チップは20%
アメリカに行って迷うのは、チップをいくら置けばいいかということです。数十年前は10%と相場が決まっていましたが、現在はレストランで15~20%に値上がりしているようです。ウェイターで学費を火星いでいる大学生が、学資ローンで苦しんでいるという話を聞くと、ちゃんと払わなければという気持ちにもなります。保育園の先生、郵便局局員、ごみ回収の職員にもチップを払っている人もいます。一方、ニュージーランド、オーストラリアでは、チップは不要です。
アメリカの出張や旅行した時の参考になるように、新聞記事を元に勉強しましょう。2019年12月21日USA TODAYの記事の拙訳です。
チップ:
アメリカ人はサービスをしてくれる人にあまりチップを払っていない
レストランでサービスしてくれる人にはチップを払うのが習わしですが、他の状況で少しだけ施すのはどうでしょうか。年末年始のホリデーは普段よりも、まごついたり不安になったりする問題です。
クレジットカード・ドットコムの最近の2500人による消費者調査によると、ホリデーにサービスを提供してくれた人にアメリカ人は余りチップを払っていません。チップを払わない割合は、保育園の先生や児童保育施設に対して60%、郵便配達員60%、ごみ収集員70%です。
「もし彼らが1年を通じて助けてくれるなら、チップをあげることは良いことです」とクレジット・カード・ドットコムの産業アナリストであるテッド・ロスマンは言います。
チップを払わないことがあるとしても、あなたが悪いのではないかも必ずしも知れません。感謝のしるしに関する社会基準を知らないような人が多いのです。
例えば、ロスマンがキャンプ・カウンセラーとして働いていた時、夏の終わりに親たちは彼にチップをくれたと言います。でも、彼自身の親は、それが慣習だとは知らなかったのでチップをあげませんでした。
「うかつにもけちな人になってしまった。」と彼は思い出します。
『チップが忍び寄る』
チップの基準は経済の動きにつれて、急速に変化すると、スティーブ・ドゥブラニカは言います。彼は「無知なチップを支払う人がチップの第一人者になるための探求」の著者で、以前ウェイターをしていました。
アプリで支払ったり、スマホ出現以前はなかった一時的な低コストの仕事が増加したため、チップを置くことは広がりを見せている、と彼は言います。その上、収入も良くなく恩恵もなさそうな仕事で苦労している労働者がたくさんいるので、ますますチップに頼ることになる、とドゥブラニカは言います。
そういうことで、レストラン、コーヒー・ショップ、タクシー、自動車サービスで「チップの忍び寄り」は起きているのかも知れません。10年前、標準的なチップは15%でしたが、今はチップの基礎部分は20%だと考えられている、と彼は言います。
雇用主が労働者にもっと払えばよいと信じているために、チップに関して冷たい態度をとる消費者は、雇用主でなく労働者を傷つけているだけだと彼は付け加えます。「『私はチップを払わない』と言うことのある人々は、目の前にいる人の現実を拒絶している。」
誰にいくらチップを払うべきか?
そんな風に考えると、ホリデーにチップを払わないことは「ひどいことだ」とドゥブラニカは言います。チップを払うことは「あなたは価値がある」と認めたということなんです。
普段はチップを受け取らず、一年中サービスを提供してくれる労働者は、ホリデーの時には報酬を受けても良いだろう、と彼は付け加えます。例えば、雑用係、庭師、犬の散歩をしてくれる人、ベビーシッターは、ホリデーの時期にチップを受け取っても良い人の中に入るでしょう。
こういった労働者に対し、一つのサービスコストに見合ったチップを与えてください。つまり、もしあなたが1セッション75ドルの料金を払う個人トレーナーがいたら、ホリデー前に追加で75ドルのチップをそのトレーナーに払ってください。
そして、美容師のようなチップをもらう働き手やお気に入りのバーテンダーは、ホリデーには少しの追加チップをもらっても良いでしょう。美容師はひとつのサービスに対するコスト分のチップを受けるべきです。お気に入りのバーテンダーやウェイターは、ホリデーの食事やドリンクの価格の40%くらいの気前良いチップをもらうべきです、とドゥブラニカは言います。
チップをあげにくくい時
チップをあげにくい時が、ままあります。郵便局配達人が政府職員だと、現金やギフトカードを受け取ることを許されていません。そして郵便規則によると、贈り物は20ドル未満でなければなりません。
食べ物、手作りの物、手書きのメモは、郵便配達員にとって心のこもったホリデー・ギフトになるでしょう、とクレジットカーズ・ドットコムのロスマンは言います。彼は今月初めにフェースブックへ投稿された口コミ動画を指さしました。そこには、彼のために置かれたソーダとスナック菓子の籠に、配達運転手が反応している様子が映っていました。
「彼はありがたがり、感謝し、驚いていました。」とロスマンは言います。
先生に心づけをするのは、特にティーンのいる家族にとって難しいのです。というのは、評価を良くしてもらったり、大学への推薦のために、教師に対する賄賂と見られたくないからだ、とロスマンは言います。しかし、カード、食べ物、寸志なら、倫理的一線を越えずに受け取ってくれるかもしれません。
たとえそうであっても、チップは社会基準に基づくものですから、グレーなエリアはたくさんあります。
ドゥブラニカは、自分が作った大まかやり方を行動規範としていると言います。「もしそれがあなただったら、どう思いますか?」というものです。