◎今日のテーマ:ジョン・C・ボーグル氏死去
バンガード・グループの創業者であるジョン・C・ボーグル氏が16日、死去しました。
バンガード社設立
ボーグル氏は、1974年、バンガード社を設立しました。私の保有するVOO、VGK、VWOはすべてバンガード社のETFです。1976年、ボーグルはノーベル経済学賞受賞社のポール・サミュエルソンの仕事の影響を受けて、最初のインデックスファンドを発売しました。サミュエルソンは2005年のスピーチで、「ボーグルのこの発明は、車輪、アルファベット、グーテンベルグの印刷機と並び称せられるべきものだ。」と述べています。
ウォーレン・バフェットも称賛
アメリカの大富豪で著名な投資家であるウォーレン・バフェットは、自己の投資会社であるバークシャー・ハザウェイの株主総会で、ボーグル氏を「私が知っている誰よりもアメリカの投資家に貢献した人物」と紹介した。
低減させたコストすべて投資家に還元
ニューヨーク・タイムズ紙の推計によると、ボーグル氏の財産は約80億円で、ウォーレン・バフェットの1000分の1しかない。一方で、バンガード社は徹底したコスト削減で、投資家にその経費を還元している。例えば、VOOなどのETFの運用管理費用(信託報酬)は0.04%であり、常に業界の最低水準を実現している。モーニングスターによると、アメリカのミューチュアル・ファンドの平均に比べて1年間で2兆円も投資家にとって節約となっている。私自身も、現在3200万円ほどのバンガード社ETFを保有しているので、年間数千円の恩恵を受けているようです。
経済評論家の山崎元氏も投資の世界で「最も偉い人」に選出
山崎氏が選ぶ、投資の偉人ナンバーワンは、ジョン・C・ボーグルで、次点に、ウォーレン・バフェットをあげています。ボーグルがインデックスファンドを作るにようになったのは、「たまたま」だったそうですが、その後この商品分野を追求することによって、投資家に大きな恩恵を与えることができました。その結果、投資に強くない人でも、有利で分かりやすい運用を(アクティブ運用よりもインデックス運用の方が平均的な成績がいい)、安価な手数料で利用できるようになりました。
アクティファンドの92%はインデックスファンドに負けた
S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズの調べによると、2018年6月までの15年間に米国の大型株で運用するアクティブ型の92%が、S&P500種株価指数の運用利回りを下回った。「運用コストが高くても優秀な投資家であれば市場平均を上回れると言っていたのは過去の話だ」とボーグルは語っています。
ボーグルは投資家にとっての基本的なルールを8個にまとめています。
- 低コストのファンドを選ぶ
- アドバイスの追加コストを慎重に検討する(長期投資では、わずかなアドバイス料も嵩んでくる。)
- 過去のファンドの成績を過大評価しない(過去の成績で将来を予測することはできない)
- 過去の成績を使って一貫性とリスクを決定する(過去の成績は当てにはならないが、勉強の材料とすべきだ。)
- スターに用心(スター的存在としてのファンドマネージャー、ファンドを選択する際のスターの数によるランク付け等は当てにしない)
- 資産規模に用心(過去におけるファンドの償還履歴のある会社、永遠に成長するように見えるようなファンド)
- 余りに多くのファンドを持たない
- Buy and Hold(長期投資では、慎重に選んだあとは持ち続ける)