資産は3倍
夫婦合計の資産は4億6千万円に増えました。元本が1億5千万円なので約3倍になった計算です。
投資開始直後にリーマンショックに見舞われたので、なかなか厳しい道のりではありましたが、まさに、リスクを取らなければリターンを得られないという軌跡でした。
私の年平均資産増加率
私のポートフォリオには、特定口座のETF、NISA、確定拠出年金、確定給付年金があり、企業型確定拠出年金は2000年代初めからスタートしましたが、それ以外の株式ETF等は2010年から始めました。2011年は円高が進んだので、評価損が発生しましたが、その後は比較的安定した成績を残しています。2024年3月末までの13年間平均資産増加率は9.0%まで増えました。
2010年から2023年までの13年間で、前年比が赤字になったのは、2011年、2016年、2020年、2023年の4回でした。
この9%が、今後マイナスになることはないだろうと思います。そして、9%というリターンを、普通の日本人は信じられないと言うかも知れませんが、これは事実ですし、才能も技術も必要ありません。
低コストのインデックスファンドや株式ETFを買って持っているだけで良いのです。
逆に、もし9%が低くてもっと高いリターンを欲しいというのであれば、そういう考えは捨てたほうが良いと思います。アクティブファンドの中には、この水準より高いリターンを得られるものもありますが、それがどの銘柄化を事前に知ることはできませんし、コストが高くて、結局は損をする可能性が高いのです。
下のグラフで、大きく前年割れしたのは過去3回です。
- 2011年は東日本大震災の直後で、当時安全資産の円買いが進んだために、外貨建て資産をたくさん持っている私の資産は減少しました。
- 2016年はチャイナショックの影響で、評価額が減少しました。
- 2020年は新型コロナショックが原因で、3月は世界的に評価損が発生しました。
しかし、大きく前年割れしても、翌年には評価益が出ています。
低コストのインデックスファンドや株式ETFを買って持っているだけで良い、と言っているのが、ウォーレン・バフェットです。
2023/08/30のプレジデントの記事を読んで見ましょう。
ウォーレン・バフェットが妻に出した指示
ここにちょっと面白いエピソードがあります。ウォーレン・バフェット氏と言えば、世界最高の投資家といわれていますが、その彼が会長兼CEOを務めている投資会社バークシャー・ハサウェイは彼が経営権を握った1965年から2015年までの50年間で株価は約2万倍になっています。その間、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500は140倍ですからバフェット氏のアクティブ運用の圧勝です。
その彼が2013年にバークシャー・ハサウェイの「株主への手紙」の中で、このように述べているのです。「プロではない投資家の目的はパフォーマンスの良い銘柄を選ぶことではないし、それを実際に行うことは本人もそのアドバイザーにも難しいだろう。むしろ大切なことは幅広く横断的に投資することだ。S&P500に連動する低コストのインデックスファンドに投資することによりこの目的は達成できるだろう」。さらに続けて彼は自分の妻に対して相続財産の運用として、運用の90%はS&P500インデックスを、そして残りの10%は米国短期国債を買うように指示したと述べています。
これは言い換えれば、「自分のような優れた運用者は世の中にはそうたくさんいない。下手なアクティブ運用に委ねるよりもインデックスで運用したほうがよほどましだ」と言いたかったのでしょう。
インデックス型であれば何でもいいわけではない
ではインデックスであれば何でもいいのか? というとそれは違うと思います。最初にお話ししたインデックスとパッシブの違いを思い起こしてください。インデックスは指数であるのに対してパッシブは世界の市場全体の動きです。
例えば日経平均というのは1つの指数ですが、東証に上場する約2000以上の銘柄のうち、225銘柄の平均でしかありません。つまり市場全体の流れを示すものではあったとしても東証全体の市場の動きに連動しているわけではないのです。NYダウ工業株30種平均に至ってはわずか30銘柄の平均株価です。したがって、日経平均やNYダウに連動するのはインデックス投資ではあったとしても必ずしも市場全体に連動するパッシブ運用であるとは言い切れないわけです。
極端なことを言えば、日経平均というのは225銘柄に投資するという“アクティブ投資”と言えるかもしれません。すなわち、パッシブ型投信のように世界市場全体に投資してほったらかしておくのとは異なり、インデックス型投信の場合、やはりどの指数を選ぶかが問題なのです。
しばしばいわれることですが日経平均は、銘柄数が少ないため値嵩株の影響を強く受ける傾向があります。例えばファーストリテイリングやソフトバンクグループといった銘柄の寄与度が大きいため、必ずしも日本の株式市場全体を表しているわけではありません。
S&P500はその時代に合った銘柄構成になる
一方、米国を例に取ると、前述したバフェットが推奨するS&P500はかなり幅広く分散されていますし、銘柄の入れ替えも比較的多く行われているため、その時代に合った銘柄構成となり、より米国全体の実態を表しているといって良いでしょう。米国市場ということで考えれば、インデックス型といっても限りなくパッシブに近いと考えて良いだろうと思います。S&P500を上回る運用成績を上げるのは容易なことではないかもしれません。たしかにバフェット氏のような優れた投資家でない限りはインデックス投資をしていたほうが無難と言えるでしょう。
したがって、本当の意味でのパッシブ運用は、世界中の市場のそれぞれの時価総額の割合に応じて投資する、あるいはGDPのような経済規模に合わせて投資をするということであり、それが最も合理的な方法ではないでしょうか。現在であれば、そういう国際分散投資でパッシブ運用のできる投資信託は少ない金額でも購入は容易です。
アクティブとパッシブ、前述したように理屈で考えれば全てのアクティブ投資家の平均であるパッシブは、コスト分だけ有利であるということはいえますが、どちらが絶対に正しい方法であるということはありません。人それぞれの考えに応じて投資をすれば良いわけです。ただし、特定の指数(インデックス)のみに偏るのは避けた方が良いだろうと思います。