ハイパーインフレになるのか

資産防衛策

将来政府負債残高が原因でハイパーインフレ、あるいはそこまでは行かなくとも、大幅インフレになる可能性が高く、そのための防衛策として、私は金融資産を外貨ETF・インデックスファンドで保有しています。

大地震

しかし、ハイパーインフレ等の兆しはいっこうにありません。私は以前おおざっぱな計算をしたところ十数年後にそのようになる可能性があると書きました。ただし、それまでに、首都直下型や東南海地震等の大災害があれば、それが引き金になってハイパーインフレが突然起きるかもしれません。

佐々木融氏

現状について、専門家はどう考えているのでしょうか。佐々木融が最近、円について書いた記事があるのでご紹介します。

「円は先行き不透明感が強まると買われることから、しばしば「安全通貨」と呼ばれる。しかし、そもそも円がこうした動きをする理由は、「安全通貨」として選ばれて買われていたわけではなく、元々売られていた円が買い戻されていたからである。

市場参加者は通常、リスクテイク志向が強い時に、低金利通貨である円を売る一方、高金利通貨を買うことによって金利差を稼ぐキャリートレードを活発に行う。しかし、地政学的リスクの顕現化などを受けて、先行き不透明感が強まり、投資家のリスク回避志向が強まると、投資家はポジションを閉じる必要に迫られるため、買っていた高金利通貨を売り戻し、売っていた円を買い戻すという行動に出る。

これが、円が「安全通貨」のように買い戻される理由である。ちなみに、かつて「有事のドル買い」と呼ばれたのも同じメカニズムだ。

つまり、円は先行き見通しが明るいと見られているときに余計に売られるので、先行き不透明感が強まるとその分、余計に買い戻される結果、動きが大きくなっていた。

しかし、ここ数年は、次の3つの理由から先行き見通しが明るいときでも円が売られなくなっている。

1つ目は、海外勢を中心に円が実質的に歴史的割安水準にあるという認識が強まり、現状レベルから円を売ることをちゅうちょする市場参加者が増えていること。

2つ目は、そもそも他の国も低金利になっていることから、高金利通貨と呼べる通貨がなくなり、キャリートレードが活発に行われなくなっていること。

3つ目は、円よりもユーロの方が低金利になっており、キャリートレードを行うとしても、円ではなく、ユーロを売る市場参加者が増えていることだ。

こうした結果、余計に売られなくなった円は、余計に買い戻されることもなく、円の動きが小さくなっていると考えられる。

このほか、日銀の大規模金融緩和政策などを背景に、日本の企業・投資家による対外投資が活発化していることも円の動きを小さくしている。先行き不透明感が強まったときに、これまでのように円が買われても、日本の企業や投資家が、それを好機と捉えて積極的に円を売り、対外投資を行うため、円高の動きが限定的となるのである。」

この記事は最近の円の動きを納得できる理屈で解説していると思います。私は2012年頃に、佐々木氏の為替に関する著書を読んで、自分の資産を外貨に換える判断をしました。それは日経プレミアシリーズ「弱い日本の強い円 」という本でした。この本はデータを駆使して分かりやすくドルと円の動きを説明しています。そこから導いた結論は、米ドルMMFを10年間持ち続ければ、多少の為替変動リスクにも耐えられ、資産分散を図ることができるということでした。現在私の資産の7割近くは、更に進んで外貨ETFを中心とした外貨資産になっています。

今後、円安になるのでしょうか。

引き続き佐々木氏の記事を引用しましょう。

「仮に今後、世界経済が深刻なリセッションに陥り、日本の企業・投資家が海外資産を売却して国内に資金を還流させなければならないような事態となれば、大幅な円高となるリスクがある。

それでも、以前とは異なり、国内に資金を戻すことを考えるハードルはかなり高くなったい可能性がある。なぜなら、結局はリターンが得られる投資先がないからである。

筆者は、今後、ドル/円相場が予想以上の大幅な動きを見せるとき、それは円高方向ではなく、円安方向になる可能性の方が高いのではないかと考えている。

日本は、日銀の金融緩和政策に頼り過ぎた結果、緩和余地がほとんどなくなっている。次に世界経済が深刻な後退局面を迎えたときには、恐らく財政支出に頼らざるを得なくなるだろう。もし、政府が、日本の企業や投資家よりも先に景気後退の恐怖に耐えられなくなり、財政支出を大幅に拡大し、大盤振る舞いを始めたとき時、それに気が付いた企業や投資家は、海外への投資資金を日本に戻すことをしないかもしれない。

無尽蔵に財政支出を拡大して、日本に住む人々の手元に節操なく紙幣が配られるような状況となれば、円の根本的な価値は低下する。日銀の量的緩和政策は金融機関が保有する債券と現金を交換しているだけなので、紙幣が配られていたわけではない。日銀の量的緩和政策のお陰で、何の対価もなく日銀から現金を供給され、手元のお金が増え、もうかったという話は聞いたことがないだろう。

一方で、政府は財政支出を通じて何の対価もなく国民に紙幣を配ることができる。しかも、日銀が国債を大量に購入している現状では、より容易に実行できる。

この結果、深刻な世界経済の後退というリスクオフ状態になっても円が買われず、逆に円が一段と売られ、価値が大きく低下することがあるかもしれない。ドル/円相場はたかだか約70─80年前に、現在と似たような経験を通じて、1ドル4円台から360円に急上昇している。

以上が佐々木氏の考えです。

今後の財政赤字拡大はどうなるのでしょうか。

財政健全化の指標となる国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)に関し、現状維持のシナリオでは2025年にマイナス8.2兆円で、その後も同程度の赤字が進む見通しです。安倍首相は「今後10年は消費税を上げる必要がない」と発言していますが、今から10年後は安倍首相も、主要閣僚もすべて第一線から退いているでしょう。しかし、国民の生活は10年後も20年後も30年後も続きます。その時に政府は国民の財産を守ってくれるのでしょうか。自分の財産は自分で守るしかないと思います。

図・財政の現状を示す。政策的経費をまかなうために、税収では足りない分を借金している(PB赤字)

財務省の説明:我が国の2019年度の一般会計予算で考えてみると、「政策的経費」とは、「予算はどのような分野に使われているのか」掲載の歳出総額から国債費を除いた77.9兆円、「税収等」とは、「財政はどのくらい借金に依存しているのか」掲載の歳入総額から公債金を除いた68.8兆円であり、PBは9.2兆円の赤字になっています。

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