全世界、先進国、アメリカ
「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022」の上位3銘柄は以下の通りです。
第1位:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
第2位:<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
第3位:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
第1位のeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、文字通り全世界ですから、アメリカ、日本、ヨーロッパ、新興国に投資しています。
第2位の<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドは、日本を除く主要先進国の株式に投資するMSCIコクサイ・インデックスです。
MSCIコクサイ・インデックスは、米国のモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI Inc.)が算出・公表している、先進国23ヵ国から日本を除いた22の先進国の上場企業で構成されており、具体的な構成国は以下の国々です。
米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、アイルランド、オーストリア、オランダ、スイス、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、ベルギー、ポルトガル、香港、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、イスラエル
構成国の内訳をみると、OECDの加盟国である韓国やトルコなどはない一方で、未加盟国のシンガポールや香港が入っています。
大雑把に言うと、主にアメリカとヨーロッパです。
第3位のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はアメリカです。
つまり、人気銘柄の投資地域は以下の3種類です。
- 全世界(アメリカ、日本、ヨーロッパ、新興国)
- 外国の先進国(アメリカ、ヨーロッパ)
- アメリカ
それでは、このうちどの地域に投資するのが良いでしょうか。
具体的な検討に入る前に、各エリアの過去20年間の動向を見てみましょう。
アメリカ
2000年代はITバブルで始まり、終わりはリーマンショックだったのであまり良い成績ではありませんでしたが、2010年代はGAFAなどのIT企業の活躍により、株価が上昇しました。
ヨーロッパ
アメリカと同様の動きをしましましたが、アメリカほど株価が上昇しなかったので、2000年代、2010年代とも残念な結果でした。
新興国
BRICSに代表される新興国は2000年代に株価が大きく上昇したのですが、リーマンショック以降の2010年代に入ると魅力が無くなりました。
日本
アメリカの影響を強く受けますが、2010年代には異次元金融緩和によって株価が上昇しました。
それでは、具体的な銘柄について検討します。
ヨーロッパとアメリカ
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドは、ほとんどをアメリカとヨーロッパに投資しますが、過去20年間を見る限り、アメリカの成長が著しく、しかもアメリカの方がリスクが小さかったという結果です。つまりヨーロッパの部分をなくして、その資金を全部アメリカに向けるべきだったということになります。
全世界とアメリカ
次に全世界に投資するeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)については、アメリカに全額投資した方が、リスクが小さくリターンが3%多かったという結果でした。
全額をアメリカに投資すべきだった
この結果、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2022」の上位3銘柄に関しては、過去20年間の実績を見る限り、全額をeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に投資することが良かったことになります。しかし、2000年には、これらのどの銘柄も誕生していませんでしたから、当時投資することはできませんでした。
日米は最小リスクだが最高リターンではない
なお、ここで日本株についても触れておきます。上のグラフで、日本株に60%、アメリカ株に40%投資するポートフォリオが、最小のリスクで、10%以上のリターンを実現できました。しかし、全額をアメリカ株に投資していれば14%のリターンを獲得できましたから、単純に最小リスクが良かったとは言えません。要は、最高リターンを狙うか、あるいは、最小リスクで満足するかの判断ということになります。
日銀の異次元緩和は異常事態
また、2010年代は日本銀行が異次元の金融緩和を実施した期間でしたから、このようなことが今後も続くとは考えにくいでしょう。逆にこの期間で生じた負の遺産を、今後長い年月をかけて解消していく必要がありそうです。
投信ブロガーは日本に投資せず
投信ブロガーたちは、そのことも踏まえて日本株には投資せず、外国株に自分の大事な財産を託しているのかもしれません。
過去20年の実績は信頼できるか?
過去20年間の成績を見て、長期間のデータに基づくリスク・リターンだから信頼できるとは思わない方が良いでしょう。将来の行方が過去の実績どおりになるとは限りません。
アメリカを中心に、それぞれの判断
私のポートフォリオは、全世界に投資するパターンですが、連れ合いはアメリカ6割:日本4割で、二人とも、今後日本の割合を減らすつもりです。子供達には、以下の3銘柄か自分の判断で投資するように勧めていますが、その理由は、どのエリアに投資すれば今後30年、40年間で最も有利になるかが、わからないからです。子供たちは自分の判断と責任の下で投資するのです。ただし、アメリカへの投資が中心になることは間違いなさそうです。
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)