厚切りジェイソンの節約と投資

さっそく読みます。

2022/8/24のYAHOO!JAPANニュースを読んで見ましょう。


僕の生き方、耐えられない人も多いと思いますよ──コツコツ投資を15年、厚切りジェイソンの“ぜいたく”な暮らし

僕の生き方、耐えられない人も多いと思いますよ

若くて元気なうちにFIRE(Financial Independence , Retire Early)、経済的自立をして早期リタイアする人生を、夢想する人は少なくないだろう。

日本のお笑い芸人にも、30代で早々にFIREを成し遂げた人がいる。「Why Japanese people!?」でおなじみの、厚切りジェイソンだ。

富と名声を求め、一発逆転のチャンスとばかりに芸能界を目指す人も多いなかで、ジェイソンのキャリアは異例。名を馳せるきっかけとなった「R-1ぐらんぷり」に出場している頃、彼はすでにコツコツと投資を続け、アメリカのITベンチャー企業で取締役を務めていた。

投資をはじめて15年で、家族の一生分をまかなう資産を築き上げたが、なぜ日本でお笑い芸人を続けているのか。

「それは、ただ楽しいから。この答えでいいんじゃない、だめですか? 確かに、もう正直、働かなくてもいいんですよ。だから、より自由になって、やりたいことが選べるようになった、という感じですけどね」

うらやましい。ついそう漏らすと、目を光らせた。

「どうだろうね、僕の生き方、耐えられない人も多いと思いますよ。全然苦だと感じていないんですけど。僕はお金を使わない。使わなくていいからこそ、こういう状態にある。僕が、節約をして地味に生活をすることに満足できる人だから。FIREとか、資産という言葉に魅力を感じている人って、地味な人生を送りたくないじゃない? 例えば、毎回新しいiPhoneが欲しいとかね、そういう発想だと、お金はたまらないです。世の中の物欲に巻き込まれている人は、そこから抜け出しにくいと思う」 

汗を流した収入でなければ、『下品』みたいな雰囲気はありますよね

とはいえ、まだまだ投資におよび腰な人は少なくない。

「詐欺とかギャンブルとか、そういうものとごちゃ混ぜにして、『投資』自体を誤解するのはどうかと思う。誤解しがちなのはもったいないよね」

日本人の「投資」に対するイメージが、こうした誤解を生み出しているのでは、と指摘する。

「何か、汗を流した収入でなければ、『下品』みたいな雰囲気はありますよね。でも時代は変化している。財産の作り方について考えない人は、これから生き抜いていけない世の中になると思うので、投資は下品うんぬんではなく、自分の生活を守るために不可欠な作業だと思ったっほうがいい。想像しているよりもずっと、地味な作業になるとは思いますけど」

日本各地の学校からも、講演依頼が殺到している。先日は都内の女子校で「お金の授業」を行い、資産形成には早い段階でのライフプランニングが不可欠だと語った。ジェイソン本人が投資をはじめたのは、20代の前半から。アメリカでGEに就職した際、老後の資金をつくるため、インデックスファンドを給与から自動的に割り当てる制度に参加したのがきっかけだ。投資歴は、およそ15年。FIREして、2年になる。

「僕のやっていることは、とっても簡単なこと。支出を減らして、全米インデックスファンドを買うだけ。本も書いたんですけど、言いたいことはたったそれだけだから、一冊にするのはけっこう大変でしたよ(笑)。とにかく、よくある株のイメージで、一晩で数億稼ぐとか、そういうことではまったくない。来週までに億万長者、じゃないんですよ。それは、地味な作業の繰り返し。なかなかきっかけがつかめないという人も、データを使って、シミュレーションをしてみたら、実感するんじゃないかな。つみたてNISAを月々3万円するとか、少しずつ、一生続けられるような投資を、習慣化できるような基礎を固められたらいい」

基本は徒歩、「節約ジェイソン」の「ぜいたく」な暮らし

つつましく、堅実に生活する両親のもとで、ジェイソンは育った。会社員の父親と、専業主婦の母親。母親は割引クーポンをいつも持ち歩き、セールを活用して家計をやりくりしていた。

「お父さんは、『お母さんがそうやって工夫してくれることで、お父さんが稼いだお金の購買力を倍にしている。お母さんは働いていないけれど、同じくらい家計に貢献しているんだよ』と言っていました。節約の大切さ、1ドルの価値について、小学生の頃から考えていましたね。高校生になると、またお父さんが、『仮に1億円の宝くじが当たったとする。全部使い切る人もいるかもしれないけど、代わりに投資をしていたら、例えば、毎年年間600万円の、年収と同じくらいの利益をもらうことができる』という話をしてくれて、資産が継続的な利益を生み出すことは、見えていたと思います」

「厚切りジェイソン」の名前の由来にもなっていた神奈川県厚木市から、数年前に都内へ引っ越した。ジェイソンにとって東京での暮らしは、「便利」の一言に尽きる。

車がなくても、ちょっと歩くだけで、必要なものやサービスが手に入る。いろんな病院も近いし。アメリカじゃありえないことだよね。今日も、ここ(インタビュー会場の港区)まで歩いてきました。45分くらいだったかな。大した距離じゃないですよ。仕事場には徒歩で向かいます。どうしても遠かったら、しょうがなく電車。自分のお金でタクシーに乗ることは、まずないです。僕は基本的に一人が好きですから、散歩をしながら考えごとをするのも楽しい」

いい車、豪邸、ブランド品。多くの資産を持っていながら、そのどれにも興味がないという。食事も、基本的に自宅で。外食はめったにない。

妻は料理が上手で、外食よりおいしいご飯がいっぱい食べられる。高価なワイン? 飲まないね。ベストプライスウイスキーを、4リットル単位で箱買いして、ソーダ割りして飲んでます。旅行も、面倒じゃない? コロナの前は、帰省が旅行がわり。たまにディズニーランドへ行ったり、日帰りで子どもたちとどこかへ行ったすることはあるけどね」

芸人友達、一人もいないです

「日々、周りを見ていると、やりたくもない仕事を夜遅くまでやって、好きでもない相手と飲み会して、『わあ、すごいじゃん』と言わせるために、欲しくもないブランド物を買っている人が多いように思う。無理している感じが、痛々しく見えるというかね。好きなことだけ、やればいいじゃない?」

ならば、ジェイソンにとっての「ぜいたく」とは?

「“ぜいたく”自体の考え方なんですけどね。例えば、3割引きのスイカを冷やして、家族と缶ビールを飲みながら食べることとか、それは結構ぜいたくですよ、お金は全然かからないですけど。物欲は若いときからなかった。ずっと言っているのは、もう欲しいものはすでに全部持っているから、新しく何かこれがないと幸せになれないとか、そういう発想じゃないんですよ」

「お金がなければ生活に満足ができない、そう思っている人は、人と比較してるところが大きいんじゃないかな。僕は、人と比較しない。自分が満足していたら、そんな必要ないから。誰かが持っているものを、自分も持てば満足だ、それは悪循環。結局、満足してないんですよね。次のものを探して。自分の内側から満足できない人は、本当の幸せを生み出すことはできない。そこから、どうやって抜け出せるのかを考えないといけないですよね」

ちゃんと現実を見たら、いい暮らしはできる国だと思いますよ

ジェイソンの現在のお楽しみは、ペットの「ネズミガシラハネナガインコ」との時間。飼い始めて数カ月、家族では彼にだけ懐いているという。

「呼んだら来るように、飛ぶ練習をさせています。僕以外の人は全員噛まれてる。僕だけに愛情を向けてくれると思うと、ちょっとうれしいですよね。それで家族は、猫を飼いました(笑)。相性が良くないから、居住スペースを分けています」

そんなジェイソンにとって、一番の財産とは?また、なぜ今のような成功をつかむことができたと考えているのだろうか。

「財産はまず、物とか、コレクションじゃないです。考え方を大事にしたいというか。考え方と、家族との関係、僕の愛情ですかね。僕の今の生活があるのは、運の良さがあると思う。特に、芸人としての今は、運でしかない。最強ですよ。人生も仕事も、成功はただの運。いろんな種をばらまいて、芽が出始めたら、これを大事にする。機会を逃さないことも、運の強さ。ただ僕の投資法、これはただの運じゃないんですね。投資法自体は本当に地味な作業。期間が長くなると、軌道に乗る。毎日歯を磨く人が虫歯にならないのは、運じゃないですよね。それに近い感じです」

コロナ患者が激増し、不景気、円安にあえぐ日本。日本に暮らし続ける外国人から見て、この国に希望があると思うか?
そう、最後に聞いてみた。

「命がある限り、希望はあるんじゃない? 普通に暮らせたらいいのか、GDP世界一を取り戻したいのか、とかによりますけどね。間違った目標は無理なので、ちゃんと現実を見る。そう考えたときに、いい暮らしはできる国だと思いますよ。ただ、世界一無駄遣いができる国には、もうならないだろうけどね。そういうの、目指さなくてもいいけれど」

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