<改訂版>50歳代、60歳代のための具体的投資(70歳代以上の方もどうぞ) 16:私のポートフォリオの日本株は2割

ポートフォリオ 2

日本株式ETF25%、外国株式ETF75%

国内株式と外国株式を半分ずつ持つ方法もありますが、資産を分散化させるためには、国内株式の割合を25%に落として、外国株式を75%まで増やすパターンも有力です。VTという世界の株式市場に分散投資するバンガード社ETFの場合、日本の比率は6.0%ですが、25%に高めるという方法もあります。その理由は、日本に住む日本人としては、円を使う可能性が高く、情報も良くとれる日本株式にウエイトを置いて投資することは、自然だからです。

外国株式の地域分散

外国株式を75%まで高めた場合、その75%すべてをアメリカ株式にする考え方と、世界株式に分散させる考え方の二通りあると思います。現在は、マグニフィセント・セブン(Mag7)はアマゾン・ドットコム、アップル、メタ・プラットフォームズ、アルファベット、マイクロソフトのGAFAMと呼ばれる5社にエヌビディアとテスラを加えた7社が脚光を浴びています。

アメリカ株はバブルか?

しかし、本当にバブルなのか、将来発生している利益を早めに反映しているだけで、2~3年後に利益が追い付いてくるかもしれません。例えば8年前にも、アメリカの株価が上昇し、このような高い株価が続くわけはないので用心したほうが良い、という見方が一部のアメリカ経済評論家の中にはありました。しかし、アメリカ企業の成長が株価に追い付いて、妥当な株価とされたこともあります。

インド、東南アジアの経済成長

アメリカ以外で注目すべきなのは、新興国の経済成長です。特に、インド、東南アジアは今後かなりのハイペースで成長すると見込まれていますので、その地域の株式にも投資しておきたいという気持ちはあります。ところが、過去10年以上新興国株式ETFであるVWOは株価が上昇していません。その理由は、2000年代に好調だった中国、ロシアが不調だからです。インドも経済格差、若者の失業率が上昇しているので、今後も今までと同じ成長を続けられるかどうかは不明です。

私は、アメリカ以外の世界の国々に投資しておきたいという考え方をとりました。ただし、単純にVTの比率で保有するのではなく、日本とアメリカの割合を多めにしています。

私の現在のポートフォリオは以下の図のとおりです。

 

  • 日本株式ETF:1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF)) 19%
  • アメリカ株式ETF:SPY  44%、VOO 9%、NISAとDCのうちアメリカ株 7%、合計60%
  • 日米以外の株式ETF:VGK(ヨーロッパ)10%、VWO(新興国)3%、STW(オーストラリア)2%、DC3%合計18%
  • その他3%

将来的には新興国、金を検討

ヨーロッパ、新興国の割合は、VTの地域別割合を参考にしていますが、抑えめにしています。この2地域の株式ETFは株価が上昇しないので、あまり買いたいという気持ちになかなか慣れません。一方で、運用資産が10億円を超えたら、金(ゴールド)のETFも検討したいと思っています。

具体的ETF

今まで、日本株式:外国株式の比率を、50%50%とするパターンと、25%75%とにするパターンを例示しましたが、この二つのパターンに具体的ETFを当てはめてみましょう。

一つ目がポートフォリオAで、1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))50%、VOO(バンガード社のS&P500)50%です。VOOは野村証券では買えますが、大和証券では買えないので、SPYが代替案になるでしょう。

日本株式ETFは1306

日本株式ETFの有力候補としては、TOPIX型と日経平均型がありますが、

  • TOPIXの方が市場の実態をよく表していること
  • 日経平均の信託報酬が高いこと

からTOPIX型を選択しました。その中でも1306は、

  • 日本最大のETFであること
  • 信託報酬が0.065%以下であること

から、有望なETFだと考えます。

少額ならVOOの代わりに1557もある

ここで、購入銘柄を少し工夫してみます。1306は東京証券取引所に上場しているETFなので、一般の個別株式と同様に、売り買いができます。一方、VOOは、アメリカのニューヨークにあるNYSE Arcaに上場されているので、夜間取引になります。具体的には、あらかじめ証券会社に購入を申し込んで、翌日以降に購入することになります。つまり、時間差が少しあって、ひと手間かける必要があります。そこでもっと簡単な方法で買うようにします。VOOと同じくアメリカのS&P500に投資するETFの中で、世界最大のものはSPYですが、このETFは1557というコードで東京証券取引所に上場しているので、この1557を購入すればよいのです。

為替手数料、取引量

1557はSPYと同じ内容ですが、少しだけ違う面がありますので、それを確認しましょう。

① SPYはニューヨークで買うことになりますので、円をドルに変換する必要があります。また、為替手数料もかかります。一方、1557は日本で買うので円のまま買えます。

② SPYは、世界最大のETFですから取引量が非常に多いのですが、日本で1557を買う人はかなり少なく、毎日の取引額は数億円程度です。数年前までは数千万円に過ぎなかったのですが、少し増えたようです。1日に数億円ぐらいしか取引されないと、本来の価格から外れて取引される恐れがありますし、大量に注文、売却することが難しくなります。数百万円までの取引なら問題ないでしょうが、数千万円の取引だと少し心配です。

つまり、少額を簡単に取引したいなら1557を、まとまったお金を取引したいなら、SPYを購入する方が良いと思います。

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