免疫、腸、がん、食べ物

10年程前に比べると、免疫と腸の関係が密接であるという情報が増えてきました。

2024年2月9日のラジオ番組、生島ヒロシのおはよう定食から、コンパクトでためになりそうな話が聞こえてきました。


順天堂大学医学部教授 小林弘幸

免疫の細胞は7割が腸にある。だから、腸内環境を整えることがすべてなんです。腸の環境が良ければ、良い栄養素が全身に回るので、免疫細胞を活性化する。
腸は内からと外から鍛えろと言うことで、内からが食事、外からが運動です。簡単に継続できる運動は、階段の上り下りとスクワットですね。膝が悪くなければ。膝に負担掛けないスクワットですね。
免疫細胞を活性化させる食事の習慣は、腹7分目を心がけて腸に負担をかけない。寝る3時間前までには夕食を終えて、腸のゴールデンタイムを持つ。肉は自律神経にもよいけど、食べ過ぎると悪玉菌の餌になってしまうので、食べるとき、同時に野菜や果物と言った抗酸化成分を含むものを一緒に食べるのが良い。食べる順番は、ベジタブルファーストと言って、先に野菜を食べて血糖値の上昇を抑える。そうすることによって血管を傷つけないで、血管を保護して血流が良くなって、免疫細胞も働いてくれるということになる。
電子顕微鏡で見ると、傷つくのがしっかり見える。血管壁を守る食べ物はタンパク質です。キノコ、鶏の胸肉、魚にいっぱい含まれていますし、自律神経の原料になるので、たんぱく質は重要です。それからビタミンCは白血球の機能を高めてくれて、パプリカ、ブロッコリー、キュウイ、オレンジなど身近にある。ビタミンDは免疫のバランスを整えてくれる。キノコ、イワシ、牛乳、特にマイタケに豊富。
腸内環境に大事なのは、発酵食品と食物繊維を積極的取ることですが、食物繊維は餌になるし、特にキノコは冬だから鍋に入れると、食物繊維のベータグルカンがあるので、腸の粘液成分に直接働きかけてくれて、活性化させてくれるので良いと思う。
ベータグルカンはビタミンⅮと一緒に摂ると、一石二鳥、一石三鳥になる効果がある。
便秘すると、体の中に毒が回りやすくなるので、便秘は避けてください。便秘は炎症なので、腸に炎症が起きると、毒が回ってしまう。


次にがんの5年生存率を見てみましょう。

健康ひょうご21県民運動ポータルサイト

がん、早期発見で高まる生存率。最新の5年生存率は66.1% ー助かる病気から寄り添う病気に!ー |

がん、早期発見で高まる生存率。最新の5年生存率は66.1% ー助かる病気から寄り添う病気に!ー | 健康ひょうご21県民運動ポータルサイト

日経2024年2月28日の記事を読んで見ます。


がん社会を診る 東京大学特任教授 中川恵一

66歳以上の老齢者でたんぱく質の摂取量が多い人ほど、がん死亡率が低く、長生きします。

米国の女性看護師(登録時に30〜55歳)を対象とした最近の研究では、中年期のたんぱく質摂取が多いほど健康寿命が延びることも分かりました。とくに、植物性のたんぱく質の摂取が重要です。

さまざまな食材が寿命に与える影響を科学的に評価すると、長寿のために最も効果的な食材は豆類で、全粒穀物、ナッツ類と続きます。やはり植物性たんぱく質の重要性が分かります。

豆腐納豆など大豆製品に含まれる「イソフラボン」には、乳がんや前立腺がんを防ぐ効果があります。イソフラボンの摂取が多い人にこれらのがんが少ないというデータもあります。欧米に比べて日本人に乳がんや前立腺がんが少ない理由の一つが、1人当たりの大豆消費量が世界一である点なのかもしれません。

私も納豆1パックを毎日食べるようにしています。もちろん、ご飯のお供ではなく、そのまま食べています。

動物性たんぱく質でも、魚はがん予防と長寿にプラスとなります。とくにサバやイワシなどの青魚、マグロやサケなどには、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)といった「オメガ3不飽和脂肪酸」が多く含まれます。この脂肪酸は血液をサラサラにする効果があり、日本人に心筋梗塞が少ない理由の一つと言われています。

オメガ3不飽和脂肪酸は乳がんに対する予防効果も示されています。しかし、日本人の魚の摂取量は1987年をピークに減少が続いており、心配です。

「健康的な加齢」には十分にたんぱく質を摂ることが大切ですが、日本人のたんぱく質摂取量はここ20年くらいの間、減少傾向にあります。今の摂取量は終戦直後と大差ありません。

飽食の時代と言われますが、日本人の摂取カロリー自体も終戦後より減少しています。しかし、がん全体を2割、膵臓(すいぞう)がんを2倍に増やす要因である糖尿病は増え続けています。

この背景には脂肪、とくに動物性脂肪の摂りすぎがあると思います。日本人の脂肪摂取量は私が生まれた昭和30年代から急激に増え始め、1955年の3倍近くに増えています。なかでも動物性脂肪の増加が著しく、5倍近くまで増えてしまいました。

食の欧米化が先行した沖縄ではかつて、男女とも平均寿命日本一を誇りましたが、男性は43位、女性も16位まで順位を下げています。塩分を控えめにした大豆たっぷりの和食がベストと言えるでしょう。

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