ウォーレン・バフェットなどの専門家は、自動的に分散投資されるインデックス・ファンドに資金を投入することを勧めています。実際、アマゾン、アップル、マイクロソフトなどの企業を含むS&P500は、長年にわたってインフレ率を上回っている。
“一貫してS&P500の低コストのインデックスファンドを買いなさい “とバフェット氏は2017年に述べています。”株価が高くても安くても、特に安いところでも買い続けること”
しかし、老後のための貯蓄で最も重要なことは、500ドル以下でもいいので、自分が出せる金額で、できるだけ早く始めることです。そうすることで、複利の効果を最大限に発揮させることができるのです。