◎今日のグラフ:2017年12月の連れ合いのポートフォリオ
各々の商品もパーセンテージの数値も前月と同じです。50%が日本株式で、内容は、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)と個別株式です。外貨ETFは、SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)とVOO(アメリカバンガード社のS&P500のETF)です。全体の4分の3がETFということになります。USMMFは保有すること自体が目的ではなく、機会があればVOOや米国債を購入するための資金として保有しています。豪ドルMMFとNZドルMMFは、数年前に金利が5%程度あった時に買ったのですが、金利は下がるし、為替相場も円高になったので、現在は身動きのできない状態です。
◎今日のテーマ:資産運用のモデルパターン③
<昨日に引き続いて、資産運用のモデルパターンの説明をします。>
① 日米のETFを5年間に分けて毎年200万円合計1000万円購入
ETFとは?
ETFとは、Exchange Traded Fundsの略で、東証株価指数(TOPIX)等の動きに連動して運用する、東京証券取引所などに上場している投資信託です。ETFの運用方法はパッシブ運用で、非上場の投資信託のインデックスファンドと運用方法は同じです。運用方法には、パッシブ運用以外にアクティブ運用があります。アクティブ運用はパッシブ運用を上回る成績を目指していますが、なかなか上回ることが難しいのと、信託報酬というコストが高いことが最近では知られています。
ETFとつみたてNISAの購入金額の違い
ETFは、100万円、200万円といった、まとまった金額で購入した方が、単位当たりコストが低いので、ボーナス、退職金等の受け取り時に購入するのに適しています。一方で、つみたてNISAは、普段からコツコツと毎月数万円ずつ購入するシステムです。
超低金利の現在、債券に魅力なし
資産運用の基本的な金融資産は株式と債券です。債券のうち代表的なものは、日本国債と米国債です。日本国債は現在金利がほぼゼロですので、金融資産としては全く魅力がありません。日本国債に投資するのであれば、銀行預金にしておいて、必要な時に自由に出し入れできる状態にしておいた方が良いかもしれません。もう一つの代表的な債権は米国債ですが、その金利は現在2%台です。日本国債に比べれば高いものの、為替リスクをかけてまで投資したいという気にはなりません。過去において米国債の金利は5%以上だったことがありますので、もう少し金利が上昇してから購入を考えたいと思います。
ETFのメリット
ETFのメリットは、長期的に値上がりが期待できること、インフレ対策として有効なこと、資産の分散を行いやすいこと、個別株式に比べて価格変動が少ないこと、価値がゼロになることがないことです。
ETFは長期的に値上がりを期待できます。
アメリカの株式は、過去200年以上にわたって上昇しています。また、SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)についても、1993年の発売以来、ITバブル崩壊、リーマンショックを乗り越えて上昇しています。日本においては、アメリカの株式ほど高い増加率ではありませんが、上昇を期待できます。詳細については、「ETF・インデックスファンドを買いたくなるグラフ」をご覧ください。
ETFは長期保有すれば債券より安全です
通常、株式は債券よりも変動が大きくリスクが高いと考えられています。この考えは短期については正しいと思います。しかしながら、ETFを長期保有した場合には、この考えがそのまま有効であるとは思いません、その理由は、「ETF・インデックスファンドを買いたくなるグラフ」でもお示しした、ジェレミー・シーゲル教授のグラフでもわかるように、長期で見た場合、アメリカでは国債よりも株式が上昇しています。つまり、1年、2年の短期で見た場合には、株式の価格変動は激しいのですが、10年、20年という長期で見た場合には、毎年の利回りが高いので安全圏まで上昇してしまうということです。
ETFはインフレ対策として有効です
資産運用をするときに、価格変動リスクと同時にインフレリスクも考えなくてはなりません。実は、私が現在の資産運用を真剣に考え、実行し始めた最大のきっかけは、インフレリスクです。日本政府は、赤字国債を発行し続けた結果、近い将来、激しいインフレがやってくる恐れが高いと思います。インフレについては、「膨大する国債残高と個人ができるインフレ対策」をご覧ください。株式と不動産はインフレに強いと言われています。現在日本政府が販売している変動金利国債もインフレにはある程度有効です。しかし、外貨ETFを購入すれば、インフレに相応して為替が変動しますので、日本のインフレを回避することができます。日本のETFについても長期保有すれば価格が安全圏に近づいていくと思います。日本だけでなく、アメリカもインフレになる恐れはありますが、日本は明治時代に約2倍のインフレと第2次世界大戦後に約200倍のインフレを経験しています。そして、このことを日本人は知らなかったり忘れてしまっています。先進国の中で、これほどひどい状態を続け、さらに悪化させているのは日本だけです。金融資産は、日本円だけで保有するのでなく、外国の株式や外貨で幅広く保有したいと思います。