お金の蓄えの無い人はイデコ、つみたてNISA
今お金をあまり持っていない人はラッキーです。その理由は、毎月一定額をイデコ(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAで自動的に積み立てれば良いのですから、あまり悩む必要はありません。特に現在のように株式相場が低迷しているときは、安く買い増せるのですからなおさらです。そして1年に1回程度、毎月の積立額と買う商品を見直すだけで、あとは証券会社が勝手に積み立ててくれます。
退職金、相続金はどうするか
問題は、最近退職金を受け取った人、親から相続を受けて金融資産を持っている人でしょう。銀行預金のままで持っていて良いのか、株式はリスクが大きいのではないか、投資信託は危ないと聞いている、証券会社で何を相談すればいいのか、ネット証券は安全なのか、など不安は尽きないものです。
本、インターネットを読んでも分からない
本屋に行って、資産運用、投資の本やムックを買って読むと、それぞれ全部違うことが書いてあって、何が正しいか、何が自分に合っているかが分かりません。インターネットで検索しても書いてあることがバラバラです。そして、テレビ、新聞などで史上最大の値下げ幅、何日続落などの記事が出ると、余計に心配になってしまいます。
アメリカの個人投資家
確定拠出年金、個人資産運用の先進国であるアメリカでも状況は同じようです。アメリカ最大の新聞であるUSA TODAYの2020年4月22日の記事をもとに、やっていはいけないことを勉強しましょう。以下は拙訳です。
今回は、株式資産が急にひどい目に遭いましたが、弱気相場を生き延びる対策をするのに遅すぎるということはありません。株式市場の急落を生き伸びるのは、困難から逃げるというよりは、嵐を乗り切ると言った方が近い場合が多いのです。
弱気相場の標準から見て、最近の急落は超高速です。スタンダード&プアーズ500株式指標が20%下落するのに16日かかったのですが、強気から弱気に転換する最短です。ところが、下落サイズは少なくとも今までのところ平均以下でした。S&Pダウ・ジョーンズ指標によれば、弱気相場の底だった3月23日で、広範囲な市場の計測値は約34%で、1929年以降の弱気相場で経験した40%に少し足りませんでした。
それでも、今回の弱気相場も、今までのものと同様に不安です。3週間で株式ポートフォリオの3分の1を失って良い気持ちの人は誰もいないでしょう。いい話はないのでしょうか?弱気相場があなたのお金を襲い始めた時に、米国金融業界が使う生き残るためのアドバイスを守っていれば、弱気相場を乗り切ることができます。
底を正確に言い当てようとしない
底はどこか?このキャッチフレーズは、1980年代のハンバーガー戦争の間、ウェンディーズの「牛肉はどこ?」という広告と同じくらい、ウォール・ストリートでは人気があります。
一つ、問題があります。それは市場の底値を言い当てることは、ほとんど不可能だということだ、とファースト・アメリカン・トラストの投資責任者ジェリー・ブラークマンは言います。
「弱気相場で投資家が犯す、お金に関する大きな問題の一つは、底を知ることができる思い込むことだ」とブラークマンは言います。
弱気相場はすぐに過ぎ去るものではないと彼は指摘します。(S&Pダウジョーンズ指標によれば、普通は21か月続きます。)
弱気相場では、ボラティリティーは驚くほど高くなります。(昨年の一日平均S&P500変動幅が1%未満だったのに対し、3月の短期間でみると、5%を超えていました。)
最終的な底をつく前に、弱気マーケットでは大きく上昇することはよくあります。(2000年のIT株式弱気相場や、2008年のリーマンショックの時に、20%の市場の反発は何回かありました。4月14日に、S&Pが27%反発したように、このシナリオが繰り返されることはあり得ます。)
底を形成するには数か月かかるものです、とブラークマンは言います。S&P500 が古い底を「試」そうとして下落する前に、上昇することはよくあります。もっと深い底が形成されることはよくあることです。
経済が封鎖され、失業者はうなぎのぼり、政府が労働者や事業者に救済金を支給している現在の経済状況では、底を見極めるのはやはり極めて難しい、とブラークマンは言います。
「これがどう落ち着くのかを確信をもって言える人はペテン師だ」とブラークマンは言います。「ボラティリティが強いので、間違いも増幅される。自分の長期アセット・アロケーションから離れずにいた方が良い。」
株を売って現金に走らない
弱気相場では、確かに現金は安全で、株式はリスキーです。しかしながら、そうだからと言って、現金がすべてのお金の問題に対する答えにはなりません。特に数十年後のリタイヤのために蓄えているなら。
「弱気マーケットの時に投資家がするもう一つの大きな失敗は、現金に換えることだ」とブラークマンは言います。
株式がどんどん下落するときには、現金なら損失が最も少ないのは明らかです。でも株式はいつまでも低迷したままではありません。ニューヨークの宝くじのスローガンにあるように「買わなければ当たらない」のです。(投資をギャンブルと同一視しているのではありませんが、もしお金を投資しなければ、市場のリバウンドを受け取ることはできません。)
「回復が早いかもしれない。」とブラークマンは警告します。
マーケットから退出した人のほとんどが、適切な時期に戻ってこようとしないことが問題だ、とブラークマンは言います。
「以前の弱気市場では、現金に換えた投資がが戻ってくるのに何年もかかったので、下落中に売った後リバウンドの多くを逃してしまった」とブラークマンは言います。「教訓は自分の長期プランから離れないでいるということだ。」
<明日に続きます>