◎今日のテーマ:平成の財政を振り返り、次の新たな時代に向かう意見募集について
財政制度等審議会の財政制度分科会は、昨年11月20日に「平成31年度予算の編成等に関する建議」をとりまとめ、その中で「平成財政の総括」を行いました。
財政健全化を実現するためには、国民が財政の問題について当事者意識を持って捉え、考えていただくことが必要なので、国民の皆様から財政健全化に向けた意見を募集しています。
建議に対するご意見など平成の財政を振り返るご意見だけでなく、次の新たな時代に向けて国民が考える財政健全化・効率化のアイディア等を募集しています。
現在日本が抱える財政問題は、十数年前に私が自分の資産防衛を真剣に考える契機になった問題です。国民の中でも特に、国・地方の議員、役人、メディアが真剣に考えるべきだと思います。新聞・テレビなどのメディアは、たまに思い出したように、この問題を取り上げますが、将来大きな問題が発生したときに、「わが社は、その危険性を何度も取り上げ、問題提起をしてきた。」という言い訳程度の取り上げ方のように思えます。例えば、すべての新聞が、1面の半分を1か月間にわたり連続して、リスク、想定シナリオ、具体的対応策を掲載すれば、少しはこの問題に目を向け始めることになるのではないでしょうか。
参考までに上記財政制度等審議会(財政制度分科会建議)の建議のうち、総論部分を以下に掲載します。
平成31年度予算の編成等に関する建議(概要) 財政制度等審議会
総論
・ 平成31年度予算編成は、平成最後の予算編成。平成という時代は、少子高齢化で負担先送りの深刻さが増す中、平成当初に脱却した特例公債に大きく依存していることをはじめ、厳しい財政状況を後世に押し付けてしまう格好となっている(「共有地」の悲劇)。
・ 平成は、税財政運営が受益の拡大と負担の軽減・先送りを求める圧力に抗えなかった時代。受益と負担の乖離は、国民が財政を自らの問題と受け止めることを困難にしたおそれ。
・ 新たな時代では、財政健全化どころか一段と財政を悪化させてしまった過ちを繰り返さないようにする必要。 2025年度の国・地方PBの黒字化は背水の陣。「新経済・財政再生計画」の今後3年間(基盤強化期間)の歳出規律を遵守する必要があり、平成31年度予算が新たな時代の幕開けにふさわしい予算となることを期待。
・ 財政健全化に国民の理解を得るには、エビデンスに基づく政策立案を推進すべき。現在の世代の納税者の代理人そして将来世代を負担の先送りによってもたらされる悲劇から守る代理人としての役割を果たすため、当審議会は、発信力の強化などを含め、自らの在り方も改革。