投資信託の日米コスト比較1

◎今日のテーマ:投資信託の日米コスト比較1

日本とアメリカの投資信託の保有コスト(信託報酬)はとても大きな差があります。

このグラフは、資金流入上位30投信の、運用管理費用(信託報酬)です。日本は、2008年1.3%から2018年1.4%に上昇しましたが、アメリカは0.6%から0.3%に減少しました。このブログでも、繰り返しご説明しているように、日本ではアクティブファンドの売れ行きが良く、コストの低いインデックスファンドの人気は芳しくありません。とても残念なことですが、その理由は何なのでしょうか。なお、ETFはインデックスファンドの一つです。

① 営業力

日本では、証券会社や銀行の営業力が非常に強く、そこでは、個人投資家に対してアクティブファンドを強くプッシュするのが実態です。このため、インデックスファンドを勧めずに売買手数料と運用管理費用(信託報酬)の高いアクティブファンドを売るのです。

② メディア

証券会社等の金融機関は、新聞、雑誌にたくさんの広告を載せています。その結果、広告主に忖度して、コストの低いインデックスファンドを記事にする機会は少ないようです。新聞、雑誌の顧客は、購読者や個人投資家ではなく、証券会社なのです。

③ 確定拠出年金のデフォルト

米国ではDC経由での資金流入が6割ですが、そのデフォルト(初期設定)が低コストのインデックスファンドになっているのです。それでは、そのデフォルトを日本で高コストにしているのは誰なのでしょうか。DCの仕組みを作っているのは、それぞれのDCを設定している企業です。それぞれの企業は、銀行、証券会社、保険会社を運営管理機関として指名します。これらのDC用商品には低コストの商品がほとんどありません。しかも、デフォルトを銀行預金として設定するので、どの商品にすべきかを悩んだ人は銀行預金のままにしてしまうのです。その結果、日本人の9割はDCの運用商品として銀行預金を選んでしまいます。DCを導入している会社で、デフォルトを決定するはその会社の人事部門と労働組合が協議して行うのですが、両社とも損失を出して社員からクレームを受けたくないので、銀行預金をデフォルトに設定するのです。

④ 対面証券会社、銀行には低コストのインデックスファンドがない

野村證券には、課税されないDC用、つみたてNISA用の低コストのインデックスファンドがあり、0.2%程度ですが、課税される特定口座用には0.2%の商品はありません。そのような低コストの商品を品揃えするとそこに他の商品から、大量に資金が移転することを恐れているのでしょう。このため、個人投資家は野村證券のような対面証券会社ではなく、SBI証券や楽天証券に口座を開設しなければ、低コストのインデックスファンドを購入することができません。私は30年以上野村證券に口座を持っていて、ETFを中心に運用しているので、大きな不満はありませんが、若い人を中心に今後はネット証券が更に成長するでしょう。そうすれば、低コストのインデックスファンドの割合も増えていくと思われます。

(明日に続く)

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