子供に関する心配
子供を持つと、楽しさ、うれしさ、心配、問題が次から次へと押し寄せてきます。小学生までの心配事は、
- 無事に生まれてほしい
- 元気に育ってほしい
- 病気に打ち勝ってほしい
- 大けがをしないでほしい
- 学校に楽しく通ってほしい
- いじめられたり、いじめることがない生活をしてほしい
- 塾やスポーツクラブにお金がかかる
ですが、中学、高校になると受験を心配するようになります。その後、とりあえず就職が決まれば、金銭面に関しては親の心配は、ぐっと少なくなりますが、私の周りでも、なかなか思い通りの就職ができない子供を持つ親が、結構多いのです。
親が上手く行っても子供は・・・?
以下の3人は、父親が全員東大卒のケースです。
ケース1:就職時に、ちょうど就職氷河期にあたってしまい、30歳代になっても契約社員のままです。政府や自治体が、就職氷河期の人たちを正規雇用に結びつけようと努力していますが、それで救えるのは、ほんのわずかしかなさそうです。
ケース2:中学校は中レベルの進学校に入りましたが、少しずつ成績が落ちてきて、やる気も無くなってしまいました。25歳を過ぎても職に就かず、本人が少し興味のあるデザインの専門学校に入り直そうか、悩んでします。
ケース3:子供も市立有名大学を出ましたが、就職せずに、いわゆるニートのままです。
この3人のケースでは、親は東大を卒業して、自分は立派に就職した後、サラリーマン人生も成功した人たちですが、子供は、そのような人生を歩めていない状況です。親は、いつまでも子供の心配をするものですが、就職した後も、やはり、心配の種は尽きないようです。
子供が、会社を解雇になったら、どうすればよいのでしょうか。アメリカでも親は心配をしています。2020年8月2日のUSA TODAYの記事をもとに考えてみましょう。以下は拙訳です。
もし、あなたのお子さんがレイ・オフされ、請求書を支払えなくなったら、どう対処すべきでしょうか?
私の40歳になる息子は4月にレイ・オフされ、まだ再就職していません。失業手当は期限切れになりそうで、お金がありません。今後アパートの家賃を支払うことができそうにありません。子供の代わりに家賃を払うべきでしょうか、それとも私たちと同居するように主張すべきでしょうか。オハイオ州コロンバスのエリザベス
エリザベスさん、お気の毒に息子さんは今回つらい目に遭っていますね。失業するとがっかりしますし、現在対応しているような複雑な状況ではなおさらです。それでも自分の頼りになる人がいることは幸運です。
このような質問の場合、親や親のお金にとって何が最良かという観点から回答したくなりますが、このような状況では、親と息子のどちらがお金を払うかということになってしまいます。
息子さんは何も悪いことをしていません。他の何千万人というアメリカ人と同様に、現状の犠牲者です。この集団の人々にとって、次に起こることの決定要因は、この恐ろしい時代に突入するに当たって、金銭面で安定性しているかどうかです。金銭面の安定性があれば、その間ずっと無駄使いをせずに生活する限り、この混とんとした時代を、お金に関して生き延びることができそうです。この不景気に当たって、金銭面の安定性がない人たちは、数年でなくても、数か月は苦しみそうです。
判断を下すに当たり、決定的であったり、性急であったり、他を圧倒するような正しい選択をすることが、良いは思いません。それは今日のアメリカ生活の厳しい現実なのです。トランクにスペア・タイヤを積んでいる人は目的地まで早く、問題を抱えずに行けそうです。お金に関してアメリカ人の立場と安定性を分かつ要因はいくつかあり、収入の次に大事なのは、お金の逆境にどう対処するかという能力だと思います。
あなたの息子さんはお金の安定性を持っていません。もし、毎月請求書を支払うだけのお金を渡すとすると、やはり、お金の安定性を身に付けることはできないでしょう。問題を解決しようとすることは有意義ですが、事象自体を解決することは無意味です。
経済的に安定するまで息子さんは戻って同居すべきです。息子さんが元の巣に戻るという決定をみんなでしなさいと勧めているわけで、普通ならそれに反対しますが、今回のお金の危機は「大きな危機」なのですから、その原則は破るべきなのです。
息子さんの雇用状況は変わるでしょうが、3か月分の費用を蓄えられるまでは同居すべきです。息子さんは最大で6か月同居するかもしれないと思います。理想的にはこうすることによって、クレジットカードが使えなくなることは無くなりますが、もしアパートに住み続けて、苦境が続けばクレジットカードが使えなくなるでしょう。避けなければいけない主な障害は、再び有給で雇用されたときに、自由に使えるお金の枠を増やしていまうことです。それがいけない理由は、貯蓄する必要のあるお金を貯蓄せず、消費が家賃支払い分に食い込んでしまうからで、そうなると、実家から引っ越すことが難しくなってしまうことさえあるのです。
ちゃんと実行すれば、家賃以上のお金を毎月蓄えるでしょう。そうすれば、アパートに戻っても予算の範囲内で生活できます。これはあくまでの私の意見ですが、このやりかたは、息苦しくなるような額の学生ローンに苦しむ新卒生のご両親にも言いたいアドバイスと同じです。
成人した大人に金銭面で支援する時、良い方法と、悪い方法があり、困難に取り組むのに恥じることは全くありません。重要なことはご両親が解決しようとする真の問題をはっきりさせることです。家賃を仕送りしてあげることが悪い理由は、本当の問題に取り組まないからです。心を開き、誠実に、親身になったやり取りをすれば、親子で目標を達成できるでしょう。