1週間後、1か月後、1年後、10年後の株価はどうなっているか。

◎今日のテーマ:将来のETF価格

私は、このブログで、ETFの魅力を述べてきました。それでは、1週間後、1か月後、1年後、10年後のSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)の価格はどうなっているでしょうか。私の予測を述べます。

① 1週間後のSPY価格

現在より上がっている確率と下がっている確率が半分半分です。様々な専門家たちが、将来予測をしていますが、正確に予測できる人は、ほとんどいないと思います。もし、毎回正確に予測できる人がいたら、その人は数兆円の資産家になっているでしょう。ウォーレン・バフェットがそれに近い人物ですが、さすがに最近は外れることが多くなってきたとも言われています。従って、1週間の短期でETFを売り買いすることは、勝率5割で、儲からず、売買手数料だけ証券会社に支払うことになります。

② 1か月後のSPY価格

①と同じように、現在より上がっている確率と下がっている確率が半分半分ですが、かすかに上がっている確率が高いでしょう。なぜなら、アメリカの株式は過去200年以上に亘って、大きな方向としては上昇していますから、1か月という期間を見れば、かすかに上がっている可能性があります。しかし、それはほんのわずかな数字ですから、基本的には①と同じように、勝率5割で、儲からず、売買手数料だけ証券会社に支払うことになります。

③ 1年後のSPY価格

1年という期間があれば、SPY価格が上がっている確率は、目に見えて大きくなるでしょう。ただし、10%も有利になるかどうかは分かりません。

①~③ のまとめ

1か月以下の短期間で、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)を買って得るという行為は、ギャンブルの性質を持っています。しかも、為替リスクを負い、株式売買手数料、為替手数料を払ってまでする行為ではないと思います。1年保有であれば、儲かる確率は少し高くなりますが、様々なリスクや手数料を考えると、買いたいという積極的な気持ちにはなりません。

④ 10年後のSPY価格

それでは、10年間という長期で、買って売る場合、価格は上がるのでしょうか。答えは、非常に高い確率で上がると思います。ここでは、特に数学的な証明をしようとは思いません。なぜなら、数学的に確率を計算しても、前提条件によっていくらでも数字を作れるので、あまり意味がないと思うからです。そのような数学的証明ではなく、2つの根拠をお示ししたいと思います。

<根拠1>ウォーレン・バフェットの賭け

ファンド ヘッジファンドとインデックスファンドの年平均リターン
A 2.0%
B 3.6%
C 6.5%
D 0.3%
E 2.4%
S&P500インデックスファンド 8.5%

S&P500のインデックスファンドの圧勝で終わる。

バークシャー・ハサウェイ社のCEOで、9兆円の資産家ウォーレン・バフェットは2007年12月19日に10年間の賭けをしました。S&P500インデックス・ファンド(SPYと同じ)の10年間のパフォーマンスが、ヘッジファンド(手数料控除後ベース)を上回れば、バフェット氏の勝ちというものです。ファンド・オブ・ヘッジファンズのプロテジェ・パートナーズ社が挑戦者になりました。そして、その結果がバークシャー・ハサウェイ社の株主への手紙の中で発表されました。結果は一番右側のS&P500のインデックスファンドの圧勝でした。SPYはインデックスファンドの代表格的存在です。この結果は、インデックスファンドとアクティブファンドとの競争なので、両方ともマイナスリターンになることもあり得ますが、ここで言いたいのは、バフェットが10年という期間を取ったということです。1年、2年の短期間では、インデックスファンドもリターンにばらつきが出るのですが、10年という長期であれば、ばらつきが縮小し、かなり安定したリターンを得られる確率が高いということです。

<根拠2>ジェレミー・シーゲルのグラフ

横軸は2013年間を取り、縦軸は対数目盛で、1ドルから100万ドルを取ってあります。赤い線が株式市場の指数です。1929年の大恐慌、1970年代の株式市場の低迷期、2000年ごろのITバブルとその崩壊、リーマンショックの時に下がっていますが、おおむね、一直線で伸びています。10年という期間があれば、ほとんどの場合、トータルリターンはプラスになるということが分かります。この過去の推移が、突然終わるというようには思えません。