2020年度 与党税制改正大綱

イデコとNISA

2020年の与党税制大綱が発表されました。今年は6月に「老後2000万円不足問題」が発生して、iDeCoイデコやつみたてNISAが脚光を浴びました。現行イデコの改正の概要は、次の表の通りです。

イデコの比較表

項目 現行イデコ(iDeCo) 新イデコ(iDeCo)
企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金(iDeCo)との併用 難しい 合計の掛け金が5.5万円の範囲で併用可能
加入年齢 20~59歳 20~64歳
受取開始時期 60~70歳 70歳以降も可能
iDeCoプラスを使える企業 従業員100人以下 従業員300人以下

イデコを利用できないという問題

確定拠出年金には、企業型と個人型(イデコ)の2種類があります。現在の問題点は、会社の実施している企業型に加入すると、労使協定がない限り個人型には加入できないことです。そこで、改正後は、労使協定がなくても、掛金合計が5.5万円までイデコを利用できるとするものです。

64歳まで利用可能

加入年齢についても、今までは59歳まででしたが64歳までに延長されました。この改正によって、63歳や64歳の人は加入できるのですが、管理費用を取られますから、あまり少額をかけても、かえって損をするかもしれません。例えば20歳代、30歳代の人であれば、今後30年間、40年間積み立てることができますから、積立金は結構な金額になります。その運用益で管理費用を十分に賄うことが可能ですが、60歳代の人であれば、運営管理機関の経費を賄えないかも知れません。事前によく確認した方が良いでしょう。私の連れ合いは、還暦を過ぎていますので、iDeCo加入を勧めるつもりはありません。

受取開始時期をできるだけ遅らせる

受取開始時期は、60~70歳だったのですが、70歳以降も可能になります。外国株式のインデックスファンドなどで運用した場合、期待リターンは年率6%程度ですから、できるだけ長期間イデコで運用した方が有利です。私は、現在60歳代半ばで、イデコ(私の場合、正確には企業型確定拠出年金DC)を受け取ることができますが、まだ受け取っていません。70歳になってから受け取ろうと考えていましたが、それが延長になるなら、最大限受け取り開始時期を後送りしようと思います。私の企業型確定拠出年金は、元本が600万円でしたが、現在は1300万円まで増えています。その理由はリターンの高い外国株式インデックスファンドで全額を運用しているからです。

イデコプラス

中小企業の中には自前の企業年金制度がないところがあります。その場合、従業員のイデコ掛け金の一部を企業が負担できる制度があります。それを「イデコプラス」と言います。現在は100人以下ですが、それを300人以下に拡大することになります。

NISA

ジュニアNISAは終了

NISAは、値上がりと配当について非課税となる制度です。NISAには、現在、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類がありますが、そのうち、ジュニアNISAが23年までで終了になります。口座数は32万しかなく、他の2つのNISAに比べると利用者が少なかったと言えます。

一般NISA

一般NISAは年間120万円を上限に5年間投資できます。私は1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)を買って利用しました。そして、生活費に補充するために売却しています。従って長期の資産形成という本来の投資方法とはなっていません。また、一般的にも、短期の売買に使われがちなので、問題のある制度でした。ETFで儲けようと思ったのではなく、生活費補填のために売却したのです。残りは120万円しかありませんが、来年早々に住宅の補修のために売却することになりそうです。

NISAの新制度

NISAの新制度は、新NISAは2階建てにして、1階を低リスクの投資信託による「積立部分」と、2階を上場株式など現行NISAと同じ商品に投資できる「投資部分」に分けることにしました。1階の「積立部分」を使った人だけ、2階の「投資部分」を使える仕組みです。

5年で610万円

1階部分は20万円、2階部分は102万円、合計で122万円。5年間合計610万円になります。

つみたてNISAは2042年まで

つみたてNISAについては、現在投資期限が2037年まででしたが、5年間延長して2042年までになります。つみたてNISAについては、適用商品に関するハードルを高くしたため、消費者にとって優良な商品に絞ることができたと思います。しかも、つみたてNISAの制度開始とともに、SBI証券などのネット証券のみならず、野村證券などの対面証券も低コストの商品を出して競争したのは金融庁の素晴らしい功績だったと思います。

新NISA制度で気になる所

新NISAについて気になる所がいくつかあります。1階部分を20万円としているのですが、毎月積み立ての場合12か月で割り切れませんから、余りが出ます。その余りはどうなるのでしょうか。現在もつみたてNISAの年間限度額が40万円なので12か月で割り切れず、野村證券を利用している人は全額を利用できません。SBI証券は余りの部分を最終月に加算できるので40万円を使いきれます。2階部分が102万円となっているのですが、この2万円は何でしょうか。

利用する商品は外国株式インデックスファンド

ところで、制度が変わった後は、どのように利用すべきかです。イデコNISAを利用するときに、その制度の中だけで考えてしまう人がいます。例えば、イデコもつみたてNISAもバランスファンドを利用する方法です。老後に使える原資は、iDeCoだけではありません。他にも、現金、預金、国債、厚生年金があります。全体の資産や収入の中で、イデコをどう利用するのが有効かを考えるべきです。私は最初から全額を外国株式インデックスファンドで運用しました。そのおかげで、投資から20年弱で600万円の原資が2倍以上の1300万円になりました。日本人は銀行預金が好きですが、20年前に銀行預金を選んだ人(全社員の90%)は今でも原資の金額のままです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です