警戒すべき投資信託2

◎今日のテーマ:警戒すべき投資信託2

週刊東洋経済が初心者が、買ってはいけない「5つの投資信託」の記事を掲載しました。その5つの投資信託を検討してみようと思います。今日は、その2です。

ファンドラップ

「ファンドラップとは、ある程度まとまった資金を預けたうえで、証券会社や信託銀行などに投資信託の運用を一任するサービスです。資金を預けた先の金融機関が購入者の代わりに複数の投資信託を購入します。」

① ラップのコストが高い

金融レポート

平成 27 事務年度の金融レポート(平成 28 年9月 金融庁)によると、「ファンドラップを提供する金融機関は、顧客の目標とする利回りやリスク許容度等を聴取した上で、運用のプロが、それに沿った資産配分や商品選択、配分見直し等を行っており、その対価として、資産残高に応じて投資一任報酬を徴収している。これ以外にファンドラップで運用する投資信託の信託報酬等がかかるため、投資家が支払う手数料は、主なファンドラップ商品の平均で、年間 2.2%に達する。一方、一般の投資信託の場合、初年度に平均3%程度の販売手数料がかかるものの、毎年支払う手数料(信託報酬等)は平均 1.5%程度となっている。 」と指摘しています。

買いっぱなしなら低コスト

長期投資の基本は、Buy and Hold (買いっぱなし)ですから、毎年、あるいは適時に売り買いをする必要はあまりありません。売り買いをする必要がない資産を売り買いした上に、手数料まで支払必要ないのです。それを、金融庁が問題視しているわけです。

② コストがダブル

上記金融庁の詞的にもあった通り、ファンドラップの手数料と、それによって運用する投資信託の手数料を払うことになります。つまり、ダブルでコストが発生しているのです。例えば、アメリカの投資家で、9兆円の資産家であるウォーレンバフェットは、本人が死亡した後の相続財産運用は、「S&P500ETFで9割、米国政府短期証券で残り1割を運用する」ことを勧めています。これにかかるコストは、S&P500ETFの信託報酬0.03%だけです。上記①で記述した3%の100分の1しかかかりません。つまり、ファンドラップは必要ないということなのではないでしょうか。

③ 投資信託同士がダブる

私が三菱UFJ銀行を訪問(三菱UFJ銀行訪問記2:ラップファンド)したとき、パソコンに向かって、条件を入力した後、ちらっと運用する投資信託をこちらに見せました。それはほとんどがアクティブファンドで、そのファンドで運用する株式は、重複している可能性が高いのです。その結果、同じ銘柄を、一方のファンドでは買い、他方のファンドでは売ることがあります。そうすると何もしないときに比べると、売買手数料だけ余計にかかってしまうのです。顧客が損をして金融機関だけが儲かるということです。その弊害をなくすには、地域別にファンドを1本ずつ買うことも効率的な方法です。例えば、日本と外国のインデックスファンドを1本ずつ買えばいいのです。ウォーレン・バフェットが言うように、アクティブファンドはインデックスファンドにはなかなか勝てないのです。

④ 運用内容が分からない

ファンドラップは運用を全面的に金融機関に任せるので、運用内容が分かりません。運用が分からない上に、コストだけはたくさんかかるような商品を持ちたいと思うのでしょうか。

⑤ 対面証券会社が全面広告

数年前、まだ金融庁がファンドラップを問題視する間に、ある対面証券会社が経済紙の全面広告でファンドラップの広告をしていました。そこに登場したのは、経済関係のテレビ番組の女性有名キャスターでした。このような全面広告は、毎月分配型のグロソブ以来だとの印象を受けました。多額の広告宣伝費を払うには、大きな利益を得なければならず、それを負担するのは金融機関ではなく、それを利用する個人投資家です。立派な広告宣伝には警戒すべきだと思います。

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