私の運用実績 2024年9月:評価益は千代田区一番町の73㎡新築マンション相当です

2024年8月の植田ショックで3千万円下がりましたが、現在は少しだけ盛り返しました。

千代田区一番町の73㎡新築マンションの価格は現在3億円弱です。アメリカは好景気が続いて、人口も増えているので不動産価格は上昇していますが、東京の不動産価格も上昇しています。

しかし、先進国の人口が減少していく中で、不動産の価格も上昇し続けるのでしょうか。

西暦3300年には、日本の人口がゼロになるとの試算もあります。

それ以前に、国力の衰えた日本を、中国やロシアが何をしないで見ているでしょうか。日本は海に恵まれた魅力的な国なのです。ロシアも中国も、日本の領土を欲しがっています。


日本社会の消滅とどう向き合うか

  • 経済学研究科/国際・公共政策大学院 准教授山重 慎二

日本社会の消滅

図1:日本の人口の推移

出所:『家族と社会の経済分析』(図 1.1)

1973年、『日本沈没』という小説が出版され、映画化された。地殻変動により、日本の陸地のほとんどが沈没してしまい、日本が消滅してしまうという物語である。

もちろん実際には、これほどの地殻変動が近い将来に起こることは、予想されていない。しかし、首都直下地震や南海トラフ地震が発生し、日本経済の中枢地域が津波などで浸水・崩壊し、多大な被害を受ける可能性はある。いずれの地震も、今後30年の間に発生する確率は70〜80%ほどと予想されている。また、地球温暖化により、海面上昇が始まり、国土の一部が沈没する可能性もある。

しかし、本稿で取り上げたいのは、そのような国土の消滅ではない。人口減少による日本社会の消滅の問題である。日本人の総人口は、2010年の約1億2806万人をピークとして減少を続け、2014年には約1億2643万人になった。今後さらに速いスピードで減少し、最新の人口推計(中位推計)では、2082年に人口は半減し、約6400万人になると予想されている(図1)。そのまま人口減少が続けば、3300年頃、日本の人口はやがてゼロになると考えられている。

日本の人口が完全に消滅するまでには、おそらく1300年ほどかかる。しかし、地方の集落や自治体の消滅は、すでに始まっている。若者の流出が続き、高齢者が5割を超える「限界集落」は全国に数多くある。さらに、あるアンケート調査によると、回答した1243市町村のうち289市町村で、人口がゼロとなった「消滅集落」があった(ウィキペディア「消滅集落」)。

日本社会は、着実に消滅に向かっている。このような危機は、なぜ発生したのだろうか。日本社会は、この消滅の危機にどのように向き合ってきたのか。そして、どのように対応していこうとしているのだろうか。

このような問題意識を持ちながら、これまで行ってきた研究の成果を『家族と社会の経済分析―日本社会の変容と政策的対応』という本にまとめ、昨年、武山基金(一橋大学後援会の出版助成金)の助成を得て出版した。幸い、その本は、2013年度の日経・経済図書文化賞を受賞した。本稿では、その内容を簡単に紹介しながら、これからの日本社会のあり方について考えてみたい。

戦後の日本社会の変容

『日本沈没』が出版された1973年を最後に、日本の合計特殊出生率は、人口置換水準を下回ることになった。「合計特殊出生率」(以下、出生率と言う)とは、1人の女性が一生に産む子どもの数の平均値である。男性は子どもを産めないので、人口が減少しないためには、出生率は2以上でなければならない。「人口置換水準」とは、人口が一定に保たれる出生率水準で、現在、約2.08である。

1974年以降、現在に至るまでの40年間、出生率は人口置換水準を下回り続けた。そして、ついに2010年から人口減少が始まった。出生率低下の理由と言われることが多い婚姻率の低下も、1973年頃から始まっている(図2)


この時期に起こったことを理解するために、ここで少し、人が結婚し子どもを持つ理由について考えてみたい。

まず、子どもは親に直接的な喜びをもたらす。子どもはかわいい。さらに、子どもは、長い目で見ると投資的な便益をもたらしてくれる可能性がある。自分が病気になったり働けなくなったりした時に、生活を支えてもらえるという便益である。

結婚にも、配偶者がもたらしてくれる直接的な喜びがある。子どもを持つこともその一つである。そして、困難に直面した時に、配偶者が助けてくれるという投資的な便益も期待される。

1950年代頃までの日本のように、多くの人々が貧しく、十分な資産を持てない状況では、結婚し、子どもを持つことは、人生のリスクに備える、ほぼ唯一の方法であった。長生きを願う人々は、当然のように結婚し、子どもを持った。

しかし、経済発展とともに、資産の蓄積が進み、市場で何でも買えるようになると、将来のリスクに市場で備えられるようになる。無理に結婚したり子どもを持ったりする必要はない。人々の考え方がそう変化してきた。

親の扶養についても、「子どもが親の面倒を見る」という規範に縛られて、親の面倒を見るより、よい仕事を見つけて蓄えを増やしたい。そう考えて、若者は、親を残し、高い所得が得られる都市に移り住み、親に対して十分な扶養を行えなくなった。