プレジデント誌では、2012年に55歳から74歳の男女1060人に、「お金と暮らし」に関して後悔していることを聞きました。これらのことについて、考えてみましょう。
① もっと貯金しておけばよかった
我が家は、二人とも節約をして生活してきましたので、もっと貯金しておけばよかったとは思いませんが、住宅の購入が正しかったのかどうかということの関しては、いまだに確信が持てません。
SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)が発売されたのは1993年でしたが、その時点で、5000万円を投資していれば、現在の評価額3億円を超えています。実際には、外国の1銘柄に集中投資はできないでしょうが、現在の知識と経験があれば、可能な方法です。現に、ウォーレンバフェットは自分の相続財産の、90%をS&P500に投資することを遺言で勧めています。
DC、イデコ、投信積立、VOO、1306
そこで、私の子供達には、同様の後悔をさせないように、企業型確定拠出年金(DC)、個人型確定拠出年金(イデコ)、つみたてNISAをフルに利用し、加えて投信積立をして、投資銘柄は外国株式インデックスファンドを勧めています。さらに将来的に余裕資金が出てきたら、VOO(S&P500のETF)と1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))を購入することを勧めるつもりです。
SBI証券への自動振替
積み立てに当たっては、給与振込口座からSBI証券の口座に必要額を毎月自動振替する方式を設定します。
後悔を子供の時代に生かす
時間は戻りませんし、もう一度人生をやり直すことはできませんが、自分の子供たちに教えて実行させることはできます。
問題は金投資
残る悩みは、金(ゴールド)を積み立てるべきかどうかですが、今後2~3年勉強してから結論を出したいと思います。
② もっといろんなことを勉強すればよかった
進学校への反発心
その通りです。私の通った高校は進学校で、あまりに大量の勉強を押し付けられたために、反発心からあまり勉強しませんでした。その後、効果的な勉強法を身に付け、希望通りの大学に入ったものの、それで良かったのかということは、還暦を過ぎた今でも思い悩むところです。変な反発心を持たずに、素直に勉強すればよかったと思います。
効果的な勉強方法
ここで言う、効果的な勉強方法は、糸川英夫の勉強方法を基にしたものです。糸川は、当時東京帝国大学で一番難しいと言われていた航空学科を卒業し、「日本の宇宙開発・ロケット開発の父」と言われた人です。この人がいなければ、現在世界最高レベルの打ち上げ成功率を誇る日本のロケット技術は成り立たなかったかもしれません。
小惑星「イトカワ」
日本の探査機「はやぶさ」が打ち上げられて、小惑星「イトカワ」に到着し、後に無事帰還しました。このイトカワは、糸川にちなんで命名されたのです。また、「はやぶさ」は糸川が開発に関係した戦闘機(隼)と同名です。
糸川英夫編著 大学物理入試の問題集
私が高校2年生の時に手にした大学物理入試の問題集は、糸川が編者で出したものです。そこには、こう書いてあります。
私は、高校入試の受験の時も東大の入試を受ける時も、直前まで部の仕事だのクラスの仕事だので忙殺されてしまし、試験の直前まで入試のための受験勉強を始めることができなかった。結局、12月に差し迫ってから本格的な受験勉強となり、短期間に能率を上げるため、全学科とも回答付きの問題集を選んだ。答えのついている問題集を使うと、解答に頼って自分で考える力が付かず実力が付かないという世間一般の通説に、私はこれ以来反対している。
とにかく、”学ぶ”ということは先人の開拓した道を知ることである。自分で考えるのは学んでから後のことである。だから、実力をつけるには、まず解答付きの問題集をよく学び、これを卒業してから、自分独特の考え方や解き方に進むべきである。この意味で、本書は難解と思われる物理学を理解しやすく編んだものである。」(糸川英夫編「重要問題 物理解法の手引」科学新興社。但し、この本は今は絶版。)
糸川は手作り参考書を作ることを推奨
まず、参考書、問題集のたぐいを集めて、自分が受けようとする学校が入試として出しそうな問題を全部抜き取る。そして、罫線の無い、白紙のノートに書きこむ。そして、一つ一つの問題の下に、解答を書き込む。
問題 → 解答 という条件反射を作るためである。
注意を要するのは、その「解答」である。いろいろな参考書には、同じ問題に対して、解答を出すやり方が違って書いてある。これがミソである。いろいろな回答を出すやり方の中で、自分に合ったものを選び出して、あとはすべて切り捨てる。つまりチューニングである。こういう解法もある、こうやっても解ける、と言うのを全部覚えたり、やってみたりすると時間切れで、極めて非能率になる。自分の考え方の土俵だけで勝負すればよい。
自分に合った解答を選ぶ
私が中学時代、藤森某氏という人の「考え方、解き方」シリーズが全盛であった。それをやらないと高校入試は見込みがない、という程のベストセラーであった。けれども私はやめた。一冊だけ買って、やってみて私の電波の波長と全く合わないことが分かったからである。この参考書を読むと、前にできた問題もできなくなってしまうのである。「人を見て法を説け」といった先哲の言は正しい。
手作り参考書
つまり、結論を出すと、参考書の最良のものは「手作り参考書」であって、それはすべての解答の出し方が、それを作った人の頭の回路に合わせてあるからである。父兄であれ、母姉であれ、教師であれ、自分が指導する相手の子供に「手作り参考書」を作る経験を与え、これに成功したとすれば、それは最も成功した教育であろう。
以上が効率的勉強法のヒントになった方法です。なお、糸川が受験勉強したのは昭和初期なので、コピーはありませんから、問題も解答も、ノートに手書きしたのです。
この勉強方法については、次を参照してください。
1年で偏差値を20上げる勉強法
この勉強方法については、私の子供に数学や英単語など部分的に教えた記憶はありますが、体系的に教えることは無かったように思います。というのは、子供たちは、自分の行きたい高校、大学に合格できて、満足しているので、私が勉強のやり方を教えるチャンスがなかったのです。
私自身、勉強に関して、若いころほど、切実感も集中力も無くなって来ましたが、今でも少しずつ勉強はしています。
<明日に続く>