新型コロナウイルスと教育資金

アメリカの教育資金

株式市場は、新型コロナウイルスの影響で急落し、その後回復しつつあります。個人資産、年金資産だけでなく、アメリカの大学に通うための金融資産も被害を受けたようです。その状況を2020年5月29日のニューヨーク・タイムスの記事をもとに参考にしたいと思います。以下は拙訳です。

株式市場の騒動で529大学教育費預金計画口座に大打撃

モーニングスターの分析によると、小さい子供のいる家庭で、株式に重点を置いた年令別投資を選んだものほど、特に大打撃を受けたことが分かりました。

家族は、パンデミック後に大学がどのようになるだろうかと考えています。ウイルスが引き起こした株式市場騒動が、529大学教育費預金プラン口座(金融機関が特定の口座を提供、そこから引き出したお金を教育費に使えば税金がかからない。)に与えた影響を考慮した後、大学教育にかかる費用も再考するかもしれません。

調査会社であるモーニングスターの新たなレポートによると、この口座に対する株式市場変動の衝撃は、学生の年齢や投資のタイプによるとしている。多くの家庭は、プリセットされた投資ポートフォリオを、税制優遇された529大学教育費預金プラン口座に適用していて、大学生になる年齢が近づくにつれ、そのポートフォリオが変わるのです。初めは株式に重点を置いた投資で、潜在的に大きなリターンを利用するのです。大学が近づくにつれ、債券や現金など、安定度の高い証券に時間をかけて移行していくのです。

今年の1~3月は、年齢に対応したり、ターゲット・デイトのポートフォリオは、マーケットと一緒に下落したとモーニングスターは見ています。四半期の損失は4歳以下の子供を対象としたポートフォリオでは、平均して19%もの損失でしたが、今年、来年に大学に進むであろう17、18歳の学生のポートフォリオは、平均で5%未満の損失でした。(モーニングスターが世界の株式市場指標と比較したところ、MSCI ACWIインデックスの第1四半期は21.4パーセントの損失でした。)

このレポートはほとんどの州のプランをカバーしていますが、リターンを分析しておらず、また、詳細なプラン手数料も表示していません。ただし、全体としての手数料は落ちたとしています。

損失は甚大なものに名かも知れませんが、大学が近づいている学生にとって比較的弱い下落だったので、年齢に基づいた529プランのポートフォリオはかなり持ちこたえている、とモーニング・スターのアナリストであるマデリン・ヒュームは言います。全体として、このプランは「期待通りの働きをした。」と彼女は言いました。

529プラン勘定の残高が50,000ドル大学入学試験協会によれば、4年生私立大学の1年分の授業料、手数料、生活費)の家計にとって、10代後半の人に対するの平均損失は2,100ドル程度ですが、個人のポートフォリオにとってはもっと大きな損失も発生しました。

しかし、「十分に分散された」証券でも、年齢によるポートフォリオは想定していたよりも「大きな下落を被った」と、レポートは述べています。ただ一つのポートフォリオ・タイプ(既に大学に入学した学生向け)だけが想定通りの損失となりましたが、それはポートフォリオの株式の割合によるものです。

リポートによると、巨額の損失は、ポートフォリオを構成する基本的ファンドの実績が「残念な」結果に終わったためであるとしています。手数料のせいでリターンは減少し、「リスクの高い」タイプの債券に投資したために、高品質の証券と相殺することになりました。

「現実は研究が予測するよりも少しだけひどい結果になる」とヒューム女史は言います。小さい子供のいる家族は、大学の授業料を払い始めなければならなくなるまでに、何年もかけて損失を取り戻さなければなりませんが、年齢の高いティーネイジャーだと間に合いません。レポートによると、18歳が第1四半期の損失を取り戻すには、平均で3.5%のリターンが必要です。年齢によるプランの過去9年間のリターンに基づくと、1年未満で達成するには、「非現実的なゴールではない」と、モーニングスターは言います。マーケットの4月の回復のおかげで、18歳の平均は2.8%を取り戻しました。

「概して、大学のために貯蓄している人にとって、第1四半期は大損害とはとても言えないものだ」とヒュームさんは言います。

もちろん、ウイルスが原因となる経済の不確実性は、継続するのですから、強いリターンは不確実です。そうであれば、家族はどうすべきでしょうか。

投資をしなければ、家族が大学のためのお金を十分に貯えるたり、必要な学生ローンを避けることは難しいのです。賃金上昇が止まっている中で、4年制大学のコストが膨らむにつれ、家族は529プランに頼って来ました。この口座に預けたお金は無税で増加し、引き出し、授業料、住宅、食事計画、本、設備など、適格な費用として使う時には無税となります。最近の法律によって、幼稚園から12年生に至るまでの私立学校の支払いが可能になり、制限はありますが学生ローン支払いに充てられます。つみたてに関し、連邦税控除はありませんが、週によっては税額控除があります。

以上が拙訳でした。日本には、このような制度がありませんから、つみたてNISAなどを利用して、子供の教育費に備えるしかありません。なお、大学4年間の学費で済めばよいのですが、大学受験浪人、留年、大学院、海外留学などの準備もしておいた方が良いと思います。

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