投資信託の日米コスト比較2

(昨日の続きです。)

◎今日のテーマ:投資信託の日米コスト比較2

なぜ、日本では高コストのアクティブファンドばかりが売れて、低コストのインデックスファンドがあまり売れないのでしょうか。その理由を、昨日に続いて述べます。

⑤ 独立系投資アドバイザー(IFA)

日本のファイナンシャルプランナーは、独立系が少なく、身近な存在ではありませんが、アメリカではかなりの存在感があります。IFAは顧客の運用資産から一定率の報酬を受けていて、低コストの投信を勧めます。つまり、野村證券、大和証券のような対面証券、メガバンク等の銀行は、自分たちの儲けになる高コストの投資信託を勧めますが、アメリカではIFAが低コストのインデックスファンドを勧めるのです。日本では、どのように資産運用してよいか分からない個人投資家向けに、ラップ口座がありますが、これはラップ口座自体のコストが高い上に、高コストのアクティブファンドを組み合わせる恐れがありますので、ラップのトラップにかからないように用心したいものです。

⑥ バブル後のデフレ

株式への恐怖心とデフレ下の銀行預金

日本においては、1989年の資産バブルとその破裂によって、株式は怖いものだと多くの人が思うようになりました。加えて、その後の長引くデフレによって、銀行預金にしておけば、名目金利は低くともデフレによって実質金利がある程度獲得できる時期が続きました。私の連れ合いも、その時期が20年もありました。

インフレ期にはどうすべきか

このため、デフレの期間が終わり、これからはインフレに移ると言われても、何をして良いか分からない状態の人が多いのだろうと思います。親に聞いても分からない、友人も会社の同僚も資産運用の経験がない状況です。また、もし、資産運用の経験があっても、現在の個人投資家はアクティファンドを購入している人が多いので、当てにはなりません。私も普段の雑談の中で、友人や親戚から「株はやった方が良いのかな?」「どう運用すれば良いのか」と雑談の中で話題を向けられることがあります。

銘柄選択の後は持ち続ける

しかし、断片的な知識や結論だけを言うことが適切かどうかを迷うことがあります。例えば、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)、VOO(バンガード社のS&P500のETF)を3分の1ずつ、野村證券で買って10年間売らずに持っていれば、高い確率で運用がうまくいく可能性があります。しかし、もし日米の株式相場が下落して3年経つと、人によっては辛抱できずに損切りしてしまう可能性があります。そうすると、「私のアドバイス通りやったら損をした」ということになる恐れがあります。

日本人には成功体験が必要

日本人にはバブル破裂の後遺症があって、株や投資信託はうまくいかないのではないかという不信感が強いようです。それに比べて、アメリカでは1980年以降30年にわたって、平均年率10%近いリターンを獲得できています。アメリカ人の場合、株は持ち続けていれば、うまくいくと思っているようです。

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