4月13日、ドル円は153円台を付けました。
神田真人財務官は、「足元の円安は経済のファンダメンタルズに沿っておらず、投機によるものだと指摘、日本経済に悪影響を与えるもので容認はできない」と語っています。
しかし、現状は、経済のファンダメンタルズに沿っていないのでしょうか?
鈴木俊一財務相は、外国為替市場で進む円安について「行き過ぎた動きにはあらゆる手段を排除せずに適切に対応をとっていきたい」と述べています。
しかし、現在の動きは行き過ぎているのでしょうか?
ファンダメンタルズに沿った、妥当な動きかも知れません。
経済評論家の豊島逸夫は「実情を一番よく知っている日本銀行OB、財務省OBが退職金で、金、ドルを買いたがる」と繰り返し述べています。
「金」を買いたがる日銀OBたち
2024年4月12日
「財務省OBの知り合いも退官後に金を買いたがる傾向がある。キャリア組として中核にいた人物が「日本はいつかジンバブエになる。」と真顔で語る。トンデモ本に感化されたわけでもない。平然と「自分は日本国のバランスシートを作成してきた。退職金を円で保有するリスクを痛感している。」と語る。
と書いている。
怖い実話だ。
ドル・金を買いたがる財務省・日銀OBたち
2016年7月26日
今日の話は、このブログではお馴染みの事だが、最近、またもや、増えて来たので掲載。新規読者も多いしね。
「ドルや金を買いたいのだが。」
筆者のところに相談にくる知り合いのなかで、外貨建て投資に強い興味を示す一団が、財務省・日銀のOBたちだ。退官した同期や先輩たちゆえ、会話にも遠慮がない。
「自分は日本国の台所の実態をこの目で40年間見てきた。」「量的緩和でマネーが大量に供給される現場で働いてきた。」
「通貨の番人」役を長く勤めてきた人物たちが、退官した翌日から個人投資家となり、退職金の運用を考え始める。そのときに、番人として守ってきたはずの円を持ちたがらない傾向がある。
そもそも、ドルや「代替通貨」の金を買うという投資行動は、円に対する不信任投票だ。
彼らのドル・金選好の根底には、膨張した公的債務・通貨供給量を「正常化」する出口の過程でインフレが不可避との認識がある。円という通貨の価値が希薄化して、長期的には円安とみる相場観だ。この点については「少子高齢化で移民も拒む国の通貨は長期的に下落するから円安。」と見る著名投資家ジム・ロジャーズ氏の考えと共通点がある。
「膨張した国の借金は、国民がまともに働いて返済できる規模ではない。量的緩和の出口戦略は未知の領域だ。ここは、資産防衛するしかあるまい。」
よく聞く議論だが、国の財政・金融政策の中核にいた人たちから、本音ベースで粛々と語られると、背筋がひんやりするごとき、説得力を感じてしまう。
現役時代は、コンプライアンスで個人投資は出来なかったので、生まれて初めて「証券口座」を開設する事例も少なくない。郊外の支店で、自分の娘より若い女性の係員に1時間、リスク開示の説明を神妙に受けた、と苦笑して語る人もいた。「一人では不安なので妻同伴で赴いた。」との告白もあった。仕事上、兆円単位の資金移動には慣れていても、いざ、虎の子の個人資産を動かすとなると、戸惑うものなのだ。
それにしても、考えさせられる現象ではある。
豊島 逸夫が2023年3月30日のYoutubeで、日銀OB、財務省OBが円を持ちたがらないことについて話していますので読んでみましょう。
Youtubeはこちらです。
最高値でも金(ゴールド)を買いたがる日銀OBたち
今日はゴールドについてお話します。
実は私、周りの知合いですとか友人たちとかから、いろいろと資産運用について相談を受けます。
大体私の年代では、ほとんどが退官、退職していて、虎の子の退職金をどうしようか?その手の質問が結構多いんですが、その中で、特に最近目立つのが、金を買いたいという人の中で、もと日銀の人、いわゆる日銀OBですね。
私いろいろと付き合いが広いので、財務省ですとか、日銀ですとか、そういったところに、気楽な付き合いの知り合いが多いですが、そういった連中の中で、OBの人たちは、自由に投資できる。つまり、日銀でも退官すれば一個人投資家になる、というところなんですが。そういった連中がやたらに金を買いたがるんですよね。
これはやはり考えさせられることで、私が「なんでそんなに金を買いたいの?」って、彼らに投げかけると、彼らはやはり何といっても、量的緩和の最前線というか、現場にいましたから、あれだけマネーがばらまかれると、1万円札見ても、紙っ切れにしか見えないと。こんな感想を彼らはよく語って、いざ、自分が退職して一個人投資家になって、さあ、この虎の子をどのように運用しようかと考えたときに、少なくとも、円では持ちたくないというんですよ。
日本銀行というのは通貨の番人と言われるように、円の価値を守る、円という通貨の価値を守ることを仕事にしていた、そういう人たちなわけですけれども、こともあろうに、そういう人たちがいざ自分の退職後の資産運用になると、自分が番人で守ってきたはずの円というものを持ちたがらない。ここが私なんとも、いろいろ考えると、やや背筋もひんやりする思いんですけど。
やはり、量的緩和でお金もばらまかれるっていうことは、1万円の価値、通貨の価値が希薄化する。よく増資で希薄化ということが言われますけど、通貨価値が希薄化するのではないかと、こういう考えで円は持ちたがらない。
で、彼らは、ドルがあり、金がありと、こういうところでお金を回す。資産運用の中で、こういうことを考えるということは、やはり怖いですよね。なんてったって、現場にいた人たちで、量的緩和の先陣を切っていた人たちなわけですから、それだけ、私なんかから見ても説得力はありますよね。
特に最近は世界的な銀行不安、金融不安という状況もあって、さらにそういう状況が加わって、金というものを選好するという、ここは我々としても考えさせられる。
それから同じような傾向が、友人も含めて財務省出身の人間がやたら多いんですが、そういった連中も、やっぱり、金を買いたがる傾向が強いですね。私の親しい元財務相の人間なんかは、「日本はいずれジンバブエになる」なんて、なんかトンデモ本みたいなことを言ってるんですけど、「自分たちは今まで日本国の家計簿を付けてきた。」そういうところで、彼らは「円というものの価値が非常に今、不安定である」という中で、彼らも退職金をもらって、その運用の中で、金というものを考える。そこで、私のところに「金を買いたいんだが、何を買ったらいいんだね、どうしたらいいんだね。」
まさに一個人投資家ですよね。元財務官僚とはいえ。大体、5年もたつと、私が見ても、そういう官僚でも、一個人投資家のマインドに、はっきり変わってきますね。
ですから、私の個人的体験として、最近痛感させられる出来事なわけです。