確定拠出年金iDeCo:2020年成立の年金制度改正法

2020年成立の年金制度改正法の中で、確定拠出年金iDeCoに関して証券会社から、お知らせが来ましたので、その確認をします。

⇒ は、私のコメントです。

iDeCoに関する改正事項は以下のとおりです。

① iDeCoの加入可能要件の見直し

      • 65歳未満まで加入可能
      • 海外居住者の加入が認められる

② 受給開始時期等の選択肢の拡大

      • 受給開始年齢の上限が70歳から75歳に引き上げ

③ 企業型DC加入者のiDeCo加入の要件緩和

      • iDeCoに同時加入が可能

④ DCにおける中途引き出しの改善

      • 支給要件の緩和
        • 通算拠出期間が3年から5年に引き上げ
        • 外国籍人材が帰国する際の支給要件の緩和

⑤ ポータビリティの改善

      • 制度を終了した企業年金(DB)からiDeCoへの移換が可能

【2022年5月より】

iDeCo加入要件の見直し:掛け金の積み立てが65歳まで続けられるようになります。

現在は、掛け金の積み立てができるのは60才になるまでですが、2022年5月からは、要件を満たしている人に限り、65才になるまで掛け金の積み立てが可能となります。また、現在は加入者になることができない国民年金に任意加入されている海外居住者の方が加入者として掛け金を積み立てることが可能となります。

iDeCoの加入可能年齢

今までの加入年齢 追加になる加入要件
第1号被保険者 自営業者等 20~60歳 任意加入被保険者(注1)
60~65才
第2号被保険者 会社員/公務員等   ~ 60歳 厚生年金保険の被保険者
60~65才
第3号被保険者 専業主 20~60歳 任意加入被保険者(注2)
60~65才
国民年金のみに加入している人 海外に居住する任意加入被保険者
20~65才
任意加入被保険者
60~65才

⇒ 私はiDeCoの制度が始まった時には、すでに還暦を超えていたので利用できませんでした。連れ合いは60才になるまでの1年間利用可能でしたが、現実にはコストや手間がかかりますので、あまり短期間しか加入できないとメリットはないかもしれません。

19年で2.6倍

できるだけ若いうちから始めて、長期間持ち続けた方が良いでしょう。私自身はiDeCoでなく、企業型確定拠出年金を利用していますが、現在まで19年間運用して約2.6倍に増えました。加えて、受給開始年齢を75歳まで遅らせることによって、さらなるリターン増加を狙っています。例えば、75歳時点では5倍になり、更に受給期間を20年にすれば、受給中も増加しますから、実質的にその倍の10倍になるのではないかと思います。元本が600万円でしたから、それが6000万円で受け取れることになります。

20代からつみたてれば20倍になるかも?

もし、最も若く20代、30代から積み立てていれば、20倍、30倍も夢でないかもしれません。それが、株式市場であり、複利運用の効果です。しかも、それに対して税金が全くかからないのが、この確定拠出年金のメリットです。大いに利用しましょう。ところで、最近は「主婦」と「主夫」を合わせて「主フ」と書くんですね。(第3号被保険者 専業主等)

ポイントは、100%外国株式インデックスファンドで運用することです。

(注1)60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない場合や40年(480か月)の納付期間がないために老齢基礎年金を満額受給できない場合などで年金額の増額を希望するときは、60歳以降でも国民年金に任意加入することができます。

(注2)第3号被保険者が60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない場合や40年(480か月)の納付期間がないために老齢基礎年金を満額受給できない場合などで年金額の増額を希望するときは、60歳以降でも国民年金に任意加入することができます。

【2022年5月より】

ポータビリティの改善:制度終了した企業年金からiDeCoへの移換が可能になります。

厚生年金基金、確定給付企業年金に加入されていた人が、退職等により脱退した場合、iDeCoの加入者であれば資産をiDeCoに移換することが可能です。

現在は「脱退後1年以内」という要件だけなので、「制度終了時」にiDeCoへの移換はできません。

2022年5月以降は、「制度終了時」という要件が追加され、既にiDeCoに加入している人の勤め先の企業年金制度が終了した場合は、資産を移す先の制度の選択肢としてiDeCoを活用することができるようになります。

⇒ 私も、勤めていた会社を退職後、コストの高いみずほ銀行から野村証券に移管しました。もっとコストを下げたければ、SBI証券などのネット証券に移管する方が良いでしょう。20代、30代の人は、これから70年、80年という長期間利用することになりますから、わずかなコスト差でも敏感になるべきです。

1%違うと、25才から100歳までで、どのくらい違ってくるでしょうか?

年齢 複利の効果
25 1%
26 2%
27 3%
28 4%
29 5%
30 6%
31 7%
32 8%
33 9%
34 10%
35 12%
36 13%
37 14%
38 15%
39 16%
40 17%
41 18%
42 20%
43 21%
44 22%
45 23%
46 24%
47 26%
48 27%
49 28%
50 30%
51 31%
52 32%
53 33%
54 35%
55 36%
56 37%
57 39%
58 40%
59 42%
60 43%
61 45%
62 46%
63 47%
64 49%
65 50%
66 52%
67 53%
68 55%
69 56%
70 58%
71 60%
72 61%
73 63%
74 64%
75 66%
76 68%
77 69%
78 71%
79 73%
80 75%
81 76%
82 78%
83 80%
84 82%
85 83%
86 85%
87 87%
88 89%
89 91%
90 93%
91 95%
92 97%
93 99%
94 101%
95 103%
96 105%
97 107%
98 109%
99 111%
100 113%

113%の利子が付きますから、2.13倍になるということです。

【2022年4月より】

受給開始時期等の選択肢の拡大(企業型DC/iDeCoともに)

受給開始化能年齢の上限が70歳から75才に引き上げられます。

⇒ 外国株式インデックスファンドの期待リターンは6~7%ですから、できるだけ受給開始時期を遅らせて、複利運用効果を発揮させたいものです。